福岡市の家賃補助の実績が「ゼロ」

 福岡市の2020年度決算を審査する決算特別委員会が開かれていました。

 そこで明らかになったことですが、共産党市議団の反対討論から以下、引用します。

コロナのもとで失業や収入減にさらされ住むところが奪われる事例が相次いでいますが、髙島市政は家賃の安い市営住宅は新規建設を行わない姿勢を頑なにとりつづけ、低所得者のための家賃補助事業の決算年度における実績は、なんとゼロであり、行政として住宅施策に取り組む意欲も能力もないものだと言わねばなりません。(強調は引用者、以下同じ)

 私は2018年の市長選選挙公約に家賃補助を掲げました。

年金生活の一人暮らしの高齢者が住めるような民間アパート借上の市営住宅を増やします。そして、非正規で独身の若い人たちのために、民間アパートへの家賃補助をはじめます。

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 高島宗一郎・福岡市長は、これに全く後ろ向きだったのです。2018年11月15日の福岡市中央区の草ヶ江公民館公民館でやった演説の一節です。

選挙とかになるとね、もしかすると、これもタダにします、あれもタダにします、これにも補助金を出しましょう、あれにも補助金を出しましょうという話を聞くかもしれないんだけども、それお金どうするわけ、そんなんできりゃ今でもしてるって。ね。子どもの全部から、高齢者の全部から、もうついでに国民全員タダってすりゃ、できるんならするて(笑)。そりゃできんさ。子どもの全部から、高齢者の全部から、もうついでに国民全員タダってすりゃ、できるんならするて(笑)。そりゃできんさ。みなさんの家庭だってね、子どもたちに服はいい服着させる、医療環境もバッチリ、夏休みには海外旅行に行ってなんとかでって、塾もいっぱい習い事させて、で、お父さんお母さんには素晴らしいセカンドハウスかなんか買ってあげる、ってそりゃできんって(笑)。

 彼は私の「家賃補助」政策を意識しているんですが、切実な補助金を「海外旅行」や「セカンドハウス」を購入するのと同じ要求だと言ってバカにし、あざ笑い、実現など不可能だと煽っていることがわかると思います。*1

 高島市長は、市営住宅の新増設にかなり批判的で、さらに、上記のように補助を出すことにも慎重でした。「民間の力」で何とかする、という方針だったのです。高島市長は、私と選挙を争った2018年の選挙戦の直前(同年10月30日)にこう語っていました。

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―対立陣営からは公営住宅などセーフティーネットをもう少し強化していいんじゃないか、という指摘もある―
 高齢社会に向かってどのように高齢者の住宅を確保していくのか。入院から在宅へという流れの中で、地域で安心して暮らしていけるのかという課題は、日本全体にとって非常に大きな課題だと認識しています。人口が減っていく街であっても、増えていく街であっても、問題は変わらないと思うんです。
 そのうえで福岡市はどういう事に取り組んでいるかというと、一つは民間の賃貸住宅などを借りていく。福岡は新築志向が非常に強い土地ですので、意外と、築何年の住宅が空きがあったりという事もある訳です。
 こうした空き部屋を活用していくのは非常に大事で。こうしたアセット(資産)があるにもかかわらず、市が別の形で住宅を建築するのは、行政の最適化からしてもいかがなものか
 民間の皆さんにとって、どういう形であれば、例えば低所得者の方とか、高齢者の方を受け入れやすいのか。やはり保証の仕組みが大事になってくる訳です。ですから、福岡市社協と一緒になって、民間の皆さんと、高齢者が住み替えを促進できるような協定を結んだり。そういうかなり先進的な取り組みをしてきている。

 「保証の仕組み」——これは現在市が躍起になって進めている「セーフティネット住宅を登録する」というやり方です。「貧乏人だから」「年寄りだから」「障害者だから」といって入居を拒まない民間アパートなどを登録によって増やそうとしました。そして、これは一定増えたわけです(2020年1月31日で186戸)。

 しかし、高島市政は、このように言いながら結局世論に押されて、家賃補助制度を始めました。このセーフティネット住宅に登録した住宅の中で家賃補助を大家に渡す制度をやろうとしました。

 これ自体は、私が掲げてきた公約へ向けての一歩前進です。逆に言えば、高島市長の「敗北」であり、彼の先見性の無さが浮き彫りになったわけです。反対していた私の公約の方向を取り入れざるを得なくなったわけですから。ロープウエー中止や、少人数学級と同じですね。

 

 しかし、実績はゼロです。

 家賃が安くなるというのに実績がない。通常では考えられません。政策がうまくマッチしていないかも…、つまり高齢者はみんな裕福になって家賃補助など、制度があっても使わない——とは考えにくいですよね。

 明らかに制度がおかしいのです。

 まさに「行政として住宅施策に取り組む意欲も能力もないもの」です。

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 実は、この問題は全国的に起きています。

 なぜなら「セーフティネット住宅」という枠組みは国の枠組みであり、その専用住宅に限って家賃補助を行うというのも国の枠組みだからです。

 高島市政は、国が金を出すならとしぶしぶ始めたものの、国のダメダメな枠組みに従うだけで、高齢者や若年単身者の実態に寄り添う気も能力もないので、こんな結果になっているのです。

