「市民の会」の声明を紹介します

 私は「市民が主人公の福岡市をめざす市民の会」(市民の会)から無所属として出馬したわけですが、その「市民の会」の選対本部が以下のような声明を出しましたので、ご紹介します。

 私の結果に対するコメントは同日夜に記者会見で行なった通りですので、以下の声明はご参考にしてください。

 

 

福岡市長選挙の結果について

2018年11月18日 市民が主人公の福岡市をめざす市民の会 選対本部

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 11月18日投開票で行われた福岡市長選挙で、私たち「市民が主人公の福岡市をめざす市民の会」が擁立した、かみや貴行候補(無所属・日本共産党推薦)は94,437票(得票率24.9%)を獲得しました。当選には至りませんでしたが、「市民の会」の市長候補として32年ぶりの過去最高票となりました。 かみや候補をご支持いただいたみなさん、勝利をめざし日夜奮闘していただいたみなさんに心よりお礼と感謝を申し上げます。

 

 今回の市長選挙で、かみや候補と「市民の会」は、(1)「ロープウエー」計画を中止させ、暮らし・福祉、教育に予算をまわす、(2)高齢者乗車券の廃止・削減計画をやめさせ、拡充する、(3)安倍政権べったり市長でなく、消費税10%や9条改憲など国の悪政にモノ言う市長、の3つの争点を明らかにし、「いまの市長でなく、新しい市長を誕生させよう」と訴えました。「ロープウエー」はマスコミも大きく取り上げ、大争点に浮上しました。単身高齢者や非正規の若者への家賃補助や、市独自の給付制奨学金など、市民生活を直接応援することで、地元でお金が回る経済活性化の政策を打ち出すなど、打開の方向を示しました。

 かみや候補の「ロープウエーより暮らし・福祉」「1%のためでなく、99%のための市政を」の訴えに対し、市民から「分かりやすい」「市政が身近になった」と共感が急速に広がりました。推薦した共産党以外の市議や国政野党の関係者から支援を受け、「市民連合ふくおか」の関係者が街頭で応援演説するなど、市長選挙としては新しい共闘が進みました。

 

 「市民の会」は、かみや候補が立候補を表明した10月5日から1か月半、きわめて短期間の取り組みとなりましたが、217回の懇談会・演説会・小集会を8,517人の参加で取り組み、約1,700回の街頭演説を行い、またビラ等を87万枚以上配布し、政策を訴えました。かみや候補は記者会見を2回開いて3つの争点と政策・公約を発表し、ブログでも公開しました。これらはSNSなどインターネットで拡散されました。

 

 投票率は今回、前回より下がり、31.42%と過去最低になりました。低投票率の最大の原因は高島氏が政策論戦を避けたことです。かみや候補と「市民の会」が要求した公開討論の申し入れを無視し、また市民団体主催の公開討論会に返事もせずに欠席するなど、政策論戦から徹頭徹尾逃げ続けました。争点と政策を有権者に積極的に明らかにすることが、民主的な選挙を実現するうえで欠かせない候補者の重要な役目ですが、高島氏はこれをことごとく踏みにじりました。また、出馬表明前に「安倍詣で」を行い、選挙戦最終盤に「完全無所属」をあきらめて自民党本部の「支持」に頼り、麻生太郎副総理の来援を受けましたが、こうした「安倍政権べったり」の政治姿勢が審判を受けたものです。

 

 高島氏の得票数は285,435でしたが、全有権者比でみると23.0%にとどまりました。この結果は2期8年の高島市長の市政運営に対する市民の批判の表れです。「成長をさらに加速」などと言って「天神ビッグバン」「ウォーターフロント再整備」など大型開発推進を推進する一方、「配る福祉から支える福祉」と言って高齢者福祉や就学援助などを標的にした切り捨てや、町内会など住民への負担押し付けを強行する市政に対し、市民が批判を強めていることが選挙結果にはっきり示されました。これまでの市政を無反省に続けることは許されません。「ロープウエー」「高齢者乗車券の廃止・削減」についても市民の支持を得たことにはなりません。

