共産党を不当に除籍・解雇された私が裁判を起こすということは前にお伝えしましたが、私の裁判を担当する弁護団の弁護士を紹介します。
平裕介弁護士と松尾浩順弁護士です。
お二人にたどり着くまでに長い紆余曲折がありました。
行政がやっているような法律相談で出会った弁護士にいろいろお会いしましたが、一般論を述べるだけで、私にとって有益なアドバイスはほとんどありませんでした。ただそれは弁護士の方の問題というより「共産党との裁判」というあまりに特殊な状況のために、「自分はわからない」というような感じでした。
ハラスメントについては「面倒そう」という対応をされる場合もありました。パターンが決まった労働問題の裁判はやりやすいけど、ハラスメントの立証は、ある種の弁護士にとってはやはり依然としてハードルが高いのかなと思いました。
人権派と呼ばれている弁護士の方にもいろいろお会いしました。「ひょっとして党側に全部漏れたらどうしよう」という不安があり、そもそも声をかける弁護士に迷いました。いざ声をかけてみて、こちらが詳しい経過も話さないうちから「あなたが反省文を出せば」と冷たい「アドバイス」を言われたこともあります。
非常に熱心に話を聞いてくれる弁護士もいたのですが、依頼の条件が合わなかったり、残念ながら「利益相反」(共産党側の仕事を受けている)ということで引き受けてもらえなかったりもしました。すでにお二人に決まった後に、私の除籍・解雇を知ってお声かけいただいたという方もいます。(これらの人たちには深く感謝しています。)
私は、自分が共産党の議員団事務局として住民の相談に関わっていたときには、弁護士につなぐことは全くなんでもない話でした。ところが、「共産党を相手どる」となったとたん、これらのリソースが一切断ち切られてしまったのです。
しかも「政党、しかも共産党を相手に除籍・解雇の撤回、ハラスメントの損害賠償を求める」というのは相当特殊な状況なので、そういう裁判をやったという前例が回りにまったくありませんでした。
太平洋のど真ん中で、食料も水も羅針盤もなくボート1隻のまま、置き去りにされたみたいな気持ちになりました。(そういうリソースに出会えない住民の心細さということが、少しはわかった気がします。)
そんな中でようやく二人の弁護士の方に出会えたという嬉しさを理解していただくことができるでしょうか? さっきのたとえで言いますと、大海のど真ん中でボートを浮かべて途方に暮れていたところに、大きな客船が通りかかったみたいなものです。
平弁護士は、表現の自由の問題で私のペンネームの方のXのタイムラインにもよく投稿が表示されていた方で、「宮本から君へ」事件裁判で勝利を勝ち取ったことで私の記憶に鮮明に焼き付いていました。そして何より、共産党を除名された松竹伸幸さんの裁判の主任弁護士もされています。
松尾弁護士は、平弁護士の紹介でご縁ができました。これまで打ち合わせの中で何度かやり取りさせていただきましたが、私の解雇・除籍について深く理解してくれて、明晰な回答や方向性を与えていただいています。個々の対応についてもアドバイスをもらっています。
このお二人を力を借りて裁判をたたかおうと思っています。
補足(2025.1.29)
東京地裁で私の裁判を担当する裁判官は以下の3氏です。
- 清藤健一(裁判長)
- 水橋巖(右陪席)
- 柿部泰宏(左陪席)
(2025.6.23再補足)4月になって裁判官が代わっています。
- 清藤健一(裁判長)
- 安江一平(右陪席)
- 田中稔哉(左陪席)
「右陪席」「左陪席」というのは、次の通りです。(imidasからの引用)
法廷では、裁判長が真ん中に座り、その左右に2人の陪席裁判官、さらにその両脇に、裁判員が3人ずつ座るという席順です。真ん中の裁判長が一番、位が高いのですが、右陪席(裁判長の右手側)と左陪席にもそのキャリアに違いがあります。右陪席は、裁判長よりは若いけれども判事(判事補ではない)の職位にある人や、キャリア5年以上で最高裁の指名を受けた特例判事補(本来なら判事補だが、例外的に判事として認められた者)が当たります。これに対して、裁判長の左手側に座る左陪席は、おおむね、キャリア5年以下の判事補が当たることになっています。判決文を起案(下書き)するのも左陪席裁判官が通例のようです。