 その辺りを詳しく、共産党の理論誌「前衛」11月号の寺下真論文「『住まいの貧困』を打開するために——コロナ禍から見えてきたもの」が書いています。

 二〇二一年九月時点で、「住宅確保要配慮者」の入居を拒まない「セーフティネット住宅」の登録は、約六〇万戸まで増えました。制度自体、表向きは前進があるようにも見えます。ところが、そのうち家賃低廉化(家賃補助)の対象となるのは、そのうち約六〇万戸ではなく、「住宅確保要配慮者」のみが入居する「専用住宅」であり、その登録戸数は全国でわずか四〇〇〇戸程度国交省は説明しています。現状では、どんなに家賃低廉化を進めたくても、四〇〇〇戸以上には増やしようがないのです。

 これでは、もっとも住宅困窮者対策として期待が高かった家賃低廉化(家賃補助)の施策は重大な機能不全に陥っていると評価せざるを得ません。(前掲誌p.214)

家賃低廉化(家賃補助)を受けている世帯は、全国でわずか一七自治体の二〇八戸、使われた国費は三三八三万円にすぎません。(同前)

 寺下論文では改善の方向として、

コロナ禍を経てまず求められる住宅困窮者対策は、入居者自身に給付する国の家賃補助制度の創設です。(同前)

と結論づけています。

 私は、高齢者、とくに単身高齢者についてはもし入居拒否があるなら、民間住宅の借り上げを進めて準公営住宅にするとともに、公営住宅そのものの増設を進めるべきだと考え、2018年市長選挙でもそう訴えてきました

 そして単身の若年者にはこういう民間アパートへの家賃補助がいいだろうと思って、訴えてきました

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 日本政府、というか自民党(・公明党)政権の長年の政策は「持ち家偏重」政策であり、資産としての家を持つようにローンを優遇するなどしてきました。賃貸の人たちには公営住宅は増やさない、家賃補助はやらないなど徹底した冷遇政策をとり続けてきたのです。

 私は、2018年の市長選の時の記事でも平山洋介教授の著作を紹介する形でこの「持ち家主義」(持ち家偏重主義)との決別を呼びかけてきました。

 神戸大学平山洋介教授の『住宅政策のどこが問題か』(光文社新書)では、ケメニーという学者の分類モデルを紹介し、日本の住宅政策は「持ち家主義」であり、「デュアリズム」と言って国民に持ち家を持たせることに政策資源を集中させ、社会的賃貸住宅は「残余」つまり余り物としておざなりにしかやってこなかったものだとしています。

 これに対して、ユニタリズムというのは、特定の住宅をひいきせず、持ち家でも賃貸でもどういう家を持っても「中立」的な政策をやっています。

 日本は持ち家主義から変わらなければいけません。

 特に、若者と高齢者の単身者が増え、それら単身世帯が市の半分を占め、さらに低所得世帯がやはり市の世帯の半分を占めるようになった現代では、「ローンを組んで持ち家を持つ」という世帯だけが優遇され、社会的に「賃貸から持ち家へ」ハシゴを登るように誘導される政策は、もう限界にきています。

 

 前述の寺下論文が指摘するように、自公政権にとっては「住まいは人権」なのではなく、あくまで経済対策の一環なのです。

政府の住宅政策の主眼は、ハウスメーカーなど住宅産業の支援にあります。居住者支援は後景に追いやられています。住宅政策は、住宅市場を活性化し、住宅産業を支援する「経済対策」なのです。(寺下前掲p.207)

 

 寺下論文では諸外国と日本の動向を次のように総括しています。

これに対して、賃貸住宅向けの住宅政策としては、多くの国では(1)公的な家賃補助制度と、(2)公営住宅など公共住宅の制度による支援があります。(1)と(2)のいずれかに力を入れるとか、双方やるとか、国ごとに支援の方法には違いがあります。しかし、日本は、(1)国が責任を持つ家賃補助制度はありませんし、(2)公的賃貸住宅は、公営住宅UR賃貸住宅を合計しても全国で約二九〇万戸、住宅ストック全体の五%程度しかありません。公営住宅UR賃貸住宅も戸数が減る一方です。(寺下前掲p.208-209)

 日本も賃貸住宅については「住まいは人権」の立場から、公営住宅を増やし、家賃補助を進める政策に切り替えるべきでしょう。「持ち家」の皆さんとの公平を保つ上でも、ベーシックな「住宅手当」を全世帯に行うよう政策を発展させていくべきです。

 それが私が2018年の市長選挙で訴えた、家賃補助からベーシックインカム(ベーシックサービス)へという考えです。

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 そして、野党共通政策に次の一文が入りました。

誰もが人間らしい生活を送れるよう、住宅、教育、医療、保育、介護について公的支援を拡充し、子育て世代や若者への社会的投資の充実を図る。

 そして、これは野党が政権を取った場合に実行される政策となり、共産党立憲民主党と政権協力で合意し、この野党共通政策の範囲に限定して閣外から協力することになりました。つまり、共産党この政策を政権に実行させる責任を持つポジション、コントロールの権利を協定によって入手したのです。