 

 私たち「市民の会」は、今回争点となった「ロープウエー」構想の中止をはじめ、選挙戦でかかげた政策と公約の実現のために引き続き奮闘する決意を表明するとともに、市民のみなさんに一緒に要求を実現する運動をとりくまれるよう呼びかけるものです。

福岡市長選挙の結果についての私のコメント

 2018年11月18日投開票の福岡市長選挙の結果が出ました。

 私、かみや貴行は、9万4437票で得票率24.9%を獲得しましたが、及びませんでした。当選は高島宗一郎氏でした。

 以下、私が記者会見で行なったコメントの要旨です。*1

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広がりを当選には結びつけられなかったことはお詫びしたい

 選挙戦で私をご支援いただき、当選のためにがんばっていただいた皆さんに、まず深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 今回、私はまったく無名の新人として出馬しましたが、選挙戦の中で大きな広がりを感じました。

 支持母体の団体の皆さんが奮闘していただいたのをはじめ、無所属議員、他党の議員候補の方々が私への応援に駆けつけてくださいました。

 また、まったく見ず知らずの方が私のペンネーム名義の新書を読んでいて「この人に決めていた」と言ってくれました。

 国会議員レベルの人が「あなたに入れた」、保守系の議員が「頑張れ」と言ってくれたというケースもありました。

 演説を聞いていて立ち止まり最後まで聞いていてくれて、駆け寄ると「棄権しようと思っていたがあなたに決めた」と言われたりしました。

 私は候補者としては初めてでしたが、選挙自身は裏方でやってきました。そういう私の経験している中での話ですが、従来にない広がりを感じました。

 しかし、これだけ多くの期待や負託を当選という形で実らせることができませんでした。これは候補者として率直におわびしたい。

 

公開討論会に応じないことで作り出した「魔法の数字」

 高島さんの当選とその得票については、一言で言って、公開討論に応じないことで作り出した「魔法の数字」であり、結論に私は納得しません。「納得できない」というより「納得しない」と言いたい。

 私は伊達や酔狂で公開討論を要求したわけではありません。1対1の選挙で市民にわかりやすく論点を示すことで多くの市民の選挙への関心を高め、市政の問題を一方的な宣伝でなく双方のわかりやすい議論で明らかにするという、政治家としての責任として提起しました。

 しかし、高島さんは一貫してこれを避け、返事もしませんでした。「お魚くわえたドラ猫」をブログで上げ、市民の無関心を煽るのが選挙戦術のように見えました。「政策や主張をSNSに連投すると嫌がられる」という陣営幹部の発言は、その端的な表れでした。その結果、膨大な棄権票が生まれました。7割の市民が参加しない選挙というのは民意と言えるのでしょうか。

 私としては訴えるほどに変化を感じました。「高島市政に大きな失点はない」と本気で思っていた市民の方が多かったけど、それが私の訴えを聞くうちに足を止めて聞き入り、変わっていき、「あなたに入れる」と言ってくれたりする変化が生まれたわけです。特に(1)経済成長しているというが実際には市民は貧しくなっている(2)ロープウエー計画は無謀である(3)高齢者乗車券の切り捨ては許されず、ぜひ守って欲しい、(4)町内会に何でもかんでも押しつけないでほしいなどの4点には大きな反応がありました。

 私の訴える範囲は限られていたので、もしこれが公開討論という場ができて市民の関心が集まれば、大きな変化があったと思います。

 ただし、これは私の側からの意見で、高島さんには「私の訴えで支持が広がった」という言い分があるかもしれません。公開討論をしていたらどちらが得票をもっと伸ばしたのかは神学論争なので、一番いいのは実際に公開討論をしてみることだったと思います。ひょっとしたら高島さんはもっと伸ばしたかもしれないし、逆に私が伸びたかもしれません。

