(続き)
私は、保育園の保護者会(父母の会)の会長として認可保育園の存続運動にかかわってきましたが、これは九州大学の箱崎キャンパス跡地利用をめぐる話の一つでもありました。子どもたちにとってかけがえのない園だという声が保護者会で出てそれに押されて始めたものでしたが、交渉する中で、「地域で待機児童が出ているのに、なぜ市は存続のために積極的に動かないのか」と本当に不思議でした。
箱崎だけではなく、六本松、旧青果市場、旧大名小など、今、福岡市のいたるところで市の土地だったところや公の土地だったところの跡地利用が問題になっています。
ほんらい、その利用は住民が中心になって決めるべきことです。それなのに、そこに住民とまったく同じように、いや、実質それ以上のポジションで民間営利企業が入り込み、住民の願いがほんの形だけ取り入れられて、全体が民間に「切り売り」されていくような流れが強まっています。
私が注目してきた地方政治家の一人に、潮谷義子・熊本県知事(自民・公明推薦)がいます。川辺川ダムの建設をめぐり、住民討論集会を何度も開き、テーマや時間にあまり制限をかけず、じっくり話し合っていくイニシアチブを取りました。もちろんいろんな課題はあったと思いますが、「住民のことは住民が決める」という住民自治――憲法の定める地方自治の本旨に立って、問題解決しようとしたことは注目にあたいします。
また、私が注目してきた地方政治家の一人には、翁長雄志・沖縄県知事もいます。自民党出身でありながら、保守も革新もこえた「オール沖縄」を打ち出した彼のもとで新基地建設反対の声が広がり、その遺志を受け継いで、今沖縄では辺野古新基地建設をめぐる県民投票条例がつくられようとしています。福岡市でも人工島事業そのものや、こども病院の人工島移転をめぐる住民投票条例を求める運動が広がった歴史があります。
私は、住民自治という思想がいまの福岡市政には本当に不足していると思います。西鉄に公園利用の便宜をはかったのでは? とか、JR・積水・麻生などばかりが仕事を取っていないか? とか、財界や市長の「お友達」の思惑で、あるいは市長の独断専行で決まっていないでしょうか。
難しい問題でも、本当に自分たちが参加して決めることで、みんなでチャレンジすることができます。
私は「私たちのことは私たちが決める」という住民自治の原点に立って、次の施策をすすめます。
- 何事も情報公開と市民の間での討論をすすめ、特に難しい問題では住民意向調査、住民投票、住民討論会などを積極的に活用します。
- 市職員の声をよく聞き尊重し、庁内の風通しをよくします。また、人材の確保、技術の継承、行政対応や災害対応力の向上にむけ、新しい職員を積極的に採用します。
- 教育については子どもの権利と現場の自主性を最大限尊重するように切り替え、行政の圧力や統制をやめます。教育への介入ではなく、条件整備こそ市長の仕事! 少人数学級の全学年への拡大、教員採用の抜本増、教員の多忙化解消、特別教室・体育館へのエアコン設置、学校改善予算の増額、男子の個室化をふくむ学校トイレの改修、過大規模校の分離新設、特別支援教育の体制強化など条件整備に積極的に役割を果たします。
- 博多駅前地下鉄工事道路陥没事故について市として組織体質・組織文化の点で問題がなかったか検証する第三者委員会をつくります。また、福岡市の建設残土が不法に捨てられていないか、総点検します。
- 不公正・不正直な安倍政権のもとでの改憲に不安が広がっており、同政権のもとでの憲法9条の発議・改定に反対します。非核平和都市宣言をします。核兵器禁止条約への参加を日本政府に直接求めます。被爆・引揚の実相を知るための平和資料館をつくります。
- 災害派遣や急迫不正の主権侵害への対応では自衛隊にも積極的に協力を求めます。海外派兵や違法な先制攻撃などへの市の軍事協力は許さず、そのような形での福岡空港・博多港の軍事使用に反対します。