 ふん、こんなものキレイゴトじゃないか、とお嘆きの貴兄に。

 それはそうかもしれません。放っておけば、あまり具体化されない恐れがあります。

 しかし逆に考えれば、「住宅…について公的支援を拡充」することを定めているわけですから、この条項を入り口にして具体的な支援策の実行を求めることができるのです。

 寺下論文では、この野党共通政策に触れてこう述べています。

今後、各地域でこの共通政策をもとに運動を進める際に、この内容が地域の実情に合わせて豊かに発展できればすばらしいことです。特に、家賃補助制度の創設は、各党で一致できないでしょうか。公営住宅の供給増はどうでしょうか。子育て世代や若者への「社会投資」に限定せず、高齢者なども含めて「住まいは人権」という立場から合意できないでしょうか。草の根から「共通政策」がより豊かになれば、野党共闘もますます意義深い取り組みとなるでしょう。(寺下前掲p.215)

 ここには、野党共闘、野党連合政権、そして総選挙を考える非常に重要なヒントがあります。

 一つは、「野党共通政策」の実行は「立憲民主党おまかせ」ではないこと。

 「政権をとって実行するなら立憲民主党だけでいいだろ?」ということではなく、野党がそれぞれの立場からその具体化をすることが必要だということですし、特に、政権協力合意をして閣外からの政策実行へのコントロールを約束したことは、そうした政策に熱心な政党(ここでは共産党)がどれだけ伸びるかが大事になってきます。

www.jcp.or.jp

 

 もちろん、立憲民主党立憲民主党で、「うちの方が熱心」というアプローチをして競ってもらえばいいと思います。

cdp-japan.jp

 二つ目は、抽象的な方向性をうたっている項目は、今後の市民と野党の共闘でこそ具体化されていくものだということ。

 これ以外にも、野党共通政策はやや抽象的な政策条項が少なくありません。

 これらを「抽象的にとどまった」とみずに、むしろより具体化して豊かにして実行する、奥行きのある条項が入ったものとして、運動や共闘のテコにしていくことができます。

 野党共通政策には、「消費税減税を行い」とか「日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命する」などの相当具体的な文言が入っていますが、逆に考えれば、それはそこで終わりの条項です。

 それよりは、大きな方向を戦略的に共有して具体化をしていく方が、むしろ自民・公明政治の柱を大きく変えることができます。

 

*1:余談ですが、2018年市長選挙終盤で高島氏が唯一の対立候補であった私に対して、急に、異常なまでにアグレッシブになりました。こういう屋内演説だけでなく、最終日は私の打ち上げ演説の横を妨害するかのように絶叫して通り過ぎて行きました(後日、議会で問題にすらなったほどのひどさ)。また、急遽自民党にも推薦を頼んだりしました。突然「横綱相撲」を捨てて、目に見えて焦り始める——私にはたいへん奇妙な光景に映ったものです。私に負けそうだった…というよりも、ロープウエー問題をはじめとする私の「健闘」ぶりが世論調査で伝わり(これは西日本新聞がその年の12月に特集を組んで報じています)、彼自身の「史上最高得票」の更新ができないどころか、逆に得票を後退させる危険があったこと、そして代わりに「共産単独推薦候補として過去最高」の「名誉」を私に与えかねないということを危惧したのでしょう。もしそうなれば「高島氏得票後退 共産推薦候補が過去最高得票」という「イ〜ヤな」見出しが翌日の紙面を飾りかねないと思ったのかもしれません。ま、あくまで邪推ですけど。

超党派で「核兵器禁止条約締約国会議への日本政府のオブザーバー参加を求める意見書」が採択!

 福岡市議会が10月8日に閉会しました。

 そこで、「核兵器禁止条約締約国会議への日本政府のオブザーバー参加を求める意見書」について、共産党が立案し、賛成多数で採択されるという画期的な前進がありました。

 賛成会派は共産党、市民クラブ(立憲や社民などの議員合同会派)、緑・ネット、福岡令和会、そして公明党です。

 反対会派は自民党自民党新福岡です。

 

 前回の記事で以下のように書きましたが、そこで書いた通り、基本的に党派を超えて賛成が得られました。

ただ、「オブザーバー参加」という点では、自民党公明党を含めて足並みが揃う可能性が出てきました。

 大変嬉しい結果です。

kamiyatakayuki.hatenadiary.jp

 

 以下は採択された意見書の全文です。

核兵器禁止条約締約国会議への日本政府のオブザーバー参加を求める意見書

 史上初めて核兵器を違法化した核兵器禁止条約が成立し、批准国・署名国が増え続ける中、今年1月、同条約は発効しました。核兵器のない世界の実現へ向け、世界中の人々の期待が高まりつつあります。

 同条約の第8条では、核軍縮や期限を定めた核兵器の廃止などの措置を協議する「締約国会議」の開催について定められ、同条第2項で規定された第1回締約国会議が来年3月にオーストリアのウィーンで開かれます。締約国会議には同条約の締約国でない国に対してもオブザーバーとして出席するよう招請することが同条第5項に定められており、既に国連事務総長は日本政府にも出席を招請しました。

 第1回締約国会議で議長を務めるオーストリア外務省の軍縮局長は、「第1回締約国会議で、核兵器の人道的結末とリスクへの認識を再び高めるような強力な政治的メッセージを発信したい」と表明しており、同条約にいまだ締約していない国も出席した上で、同会議が核兵器の人道的結末とリスクへの認識を高めるという点で成功することは、核軍縮核廃絶の進展にとって大きな意義があります。