 しかし、結局そういう機会を奪われたままの選挙となったのであり、7割が棄権し、世論は不十分にしか反映しておりません。よって、私はこの結果には納得しないのです。

 もちろん、法律的にはルールに則った選挙だから、訴訟をするという意味ではありません。政治的・道義的に納得しないという意味です。

 高島さんに言いたいことは、このように7割が棄権し、民意を十分には反映しない結果である以上、市民が高島市政を信任したものでは決してなく、ロープウエー計画に見られる経済政策や高齢者乗車券の削減計画などの福祉政策など、今の市政のあり方そのものを根本から見直すようにして市政運営に当たるべきだということです。

 

 

*1:記者会見で話した中身とほぼ一致しますが、文字起こしでなく私のメモにもとづくものですのでその点はご了承ください。

就学援助切り下げを「嗤う」現市長の耐えられない「軽さ」

 これで選挙運動期間中は最後のブログ更新になるでしょうか。

 就学援助の問題を取り上げておきたいと思います。

 

弱い者がさらに弱い者をたたく

 さいきまこさんのマンガに『陽のあたる家 〜生活保護に支えられて〜』(秋田書店)というのがあります。私はペンネームで『このマンガがすごい!  2015』アンケートで第2位にこの作品を選ばせてもらったことがあります。

 「ふつうの家族」が生活が崩れていく中で生活保護に頼らざるを得なくなる過程、そして葛藤が描かれ、受給してからもさまざまなバッシングに遭う様子が克明に描かれています。そして作者はそうした攻撃に果敢に反撃しています。

 

 この中で、主人公一家とは別に、生活保護は受けていないけども、ギリギリの生活で努力しているシングルマザーの家庭が出てきます。このシングルマザーの女性は自分たちはこんなにがんばっているのに、主人公一家は生活保護を受けて「楽をしている」と憤っていました。

 ところが、生活保護に連動して、自分たちの就学援助が切り下げられることがわかり愕然とします。

 さいきさんの絵柄は、こういっては失礼かもしれませんが、不安を表情で煽る絵柄が生々しく(下図参照)、私はいつも不穏な気持ちで読みます(あのー、褒め言葉ですよ)。

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さいきまこ『陽のあたる家 〜生活保護に支えられて〜』秋田書店、p.114

 生活保護など怠け者の受けるものであり生活保護の切り下げはいい気味だと思っていたシングルマザーの女性は、生活保護基準の切り下げが就学援助や保育料、住民税の切り下げとなって連動し、低所得世帯全体を直撃することに衝撃を受けるのです。さいきさんが描く、この不穏な表情に端的に表されるように。

 ここには、生活保護が「貧困ライン=健康で文化的な最低限度の生活のライン」として国民全体の生活のボトムを支えている役割を果たしてることが正確に描かれています。ボトムが下がれば、全体が沈んでいくのです。

 

 そして、介護保険料まで連動すると不安がる年配の女性に、同じ境遇であると「共感」しようとして、手ひどい反発を受けます。

 おまえなど、離婚してシングルになったわけだから「すきこのんで」その立場を選んでいるのではないか、図々しく共感など示すな、と。

 この年配女性の不安と、憎々しげな「選別」の表情を見てください(下図参照)。

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さいき同前p.115

 生活保護を叩く低所得の人がさらに別の低所得の人に叩かれるという地獄がここにあります。「弱い者たちが夕暮れ さらに弱い者をたたく」というフレーズ*1が思い出されます。

 

就学援助切り下げは何を奪ったか

 最近、「しんぶん赤旗」で次のような記事を見ました。

就学援助 2割超で引き下げ/政令市・東京23区 生活保護削減が影響/本紙調べ

 福岡市の高島市政は、安倍政権の生活保護基準カットに連動して、就学援助を切り下げた数少ない自治体の一つです。多くの自治体では、連動させずにふみとどまって切り下げをしなかったのです。

