「結社の自由があるから裁判所は政党の内部問題は口を出すな」について

(この記事は私の不当な除籍・解雇事件の問題の一部についてです。全体像を簡単に知りたい方は24年8月20日付の記事を先にお読みください。)

 12月3日の京都での私・松竹伸幸さん・上瀧浩子弁護士による討論会で論点になったことを少し紹介しています。

 その一つが、「結社の自由があるから裁判所は政党の内部問題は口を出すな」という議論についてです。

 これは「部分社会の法理」といわれるものです。

 ネットなどでもそこを心配する声があります。これを政党についてあてはめたのが、共産党を除名された袴田里見氏の住居明け渡しをめぐる裁判で1988年にでた「共産党袴田事件」の最高裁判決です。

 討論会でもその点をどう考えるのかを上瀧弁護士から私と松竹さんがそれぞれ聞かれました。

 簡単にいうと、私の場合はむしろ共産党袴田事件最高裁判決を使って、議論を組み立てています。

 この共産党袴田事件判決では、“結社の自由があるから、メンバーを追放するとか処分するとかいう問題については、裁判所は政党の内部問題には口を出せない”という理屈になっているのですが、例外を設けています。

 それはどういうものでしょうか。

 共産党袴田事件判決では「政党の内部問題」といった場合、市民としての権利や利益を侵害するようなもの、そして適正な手続きになっていないものは、「政党の内部問題」とは言えないないから、そのときはちゃんと裁判所でも裁きますよ、という条件をつけているのです。

 

 私の場合、生活の糧や個人の尊厳を奪われるという解雇がついており、その解雇がめちゃくちゃであったため、まさに市民としての権利や利益を侵害し、適正な手続きではなかったので、袴田判決によって逆に当然に司法の場で裁かれることになります。

 

 処分などにかかわる問題でも、それが例えばハラスメントのような暴力や人権侵害がからんでいたら、しかもそれを隠蔽するためにとんでもない手続きで行われていたら、それは「内部問題」ではすまないわけです。

 共産党規約には「党の内部問題は、党内で解決する」という条項(第5条)がありますが、どんな問題でも党内で起きたらとにかく「内部問題」であって、絶対に外に出してはいけない、というわけではないのです。その限界がどこにあるかがここに示されています。

 

 この話題は、動画ではまず上瀧弁護士の問いかけが4分ごろから始まり、それに対する私の回答が10分ごろから始まります。