 日本は同条約の未締約国であり、同会議へ参加する場合にはオブザーバーとして参加することになりますが、同条約では核兵器の使用などにより被害を受けた者への援助及び汚染された地域の環境の修復について定められており、この点において、唯一の戦争被爆国である日本政府が同会議に参加して積極的な役割を果たし、「核兵器の人道的結末とリスクへの認識を再び高める」よう貢献することが期待されています。

 よって、福岡市議会は、政府が、核兵器禁止条約の第1回締約国会議にオブザーバーとして参加されるよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

令和 年 月 日

内閣総理大臣外務大臣内閣官房長官 宛て

議長名 

 

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 自民党もギリギリまで迷ったようでしたが……。

 核兵器の廃絶は本来党派を超えて一致できる問題です。私も市長選挙に出た時「核兵器禁止条約への参加を日本政府に直接求めます。」と公約しましたが、そこへ向けた福岡市での前進と言えます。

 核兵器禁止条約への参加はまだ距離があっても、オブザーバーでの参加は現状でもできることです。

 国政の野党は共通政策で、

核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議へのオブザーバー参加に向け努力する。

を掲げています。

 これを実現する野党連合政権をつくりましょう。

原水爆禁止2021世界大会と「第1回締約国会議への全ての国の参加」問題

 原水爆禁止2021年世界大会のヒロシマデー集会にオンラインで参加しました。

 以前はわりと頻繁に参加していたのですが、子育てをするようになってからはほとんど参加できず、オンラインということで今年は10年以上ぶりの参加でした。

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 この問題についての参加した私の問題意識は、「福岡市として核兵器禁止条約にどう取り組むか」ということです。「福岡市として」という以上、それは一党一派の立場からではなく、たとえ今の市長であってもその立場でどう取り組めるのか、ということです。

 

どこに関心を持って世界大会に参加したか――クメント墺大使の発言

 この点で、私は、原水爆禁止日本協議会原水協)の安井正和事務局長の「しんぶん赤旗」7月17日付インタビューでの次の発言に注目していました。

大会には来年1月の禁止条約第1回締約国会議を担う国連・政府代表、第10回NPT(核不拡散条約)再検討会議の政府代表が参加します。締約国会議議長を務めるオーストリアのアレクサンダー・クメント大使は、核兵器廃絶の期限を「10年」とする見通しを明らかにしており、〔世界大会での〕発言が注目されます。

 これですね。

www.nishinippon.co.jp

 

 実は私は17日付「赤旗」を読んだ時には安井さんのインタビューに気づいておらず、英語の勉強のために読んでいた「Japan Press Weekly」で初めて知りました。英語で情報を取る、という初めての体験になったわけですね(笑) で、「Japan Press Weekly」の方がもう少し気持ちを引きつける書き方をしているので、あえて引用します。

Yasui said that as Kmentt expects that the meeting will set a 10-year deadline for the destruction of nuclear weapons, his remarks at the World Conference will draw much international attention.

 「much international attention」、「相当な国際的注目」ですから、「これは!」と思ったわけですね。日本語記事ではこの重大さのニュアンスがありませんでした。安井さんは「2021年世界大会の特徴と魅力」を語るインタビューで、真っ先にこのクメント大使の発言について言及しており、いわばこの大会の最大の目玉といっても過言ではないだろうなと思いました。

 もしこの安井インタビューの英文記事を読んでいなければ、漫然と発言を聞くだけになっただろうと冷や汗が出ます。

 

締約国会議とは何か

 なお、「第1回締約国会議(the first meeting of States Parties to the TPNW slated for January 2022)」とは何かをと言いますと、核兵器禁止条約第8条2に定められた会議です。

2、第1回締約国会議は、この条約が効力を生じた後、1年以内に国連事務総長によって招集される。

 同条で、この会議の任務は

締約国は、関連条項に従って、次の事項を含む、この条約の適用または履行に関するあらゆる問題、および核軍縮のためのさらなる措置について検討し、および必要な場合には決定を行うために、定期的に会合する。

  • (a)この条約の履行と現状
  • (b)この条約への追加議定書を含め、核兵器計画の検証され、時限を切った、不可逆な廃棄のための措置
  • (c)この条約の条項に準拠および整合する他のあらゆる問題

というものです。

 そしてこの同条5には次のような定めがあります。

5、この条約の締約国ではない国、ならびに国連の関連組織、その他の関連国際組織または機関、地域的組織、赤十字国際委員会国際赤十字・赤新月社連盟および関連の非政府組織は、締約国会議と検討会議にオブザーバーとして参加するよう招請される

 

クメント大使が求めたのは「全ての国の参加による非人道性の議論」

 この会議で、クメント大使は「10年」という廃絶期限を切るのではないか、などの注目が集まっているわけです。その議長予定候補としてのクメント大使が、世界大会でどんな発言をするのか? と思って注目しました。

 すると、彼は「10年期限」などおくびにも出しませんでした。

 代わりに、彼が強調したのは次の点でした。

私たちは第1回締約国会議で、核兵器の人道的結末とリスクへの認識を再び高めるような強力な政治的メッセージを発信したいと思っています。この会議は、各国政府と市民社会が禁止条約の人道的な理論的根拠の重要性を強調する機会となるでしょう。すべての政府と市民社会の参加が必要です。それが条約に対する支持の広がりと危険で間違った核兵器依存からの離脱に対する圧力の大きさを示すことになるからです。