 高島市政は、いわば国(安倍政権)の生活保護カットを唯々諾々と受け入れるだけでなく、その影響をそのまま低所得世帯に押しつける「先進例」の役割を果たしました。

 

◯49番(星野美恵子)…就学援助基準の改悪が強行され、1,700人の子どもたちが適用外にされようとしていることは子どもの貧困に拍車をかけるものであります。生活保護基準に連動させないようとの国の通知の趣旨を踏まえ、基準をもとに戻すべきと思いますが、明確な答弁を求めます

◯教育長(酒井龍彦)…就学援助の認定基準につきましては、従来から国が物価動向や低所得世帯の消費状況などを調査の上決定しております生活保護基準に準じて定めており、適切であると考えております。(2016年3月3日本会議

 

◯42番(熊谷敦子)…公立の小学校、中学校で一体どれくらいの費用がかかるのか。文科省が行った学習調査では、学校教育費、学校給食費、学校外活動費の総額の平均は、公立小学校で年間30万5,807円、公立中学校は45万340円にもなります。そんな中、低所得世帯にとって7万4,000円は大事な支援です。これを打ち切るなど、まさに貧困対策への逆行です。(2016年3月8日本会議

 

 就学援助が連動した切り下げによってどんなに深刻な影響を受けるか、これでわかると思います。

 私は、高島市政下で切り下げられた就学援助は元に戻すことを公約の中で取り上げて、街頭でも積極的に訴えてきました。今や福岡市全体の半数に迫ろうという低所得世帯にとって大事な問題だからです。

 

就学援助は「セカンドハウス」や「海外旅行」か

 ところが高島さんの選挙戦での言い分はこうでした。2018年11月15日の草ヶ江公民館公民館での高島さんの演説です。

選挙とかになるとね、もしかすると、これもタダにします、あれもタダにします、これにも補助金を出しましょう、あれにも補助金を出しましょうという話を聞くかもしれないんだけども、それお金どうするわけ、そんなんできりゃ今でもしてるって。ね。子どもの全部から、高齢者の全部から、もうついでに国民全員タダってすりゃ、できるんならするて(笑)。そりゃできんさ。みなさんの家庭だってね、子どもたちに服はいい服着させる、医療環境もバッチリ、夏休みには海外旅行に行ってなんとかでって、塾もいっぱい習い事させて、で、お父さんお母さんには素晴らしいセカンドハウスかなんか買ってあげる、ってそりゃできんって(笑)。要するに、配る福祉っていうのは配り終わったらなくなっちゃうんです。

 就学援助は「セカンドハウスかなんか買ってあげる」ことなのか、「夏休みには海外旅行に行」くことなのか。「配り終わったらなくなっちゃう」のか。

 吉永純・花園大学教授(公的扶助論)は次のようにコメントしています。

 

今回の(「しんぶん赤旗」の)調査結果では…特に政令市だけで見ると20市のうち(福岡市を含む)7市(35%)が引き下げられており重大です。…就学援助制度は、すべての子どもたちに教育の機会均等を保障する重要な制度です。子どもの貧困対策が国の重要課題となっている今、この機能を弱めることはあってはなりません。(「しんぶん赤旗」2018年11月10日付、強調は引用者)

 現職市長の認識に絶望的なまでの「軽さ」を感じないわけにはいきません。福祉・社会保障は、人間の尊厳を支える制度であるという認識が決定的に欠落し、「金食い虫」だというほどのずさんな認識が見え隠れします。

 自分の市政下でおこなわれた冷酷な切り下げが何をもたらしているのか、少しでも現実を見たらどうなんでしょうか。

 たとえなんの「見返り」がなくとも、基本的人権が保障されていないのであれば、それを保障するために手立てを尽くすのが市長の仕事であり、「セカンドハウス」や「海外旅行」になぞらえた「贅沢品」のように嘲弄することは許されない発言です。

