架空討論(4)箱崎キャンパス跡地での「自動運転車」実験のこと

 引き続き、高島市長の記者会見をもとにした架空討論会を勝手にやってます。まだやるんかい、と思うかもしれませんが、やります。いやぁ、私くらい高島市長の記者会見をこんなに熱心に読んでいる人は他にいないんじゃないですか? 1位が高島さん、2位が書き起こした記者、そして3位が私。

 

 今回は、箱崎キャンパスでのいろんな実証実験の話ですね。

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 それと、もう一つが九州大学箱崎キャンパスの跡地というフィールドがある事なんです。既存の市街地の中に、新しいサービス、テクノロジーを導入していくのは、住民合意も含めて非常にハードルがあるんです。箱崎キャンパス跡地は、ちょうど移転が完了したばかり。来年の公募前のこの1年間に、たくさんの実証実験を行って、その次の年の公募につなげていきたいと思っているんです。

 そのためには、自動運転、センサー(を使って)の見守り、シェアリング。人の乗る自動運転もあれば、荷物を運ぶ自動運転もある訳です。これは来年実際に行う事が決まっているんです。さまざまな実証実験を行ううえで、福岡が国家戦略特区に選ばれているという事が、非常に大きなインセンティブです。福岡のイニシアティブでもってチャレンジができる。で、うまくいけばその成果を日本全体に還元する事もできる。

技術革新は素晴らしいこと

  私も見守りセンサーや自動運転車のような技術革新は非常にいいなと思ってます。

 っていうか、私がついこの前町内会長さんたちの前で話したことなんですよ。

 町内会長さんたちは見守りをやっているんだけど「それに参加してくれる人がいなくてもう大変」とか。

 あるいは、市から車を借りてボランティアでバスを運転している。お年寄りの移動支援のためにね。事故を起こさないように必死です。

 そんな時、もし見守りセンサーや自動運転車のような技術革新があればこういう町内会のお悩みも一気に解決してしまうんです。

 素晴らしいですよね。

 

イノベーションを無邪気に喜んでいるわけにはいかない

 しかし、政治家はそういうイノベーションをただ無邪気に喜んでいるわけにはいかないという問題もあるんです。

 今後AI(人工知能)やIT(情報技術)が発達し、もうけ本位に使われれば、大量の失業さえ生まれかねません。

 長い目でこの都市問題に対応するのが市政の仕事です。

 もし自動運転者ができれば、さっき述べたような「高齢者ばかりになってバス便がなくなった地域の問題」は「解決」されるでしょうが、同時にそれは運転手の仕事が失われる瞬間です。

 技術はそれを誰がどう握るかこそが問題のカナメです。市長の仕事は、ナイーブにただ大企業の儲け仕事を後押ししてやることではありません。それを政治・社会の側から問題を浮き彫りにして、対応する知恵をだし、政策にしていくことこそ必要です。

 だからこそ、私は「福岡式ベーシックインカム」を提案し、全ての人に「健康で文化的な最低限度の生活保障」をする社会への切り替えを訴えました。その第一歩が家賃補助・市営住宅の増設、そして暮らしへの直接支援です。

 

箱崎キャンパス跡地は防災公園にというのが住民のもとの要望だが

 そして、箱崎キャンパス跡地については、もともと地元の4校区協議会が出した構想は全体を一つの防災公園にするという構想でした。

 

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 ところが、その「全体を一つにした防災公園」という考えは、どっかいっちゃった

 財界などが協議会に入り込んできて、ゆがんできています。今の構想では、部分的に公園が入ったり、中に入る商業施設と「防災協定を結ぶ」みたいな話になったりしてしまっています。

 そもそも自動運転車を走らせるとかスマートイーストという話自体が住民が望んでいたことなのか――そういう疑問が私にはあります。

 もともとの4校区提案は、地元の自治会などがかなり努力して、住民に広く聞いて承認された唯一のものです。その努力のプロセスを私はよく知っています。

 それなのにそれが置き去りにされて市長や財界の思惑で勝手に進んでいないかなと危惧しています。

 現に、今でも住民からは集会で「元の提案通り防災拠点・防災公園にしてほしい」という要望を私は聞いています。だとしたら、やはりもっと徹底した住民の要望を聞き直す形をとるべきではないでしょうか。

 私は、公約のプロジェクト4で住民討論会や住民意向調査、そして住民投票をもっと活用すべきだと呼びかけています。

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 高島市長の反論をお待ちしています。なかなかきませんが。