 なんと第1回締約国会議の中心点は「核兵器の人道的結末とリスクへの認識」だというのです。「人道的結末とリスクへの認識」、つまり核兵器の非人道性を合意にし、それを「高める」ような会議にしようということです。

 核兵器の非人道性は、核保有国や核の傘依存国を含め全ての国が共通認識を持ちうる、重要なポイントです。「核兵器を持つかどうか、どんな政策を取るかどうかは、いろいろ意見があるけども、核兵器を使うとが非人道的な結果をまねくことは間違いないよね?」という議論が成り立つからです。

 昔は“核兵器を使ってもそれほど大したことはない”、“だから米国が原爆を落としたこともそれほどの罪ではない”とされてきたのですが、被爆者の訴えを始め被爆の実相が明らかになるにつれて国際的に「核兵器を使うことは非人道的である」という共通認識が作られてきたのです。

 核兵器を使えば非人道的結果をもたらすことは合意するが、使うこと自体や保有自体はそれとは区別されていますから、核保有政策を続けることは理論上は可能です。しかし、使えば非人道的だと認めてしまえば、使用や保有は相当厳しくなります。つまり非人道性の議論は、核の使用・保有を覆す重要な入り口になるのです。

 クメント大使は、この点を第1回締約国会議の焦点にしようとしているのです。彼はこう続けました。

国連事務総長すべての国家の参加を招請しました。禁止条約締約国は、現在この条約を支持していない国の参加を歓迎しています。私たちは、未だに禁止条約に懐疑的で、核抑止力にしがみついている国々の関与を必要としています。もちろん各国は、少なくとも短期的には、禁止条約に加盟したくないと主張することもできます。しかし、禁止条約の基礎である人道性の深い議論に加わらないという理由や言い訳はありえません。

 まさに「人道性」の議論を入り口にして、核保有国をはじめとする非加盟国の参加を広げようとしているのです。ここがクメント大使の戦略の非常に重要な点だと思いました。

 そうです。

 本当は、日本をはじめ現在加盟していない国が加盟して参加するのが一番いいのです。

 しかし、クメント大使は、来年1月に会議が開催されるという時間を考慮して、条約8条5を活用し、オブザーバーであっても全ての国が参加することを最も重視したのです。

私は、禁止条約を支持していない国の多くが、ウィーンの第1回締約国会議にオブザーバーとして参加することを期待しています。中でも日本のオブザーバー参加に期待します。

 

自民党公明党を含めて超党派でできる可能性がある

 私は、8月6日付の「赤旗」で政党討論の報道を読んだ時、共産・社民・れいわが条約加盟を訴えたのに対して、立憲民主党・国民民主党が条約参加に背を向けている*1ことにがっかりしたものです。

 ただ、「オブザーバー参加」という点では、自民党公明党を含めて足並みが揃う可能性が出てきました。

www.jiji.com

 加盟して参加することを引き続き求めるべきですが、オブザーバーであってもいいので、とにかく超党派で第1回締約国会議への参加をして、人道性の議論を深める――ここに今の問題の焦点があると思いました。

 クメント大使は、世界大会でわざわざこう発言しました。

禁止条約のとても重要な要素の一つである、被害者への支援と環境の回復という積極的な義務は、第一回締約国会議の焦点の一つとなります。被爆者はこの問題を禁止条約の重要な要素にするうえで決定的な役割を果たしました。

 「これが日本がオブザーバー参加して発揮してほしい役どころ」というガイドまでしてくれているのです。

 と言いますか、菅首相は、近頃「黒い雨訴訟」で上告を断念し、そのことを「成果」として誇っています。だから8月6日の広島市の原爆死没者慰霊式・平和祈念式あいさつで彼はこのことを誇ったわけでしょう。つまりクメント大使は暗に、“菅首相が締約国会議に来て、大いに黒い雨訴訟での英断を訴えてほしい”と誘い出しているわけです。

 ただし、菅首相は「あいさつ」で肝心の「非人道性」についての言及は1か所すっ飛ばしてしまったわけですが……(リンクしてある官邸ホームページのテキストは菅首相が読み飛ばしてしまった部分が「復元」されていますけど)。

 

 だとすれば、福岡市議会は国に対して、締約国会議への参加を促すようにすべきですし、もちろん髙島宗一郎・福岡市長も、平和首長会議の一員として国に求めるべきでしょう。ここに今自治体で党派を超えて取り組むべき焦点があると思いました。

 

韓国の運動の発言を聞いて

 ところで、安井事務局長が今年の世界大会での注目ポイントとしてあげていた点で、核保有国および核の傘依存国における反核運動でした。

 その中で、韓国の「SPARK」という運動団体のパク・ハヨンさんの発言に注目しました。韓国は日本と同じく核の傘依存国であり、条約に参加していない国です。そこでの運動や世論がどうなっているのか。

 パクさんは次のように表現しました。

日本と韓国はこの地球上で、最も多くの被爆者を出した国です。

 私は原爆について描いたこうの史代さんのマンガ『夕凪の街、桜の国』が韓国で出版されるにあたり「原爆投下は戦争を終わらせるためのやむを得ない決定だったが、これはあのとき、犠牲になった人々の苦痛と悲しみについての物語である」という「まえがき」がつくという話を聞いたことがあります。