 

 そして、現実には「見返り」があります。

 私が選挙戦で主張してきたように、低額所得世帯への直接の給付はそれが生活の余裕となってあらわれ、消費性向の高さから、個人消費となって戻ってきます。つまり経済の成長を下支えします。

 

「アベガー」と言い続ける必要性

 また、この問題は、安倍政権のやっていることを市長選で私がなぜ問題にするかという非常にクリアな問題になっています。選挙戦の中で、善意からだとは思いますが、「安倍政権批判を絡めるのは良くない」という声を聞きましたが、現実には安倍政権のやっていることとたたかわなければ、市民の暮らしも守れないのです。

 だから私は「アベガー」と言い続けます。

 明日は投票日ですが、ぜひ多くの皆さんにこのことを踏まえて判断してほしいと思っています。高島さんは、とうとう最後まで私の公開討論の求めには応じませんでした。もし私の言い分に反論があるなら、公開討論の場でおっしゃるべきでした。残念です。

 明日は更新をしませんので、市長選挙における更新はこれが最後となります。

 どうもお付き合いいただきありがとうございます。

 次はぜひ市長になって更新をしたいと思っています。

 

*1:THE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」 作詞:真島昌利

みやうら寛さん・青柳行信さんの応援を紹介します(要旨)

 みやうら寛さんと青柳行信さんから応援のごあいさつをいただきました。要旨を紹介いたします。みやうら寛さんは、元県議会議員で、現在立憲民主党公認の市議予定候補でもあります。また、青柳行信さんは、「原発とめよう! 九電本店前ひろば」の村長です。

 

みやうら寛さん

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私は福岡市の職員を20年勤めてきました。元同僚に話を聞きますと、「高島市政になってモノが言いにくくなった」「自由に発言できなくなった」「市政のことを話せない、締めつけられた職場になっている」と話しています。自由な職場、弱者のための市政にならなければなりません。私も残り6日間、がんばります。

 

青柳行信さん

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私は「原発とめよう! 九電本店前ひろば」の村長を務めておりますが、市民連合ふくおかの事務局長や福岡県総がかりの実行委員会の代表も務めております。これからかみや貴行さんの新しい市政を中心にして、福岡の県政も、国政も変えていこうではありませんか。ともにがんばりましょう。

 

 

 

架空討論(8・終)国保料引下げに1兆円公費投入を共同提案しませんか?

 高島市長の記者会見をもとにした架空討論会を勝手にやっていて、前回の続きの医療・福祉についてですが、前回に終わりに、高島さんと私で共同提案できないかと言ったことについて述べます。

 まあこれで一旦打ち止めでしょうか。

 

 それは、高すぎる国民健康保険料を引き下げるために、国の公費を1兆円投入するように国に一緒に要求しませんか? ということです。まあ、私と一緒にやるのがお嫌なら、市長として単独でしていただいてもいい。

 

 これは実は、日本共産党が先日した提案を読んだからなんです。

www.jcp.or.jp

 

 これはとてもいい提言です。

 ここで次のように指摘しています。

 高すぎる保険料を引き下げ、国保の構造的な問題を解決するためには、公費を投入するしかありません。全国知事会全国市長会全国町村会なども、国保の定率国庫負担の増額を政府に要望し続けており、2014年には、公費を1兆円投入して、協会けんぽ並み負担率にすることを政府・与党に求めました。