原爆で被爆した女性の戦後を描いた漫画「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」が今秋、韓国で翻訳出版される。韓国語版には「原爆投下は戦争を終わらせるためのやむを得ない決定だった」との、日本語版にはない文章が盛り込まれる。……

 同社は初版3500部の出版を決定。韓国国内の読者に配慮し、「原爆投下は戦争を終わらせるためのやむを得ない決定だったが、これはあのとき、犠牲になった人々の苦痛と悲しみについての物語である」との前書きを付けることにした。

 原爆被害に関する書籍が、韓国で翻訳出版された例は少ない。韓国出版研究所(ソウル)の白源根(ペクウォングン)研究部長は「加害者である日本人が原爆被害を言うこと自体に違和感が強く、出版社は日本人の考えを代弁しているように受け止められることを警戒しているからだ」と話し、今回の出版後の反応を注視する。(朝日新聞2005年10月14日付夕刊)

 

 仮に、2005年にこのような世論状況だったとすれば、2021年のいま、「日本と韓国はこの地球上で、最も多くの被爆者を出した国」という認識をもって、そこの国の市民運動

韓国の原爆被害者と私たちSPARKは、2019年にソウルで開かれた非核・平和のための日韓国際フォーラムを契機に、アメリカの原爆投下の責任を問う市民法廷を準備しています。

という運動を展開しているのは、感無量です。

 日本軍「慰安婦」問題も、「反日」という文脈ではなく、「人間の尊厳の蹂躙の告発」としてとらえ、どこの国の軍隊のやったことであろうと戦時の性暴力を告発できる力を市民運動が持つべきだろうと思います。

*1:ウェブ版ではこの部分の報道はなく、紙面では報道されている。

東京のビラ・ポスターづくりにかかわってみて

 東京都議会議員選挙が終わりました。

 私も東京に行ったり、戻ってきてリモートでつながったりして、選挙や都政関係の支援をしました。

 主に、ビラづくりやポスターづくりを支援しました。東京に行っている間だけでなく、福岡にいながら四六時中いつでも支援できるというのは、なんというか、昔からは考えられないですね。

 たとえば、このへん、私です。

  自分がかかわったものが、現地で使われていると嬉しいですね。

 

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2021年6月28日付「しんぶん赤旗


 終わった後でも使われていればなおさらです。

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2021年7月17日付「しんぶん赤旗


 

 

 もちろん、制作に責任を持っているのは共産党の東京都委員会であり、中央委員会ですから、私はそこに起草・起案であったり、デザインであったり、そういう形で参加しているに過ぎないわけですが。

 

 今回、東京のビラづくりにかかわってみて、少なくとも私が行ったところは共産党の地区委員長(もしくはその代理)の方が「ビラづくりは共産党の論戦の基調をあらわすものになる」と考えて、会議に正面から参加されているのがとても印象的でした。

 ある地区委員会では、地区委員長自身がビラのラフを切ってこられました。会議の議論で最終的にはそれは採用されなかったんですが、地区委員長の責任感・意気込みと会議の自由な雰囲気が素晴らしいと思いました。

 

 私は、政治ビラの場合、政治的な責任者が担当者に「丸投げ」をしてしまうのはどうかなといつも思っていました。他方で、政治的な責任者がデザインや表現の細かいところにこだわりすぎるのも現場や担当の創意をすりつぶしてしまう(あるいはそれはトップの仕事ではなく、他のことにリソースを割いてほしい)ので、そういうのも困るなと思います。

 企業広告だと社長などが広告を最終決裁することはあまりないかもしれませんが、企業の広告と違って、政治では論戦は中心問題になります。だとすれば、戦略的な方向性の議論に関わり、プロセスは担当者に任せ、最後に責任をもって決裁する、という関わり方が理想だと思います。

 東京ではそういう現場が多くて、気持ちよく仕事ができました。

共産党都議団が10年以上前の私の調査を生かした質問をしてくれていたこと

 東京都に行く用事がありまして、池川友一都議(共産党・町田選出)にお会いしました。

 大変素晴らしい方でした。

 で、そのとき「神谷さんが東京都委員会の政策部にいた頃に調べた資料で原田あきら都議(共産党)が論戦していますよ」と教えられました。私が10年以上前に調べたことを、共産党都議団事務局にいた友人が都議に伝え、その論戦が行われたのです。

 調べてみると、確かに…ありました!

 2019年10月29日、環境・建設委員会でのやり取りです。

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 原田都議は、社会インフラの増強が必要であるにしても従来通りのやり方で進めていいのか、河川整備や防災、社会福祉などに中身を変え、新たな道路をどんどん作り続けるやり方は改めたほうがいいのではないのか、と提起します。

 しかし、東京都は道路がもっと必要なんだと主張していて、原田都議はその根拠になっている、建設局が毎年発行している「事業概要」の記述・数字を検証していきます。

原田委員 次に、第三段落、今度は国際比較しています。既成市街地とされている区部の道路率一六・五%は、既に道路率が二〇%を超えているニューヨーク、パリなどの欧州諸国の主要都市と比較すると低率だ、そう書いています。
 まずお尋ねしますが、既に道路率が二〇%を超えているニューヨーク、パリなどの欧米諸国の主要都市と比較すると低率だといっていますが、その出典は何も記載がありません。出典及びニューヨークやパリの道路率というのは一体いつの資料なのかお答えください。