 実は、全国知事会がこうした提案をしていることを私は知りませんでした。高島さんが入っている市長会も「国保の定率国庫負担の増額を政府に要望」してるんですね。

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 この1兆円というのはどういう数字か。

 国保料(税)が、協会けんぽなどの被用者保険と比べて、著しく高くなる大きな要因になっているのは、国保にしかない「均等割」「平等割(世帯割)」という保険料算定です。

 被用者保険の保険料は、収入に保険料率をかけて計算するだけで、家族の人数が保険料に影響することはありません。ところが、国保料(税)は、所得に保険料率をかける「所得割」、固定資産税の額に応じてかかる「資産割」のほかに、世帯員の数に応じてかかる「均等割」、各世帯に定額でかかる「平等割」を合算して算定されます。このうち、「資産割」「平等割」は、自治体の判断で導入しないことも可能ですが、「均等割」は、法律で必ず徴収することが義務づけられています。

 東京23区の国保料の「均等割」は、39歳以下の人で1人=5・1万円です。家族が1人増えるごとに、「5・1万円」「10・2万円」、「15・3万円」…と、国保料の負担額が上がっていきます。低所得者には一定の減額があるものの、子どもの数が多いほど国保料(税)は引き上がる「均等割」には、「まるで人頭税」「子育て支援に逆行している」という批判の声があがり、全国知事会などの地方団体からも「均等割」見直しの要求が出されています。

 “人間の頭数”に応じて課税する人頭税は、古代に作られた税制で、人類史上でもっとも原始的で過酷な税とされています。それが21世紀の公的医療制度に残っているのです。この時代錯誤の仕組みこそ、国保料(税)を低所得者や家族が多い世帯に重い負担にしている最大の要因です。これを廃止し、“逆進的な負担”をなくして所得に応じた保険料(税)にしていきます。

 全国で「均等割」「平等割」として徴収されている保険料(税)額は、およそ1兆円です。公費を1兆円投入すれば、「均等割」「平等割」をなくすことができ、多くの自治体では、協会けんぽ並みの保険料(税)にすることができます。そのうえで、「所得割」の保険料率の引き下げや、低所得世帯に重い「資産割」がかかる問題の改善など、各自治体の負担軽減の取り組みもすすめ、所得に応じた国保料(税)への改革を進めます。

 

 国保料が、サラリーマンなどの健康保険料に比べて高くなってしまうのは、所得に比例する部分だけでなく、「人頭税」的な性格を持つ均等割などがあるからだという私的です。そして、この部分は1兆円になるそうですから、全国知事会が言うように1兆円投入すればこの逆進的な性格を持つ人頭税的な部分=均等割などをやめることができるのです。

 そうすると「協会けんぽ並みの保険料(税)」になり、どれくらいの負担減になるのか。

 

試算例。給与年収の場合は、同収入の協会けんぽ保険料を掲載。

〇給与年収400万円・4人家族(30歳代の夫婦+子2人)
 東京都特別区:42万6,200円➡〔廃止後〕22万2,200円 〔協会〕19万8,000円
 大阪市   :41万9,500円➡〔廃止後〕26万0,400円 〔協会〕20万3,400円
 京都市   :39万7,400円➡〔廃止後〕24万2,000円 〔協会〕20万0,400円
 札幌市   :41万3,500円➡〔廃止後〕28万0,700円 〔協会〕20万5,000円

〇給与年収240万円・単身者(20歳代)
 東京特別区 :16万2,600円➡〔廃止後〕11万1,600円 〔協会〕11万8,800円
 大阪市   :20万2,200円➡〔廃止後〕13万0,800円 〔協会〕12万2,000円
 京都市   :17万7,200円➡〔廃止後〕12万1,500円 〔協会〕12万0,200円
 札幌市   :20万5,600円➡〔廃止後〕14万0,900円 〔協会〕12万3,000円

〇年金収入280万円(夫:230万円、妻:50万円)・高齢者夫婦世帯
 東京都特別区 :15万5,000円 ➡〔廃止後〕7万3,400円
 大阪市    :16万6,600円 ➡〔廃止後〕8万6,000円
 京都市    :15万1,100円 ➡〔廃止後〕8万0,000円
 札幌市    :16万2,600円 ➡〔廃止後〕9万2,700円

〇所得300万円・自営業・3人世帯(30歳代の夫婦+子1人)
 東京都特別区 :40万7,700円 ➡〔廃止後〕25万4,700円
 大阪市    :42万8,300円 ➡〔廃止後〕29万8,500円
 京都市    :39万9,500円 ➡〔廃止後〕27万7,400円
 札幌市    :43万1,800円 ➡〔廃止後〕32万1,700円

 

 これはなかなかすごいなと私は思いました。

 別に共産党だけが言っている提案じゃなくて、全国知事会の提案です。自民党公明党も与党となって支えているところがほとんどの自治体です。そこが言っていることです。

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 この提言は次のように結んでいます。

高すぎる国保料(税)の問題の解決は、住民の健康と暮らしを守るうえでも、国民皆保険制度の最重要な柱である国民健康保険制度の持続性を確保するうえでも、社会の公平・公正という面からも、避けて通れない課題となっています。立場の違いや社会保障政策の違いがあったとしても、この問題の解決に向けて、知恵を出し合い、力をあわせることは可能であるし、必要だと考えます。

 高島さん、私とあなたとの間には確かに「違い」があります。

 だけど、この点では一致できるのではないか。

 本当はちゃんと公開討論をしてこういう一致点を確認してできれば共同のアピールをする。そういう建設的な討論をしたかったんです。

 今日に至るまであなたから返事が全くない、討論に応じる気配もないのは本当に残念なことです。

森あやこ市議会議員から応援のメッセージをいただきました

 森あやこ福岡市議会議員から応援のメッセージをいただきました。森議員は、ふくおか市民政治ネットワークに所属されています。ご紹介いたします。

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神谷氏へ

 「財源に限りがありますからご理解ください。」と、市民に対する説明をし、切り捨てる市政。その一方で「ロープウェイは私の夢」と語り予算をつける首長。
 安全性を軽視し、博多駅前の大陥没を引き起こしてしまった市政。
 髙島市政の進めてきたアベノミクスに便乗した政策は、市民の生活を豊かにしているとは言えず、地方自治体が行うべき、住民の福祉の増進は後回しと言わざるを得ません。

 これ以上、このような状況を継続しては福岡のまちが壊れます。
 議会人として、手遅れにならない、誰一人取り残さない、市民と共に推進できる本気の施策を取り組む責任を感じます。

 髙島市政NO!の意思として、市長候補である神谷氏を応援いたします。

 

 

福岡市議会議員 森あやこ

架空討論(7)福祉はIoTとかICTの話ばっかりなの?

 引き続き、高島市長の記者会見をもとにした架空討論会を勝手にやってます。

 まあ、今回入れてもう2回くらいですけどね。

 最後は、医療・福祉についてです。

www.nishinippon.co.jp

  もう一つ、今、「実証実験フルサポート事業」をしていまして。例えば高齢者の1人暮らし。万が一があった時に、誰が駆け付けるのか、面倒見るのかというところが大きな課題と思うんですけれども。「ワーコンプロジェクト」というところは、万が一倒れた、心臓が止まったというような、内蔵の動きまでスキャンできるというようなセンサーを天井に付ける事によって、1人暮らし高齢者の安全を見守って、万が一があったらすぐに看護師が駆け付けるような態勢を取れるんです。……

 そして、これから10年間で福岡の高齢化も進んできますから、その時に向けたチャレンジ、体制づくりを着実に進めていきたい。「福岡100」ですとか、高齢化に伴う認知症の増加、こういうことに関する取り組みは、世界で最高レベルで進んでいる取り組みだと自負をしています。ユマニチュード(認知症の人のケア技法)の取り組みにしても、IOTの見守りもそうです。……

 ちなみに、ICTのチャレンジをすると「高齢者が」というような話になりがちなんですが、高齢化してきて、(家から)出るのがおっくうになる人、高齢者ほどICTはすごく便利で、家にいながら買い物ができる、申請ができる。