村井道路建設部長 ニューヨークやパリの道路率は、国が監修している一九九九年版の道路ポケットブックに記載されたものを引用したものであります。

原田委員 今、一つちょっと答弁漏れがあるんですけど、九九年のポケットブックに書いてあったというのはわかりましたけど、そのポケットブックには、ニューヨークやパリの道路率、いつの調査だと書いてありますか。

村井道路建設部長 調査時点については記載がございません。

原田委員 つまり、二十年前のポケットブック、資料をそのまま使っている上に、その時点でもニューヨークやパリについていつ調べたのかもわからないデータなんです。余りにもお粗末な話ですよ。その数字を行政の事業を説明する文書に掲載していていいんでしょうか。そんな資料をもとに、区部の道路率は一六・五%だ、一方、ニューヨークやパリは二〇%を超えているというんですが、この道路率は果たして同じ基準として見ていいのかも問われます。
 といいますのも、先ほどおっしゃっていたように、区部は既成市街地であるとおっしゃって、要は、公園も川も農地も全部ひっくるめた全面積を既成市街地扱いして、その中に道路が占める割合は一六・五%だというふうにいっているんです。公園も農地も川も全部分母に入れている。しかし、ニューヨークやパリはどうかと。私も道路ハンドブックを拝見しましたが、既成市街地面積に占める道路の割合とされているんですけれども、じゃあ、このパリとニューヨークの既成市街地の基準、定義、全く書いていないんですね。
 そこでお尋ねしますが、区部と比較しているニューヨークやパリの既成市街地の定義は同じである、こう断言できますか。

村井道路建設部長 既成市街地とは、首都圏整備法第二条によると、東京都及びこれと連接する枢要な都市を含む区域のうち、産業及び人口の過度の集中を防止し、かつ、都市の機能の維持及び増進を図る必要がある市街地の区域とされております。
 具体的には同法施行令により定められておりまして、東京都の特別区の存する区域及び武蔵野市の区域と三鷹市横浜市川崎市及び川口市の区域の一部となっております。
 ニューヨークやパリについては、既成市街地の定義についてはポケットブック等には記載がございません。

原田委員 ニューヨークやパリの既成市街地の概念は、何と定義が記載されていないということだったわけですね。
 東京都は既成市街地の定義について、国土交通省から確認した上でこの数字を使ってきたんですか。

村井道路建設部長 現在、ポケットブックの記載内容については直接確認をしておりますが、まだお答えはもらっておりません。記載については、今回確認したかどうかについては不明でございます。

原田委員 率直な答弁でした。要するに、既成市街地の定義について東京都はわからないままこの数字を使ってきたと。驚くべきことです。これでは正確な比較ができるはずがないじゃありませんか。
 実は、かつてこの道路ポケットブックに書かれた既成市街地について、日本共産党の東京都委員会の政策部という部署があるんですけれども、そのメンバーが、今から十年以上も前のことですけれども、国土交通省の担当者に問い合わせをしたことがありました。そのときは、ポケットブックに書かれたニューヨークやパリの数字は、もともと昭和五十三年、すなわち一九七八年の数字なんで、出典は今はもうわかりませんと、そういうふうに答えたというんですね。何と引っ張ってきたのは今から四十年前の数字だったんですよ。
 その上で、この既成市街地とは何ですか、これも質問しました。すると、道路ポケットブックで使ったのは、DIDと呼ばれる概念で、一平方キロメートル当たり四千人以上が隣接している地域だといわれたと、こういうことです。知っていましたか。
 つまり、東京都区部の一六・五%という数字は、川も公園も、こういうものを全部ひっくるめて総面積を分母にして道路面積を割って出していると。ちなみに、区部で水面だけで五%あります。公園は六・五%面積を有しています。こういうのも全部分母に入れて道路を割っていると。
 ところが、もう一方のニューヨークやパリは、DID、純粋な市街地を取り出して分母にしているわけです。これでは数字が大きくなるのは当たり前で、正しい比較ができるはずがないんです。
 東京都は既成市街地の定義も確認しないまま、古くて怪しいデータをもとに国際比較をして、都民に向かって、それこそ私たち議員にも公式文書で、東京は国際的に立ちおくれているんだといってきたわけです。これも行政の姿勢として重大な問題ではありませんか。
 では、道路率について、頼りになる国際的な大都市比較の資料はないものだろうかと調べてみましたが、何と東京都環境局が環境白書二〇〇六で、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリの比較をやっていました。
 これを見ると、興味深いのは、まず東京とニューヨーク、ロンドン、パリとは、行政面積がそもそも大きく違うわけです。東京都の総面積はパリ市の二十倍以上あり、森林や島も含みますから、これを単純比較してもおかしくなります。ですから、東京都は都心四区、ニューヨークはマンハッタン区、ロンドンは都心四区、それとパリ市を比較して道路面積を調べてみたと。
 その結論はこうです。マンハッタン区だけは突出して三〇%近くぐらい道路率があるわけです。二九%、三割近くあるわけですけど、東京都とロンドンの道路率は二二%から二三%、ほぼ等しくて、パリについても区分の違いを考えれば、つまり、パリの場合は道路交通施設率で二五・八%となっていますから、交通施設の分を除くとほぼ同水準と考えられるんだと。これは私がいっているんじゃなくて環境局がいっているんですね。
 少なくとも、この環境局の資料は、四都市とも総面積で道路面積を割り返すというように分母をそろえています。その上、面積も大体同じものにそろえるという点で、より精密な比較となっています。分母の基準が不明の建設局が出した道路率比較とどちらが的確な比較をしているかは明白ではないでしょうか。
 そして、このような環境局の調査を前に建設局は、欧米諸国の主要都市と比較すると東京区部の道路率は低率だと今でもいい切れるんでしょうか。そもそも建設局は環境局のこの報告を知らなかったんじゃないのかというふうに疑問というか、そういう指摘をせざるを得ない状況に陥っています。 