 福岡は国家戦略特区の中で、日本で初めてオンライン上で、家にいながら診察を受けて、服薬指導を受けて、薬まで届くようになったりしたわけです。こんなICTのチャレンジはこれからもどんどん進めていくことによって、市民サービスの向上をはかっていきたいと思っています。

 高島市長と医療・福祉の話をするとこういうIoTとかICTの話ばっかりなんですよね。

 いや、別に、技術革新、必要ですよ。必要です。

 私は別にICTとかIoTを敵視してるわけじゃないし、取り入れられるものはどんどん取り入れたらいいと思います(服薬指導をオンラインですることの問題はあると思うんですが、それはとりあえずおいておきましょう)。

 医療の患者とか福祉を享受する人だけじゃなくて、それを供給する人、つまり病院とか事業所がICTとかIoTを利用するということは当然ありますよね。

 最近も西日本新聞で次のような記事が載ってました。

www.nishinippon.co.jp

 

同法人の離職率も当初は25%(03年度)に達し「介護ニーズに対応するどころか、サービス自体が提供できなくなる」と危機感があったという。

 手書きに依存していた記録を電子化すれば残業の大幅減につながる。入居者、利用者の情報を瞬時に全員が共有できれば、ケアに専念できる。結果的に介護の質が向上するのでは-。そう考え、大学やベンチャー、大手企業とも積極的に情報交換を重ねてさまざまなICTを導入した。

 機器による見守りで、職員が手薄な時間帯の不安感も軽減され「職員のことを考える魅力ある施設として評価されるようになった」(山田さん)。結果、ここ3年間の離職率は3%と激減。居宅介護や訪問看護、デイサービスなど事業も拡大し、スタッフもここ5年間で200人増え、事業収入も3倍となった。

 

 だから、ICTなどの発達で介護の質が上がるし、効率化され、現場は助かるということは当然あります。

 だけど、それだけではすまないことが、医療や福祉についてはあるんじゃないでしょうか?

 

 例えば患者・利用者レベルの場合「利用できない所得の格差の問題」ということをどう考えるのかを政治としては結論を出しておかないといけないということです。

 お金がない人はそういう技術は享受できるんですか、という政治とか考えるべき中心問題が触れられていないんです。なんか、「財界九州」で九経連の人が話してるみたいなインタビューなんですよね。

 例えば、高島さんは1期目には国民健康保険料について公約しました(以下の質疑応答は2014年10月19日の決算特別委員会)。

○綿貫議員 市長は前回の選挙で、国民健康保険料についてどのような公約をしたのか。

△保健福祉局長 市長公約は、「保険料の暫定方式の改善等、国への働きかけなど保険料の軽減化に取り組む」である。

 こういうことを高島さんはもう言わなくなってしまいました。

 福岡市の国民健康保険料はあいかわらず高いんです。

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 それを引き下げて、誰もが医療にかかれるようにするためにはどうしたらいいのかを考えるのが市政の役割じゃないんでしょうか。

 

 

 

 

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 ちなみに、高島さんは、どんどん公約が「あいまい」になっています。

 そのことについて、高島さん自身が記者会見で次のように述べています。

公約発表なんでね。こうしたい、ふんわりとした思いを言うと、この場で言ったことですから、確実に実現しないと、「あの時言ったじゃないか」ってね。8年前に痛い目に遭ってるんですね。今のような誘導に乗っかって。まだ8年前でしたから、私も素直だったんですけども(笑)。ふふ。ここで自由に言い過ぎると、危ないっていうことも分かるんですけど。

 まあ、それはとりあえずおくとしまして、国民健康保険料を下げるために、一つ私と共同でできることあるんじゃないかと思っています。

 それを次回の架空討論の記事でご提案します(今回のいつものオチはありませんが、高島さんのお返事をお待ちしています)。