 このやり取りの、ほぼ全体が私が調査したことを使ってくれています。

 今私は共産党の福岡市議団事務局にいるので、議員の質問作りに参加するのはごく普通のことですが、10年以上前のあの日、東京都はとんでもないデタラメなデータをもとに道路建設の必要性を書いているとわかってもそれを議会質問にしてもらえるようなルートはなかったので、悔しいけどペンネームのほうのサイトにそっとあげるくらいしかできませんでした。まあ、とにかくあの時本当に悔しかったのです。しかしこうして議会質問として日の目をみることができて大変嬉しい気持ちになりました。

 

 取り上げてくれた都議団の皆さん、ありがとうございます。

福岡県知事選挙の結果を見て

 福岡県知事選挙の結果が出ました。

 私が推した星野みえ子さんは残念ながら及びませんでした。

www.nhk.or.jp

 結果の見方は色々あるでしょうけど、星野さんの得票率は約2割になりました。

 前回共産党は単独推薦。今回は共産党は推薦でなく支持、ただし、ふくおか緑の党も支持して、枠組みが従来の形から大きく一歩踏み出しました。支持・推薦政党の組み合わせで言えば、基礎票(国政選挙の比例代表票)は1:9くらいの格差がある*1中で、前回の共産党単独推薦候補が6%台だったことと比較しても、注目すべき結果です。短期決戦で大健闘だと言えるんじゃないでしょうか。星野さん、お疲れ様でした。

 星野さんが開票後の記者会見で述べていましたが、当選した服部さんが公開討論に応じなかったのはいわば「健全な政策論争によって県民の前に争点をできるだけクリアにするのではなく、ボロが出る前に支持政党の組織票の差だけで乗り切ってしまえ」としか思えない戦略だったわけで、それではこれほど低投票率になるのも無理はないと思いました。

 そういう姿勢は県政のリーダーを目指す候補者として恥ずかしいと思って欲しいですね。

 服部氏の得票が、服部陣営の幹部が「県政運営に向けての大きな信任」の基準だと新聞で公言していた100万票*2を割り込んだのはその批判の表れだろうと思います。

 

 

 共産党単独で自民党中心の県政に挑むという従来の構図から一歩進んで、政党では共産党とふくおか緑の党が支持を表明し、共同が広がったことが、私としてはこの県知事選挙の大きな収穫だったと思います。

 さらに、政策的にもジェンダー平等をはじめ今後の県政のたたかいの中で取り上げていくべき課題も多く明らかにされました。

 市民と野党の共闘がさらに前に進むための、貴重な足がかりができたんじゃないでしょうか。

*1:2019年参院選の福岡県内の比例票は、星の陣営は共産の15万9492。服部陣営は134万票(立憲24万2419、国民15万9996、社民3万2982、自民64万8026、公明28万3394)。

*2:「服部氏の陣営も低投票率を危惧。県政運営に向けての大きな信任をうるために100万票の獲得を目指しているというが、投票率が下がれば厳しい状況になる」(2021年4月10日付朝日新聞「ふくおか」版)。

Hoshino Mieko Leaves No One Behind.

 福岡県知事選挙に立候補している星野みえ子さんの選挙公報をもとに、星野さんの公約を英訳したものです。需要があるかどうかわかりませんが、お役立てください。英語を母語とする研究者の方にご協力いただいています。

The spread of the Covid infection, the crash of the health system, the destitution of the people.I will change the policies of the current Fukuoka Prefectural government which simply follows the incompetent Suga Government and persists with the restart of the “Go To” campaign. Let's promote a radical shift to a new Prefectural government that puts the principle of “COVID-19 Countermeasures-first” into practical effect.

 

The following is a list of reforms that Hoshino Mieko commits herself to:

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Make a massive effort to protect people’s lives and livelihoods.

 

Contain the infection by multiplying the number of PCR tests and monitoring by 10 times.

Add more beds. Strengthen assistance to medical institutions.

Secure the regional economy and culture by the enhancement of subsidies.

Realize small class sizes for all grades.

 

 

Promote gender equality and put emphasis on providing social services.

 

Put the “gender equality” principle into practice in every situation.

Have women occupy 30% of management posts in Fukuoka Pref. immediately and make an effort to achieve an equal number of male and female persons who are in managerial positions.

Improve the wages of the care and welfare sector workers.

Oppose the slashing of the number of public hospitals by the Suga government.

 

End the spending practice that gives budget priorities to wasteful large-scale public works projects such as the New Shimonoseki-Kitakyushu Road which is costed at 350 billion yen.

 

Special Thanks:Professor Martin Brennan