私の調査はなぜ1年半もかかったのか

(以下は私の不当な除籍・解雇事件の問題の一部についてです。全体像を簡単に知りたい方は24年8月20日付の記事を先にお読みください。)

 

 私がありもしない規約違反容疑にかけられ、そのための公式調査は23年6月から翌24年8月まで1年3ヶ月、23年3月に嫌疑をかけられて予備の査問が行われた時期を含めると1年半もの長い間、私は共産党幹部から取り調べを受けることになりました。

 “取調べでは殴ったり怒鳴っていないからセーフ”というのが党幹部の主張ですが、果たしてそうでしょうか。

 その期間は、その時々の尋問の苛烈さや各種のハラスメントはもちろんですが、直接の取り調べ時間以外にもずっと、「決定」を楯に自己批判を強要され、解雇や追放を脅され続けた状態になっているわけですから、不安が尋常ではなく、大変な精神的苦痛を受けました。「拷問」という言葉さえ浮かび、文書で中止を何度も党幹部に申し入れましたが、無視されました。

山林に自由存す われ此句を吟じて血のわくを覚ゆ

 一体なぜ党幹部は私をこんなに長い間「調査」したのでしょうか。

 私はそのことについて2023年12月7日の公式調査の場で、尋問を担当した共産党福岡県副委員長のB氏・C氏に率直に尋ねました*1。嫌疑をかけられて9ヶ月、公式調査が開始されてすでに5ヶ月たっていた時点です(文中に出てくるA氏はもう1人の県副委員長で、私の調査の責任者です)。

 私は「権利制限」という名目で、仕事をすべて取り上げられ、職場の同僚などとの接触を禁止されていました。

 

神谷 6ヶ月権利制限かけて調査しているけど最初の論点からほとんど変わっていない。6ヶ月っていうのは24時間×30日×6ヶ月で4000時間を超えるんですけど、(調査で)話したのは1、2時間ですよ。なんでこんな時間をかけて権利を制限され続けているのか、本当に理解に苦しみますよね。党活動はほとんどすべて禁止されて、挙げ句の果てに(党市議団事務所の)引越しの手伝いまで禁止されるって、(私の)給料もらうために事務所に出入りすることもまかりならん、禁止されるっていうのは、「必要な範囲で」(規約48条の規定)権利を制限するというのを超えてますよね。すぐやめてほしいんですよ。それだけ時間かけて一体何を調べているんですか。なんでこんなに時間がかかるんですか。単に私をいじめたり、人間関係を絶って「こいつに同情させないようにしよう」っていうふうな、大企業でよくやっているいじめと同じではないですか。だってこんなに長い時間かけるっていう必要性を私、感じなかったですもん。Aさんに聞いたって、説明もしてくれないですよ。どう思います、それ。私、精神病んでるし。

 

C氏 だから(尋問再開を)1ヶ月おいたりさ。最初に(尋問は)3人でやったけどさ、減らして2人したり。*2そういう配慮は我々したわけですよ。確かに対話の時間が少なかったのは、僕らも増やしたかったけど、我々自身の活動の忙しさもまあ色々あったってことなんですよね。 

 

 C副委員長はあたかも私の病気に気遣っているかのような言い訳を少しします。しかしすぐにそれを投げ捨てて「活動が忙しかったから」と弁解しています。

 

「神谷の病状に配慮」?

 実は、「神谷の病気に配慮して調査が長引いた」という言い訳は、この12月から急に始まり、12月23日の県党会議の結語で本格的に採用され、その後県内の党員用にくり返し喧伝される、輝かしき「公式の言い訳」に昇格します。

 しかし、私が精神疾患を告げた23年5月から同年12月まで私はそうした言い訳を聞いたことはありませんでした。実際に23年9月ごろに「なぜこんなに調査に時間がかかるのか」と調査責任者のA副委員長の電話で尋ねたのですが「あんたには言われん!」と怒鳴られました。それ以降もA副委員長に問い合わせのメールを送りましたが、なしのつぶてでした。「病状に配慮している」人への態度では、およそありません。

 そして、「神谷の病状に配慮して」という「公式の言い訳」が登場した23年12月以降にも、私は、党幹部から一度として私の病状について尋ねられたことはありません

 気遣う言葉がない、とかそういうレベルの話ではありません。

 もし本当に私の病状(精神疾患)に配慮して尋問のペースを落としているなら、私に対して病状を尋ね、どれくらいの間隔が適切なのかを私との間で相談し、調整するはずです。純粋に実務的な必要が生ぜざるを得ないのです。しかし、党幹部は私の病状を照会する電話もメールも一度としてしてきたことはないのです。

 私がどれくらいの頻度で医者に行ってるのか?

 私はどんな名前の薬を飲んでいるのか?

 私の病気への対応は、何に注意する必要があるのか?

 現時点で、党幹部は何一つ答えられないのではないでしょうか

 それもそのはずです。

 私の病状になど本当はなんの関心もなく、単に調査を長引かせていることの「言い訳」に過ぎない可能性が濃厚だからです。実際、その後の公式調査の日程も私の病状聴取など一切なしに党幹部の都合で提起されました。

 だからこそ、幹部内で意思統一される前だったであろうC氏は、この問答において「神谷の病気に配慮した」という「言い訳」が貫けず、「いろいろ忙しかったので」というホンネを吐露してしまっているのです。

こころまゝなる人間は、いつでも海が好きなもの!

 

B副委員長「松竹問題との関わりがあるから」

 この「いろいろ忙しかった」という中身は、私が第2回公式調査の問答においてB氏とC氏をただしていく中で、やがてB氏がうっかり白状してしまうことになります。

 先ほどのやり取りの続きです。

C氏 〔…続き…〕確かに対話の時間が少なかったのは、僕らも増やしたかったけど、我々自身の活動の忙しさもまあ色々あったってことなんですよね。 

神谷 だって5ヶ月やってきたけど、なーんもなかったですもん、最初に(調査を)やってから。1回目(の調査が)あったけど、「反省してるか」っていうだけ。忙しかったらお前の権利なんかどうでもいいんだっていう感じで…(C氏「そんなことはない!」)じゃあなんで5ヶ月も放置されるんですか。仕事を取り上げられるっていう屈辱感と、誰とも会うなという命令。じゃあなんで(市議団事務所の)引越し(の手伝い)まで禁止されるんですか。引越しの手伝いを禁止する「合理的な理由」ってあります? で、給料取りに行くときにそれ(職場の同僚との接触)を封じるっていう。市議団の引越しを手伝うってやっていたらわざわざ(A氏から)電話がかかってきて、「お前は手伝うな」と。「給料もこれからは(職場に)取りに行かんでよし」と。「取りに行きますよ」と言ったら「まかりならん」と。「現金書留で送る」と。家に(給料が)送られてくるんですよ。

B氏 それはA副委員長が?

神谷 Aさんも言いましたし、(財政担当の常任委員の)Dさんも言いましたよ。おそらく書記長が(そうやれとAさんやDさんに)言ってるんでしょうよ。不適当だと思いません、これ? こんな長いこと、こんなふうになってるって。「必要な範囲で権利を制限する」というのが規約(48条)の定めですよ。「必要な範囲」超えてるでしょ、合理的な。

C氏 (数秒沈黙)まあ、わかりました。神谷さんのおっしゃっていることは。

神谷 (適切か不適切か)認識も言えないんですか。

B氏 ここはまあ細かいことは。役員としての権利制限ということで。どこまでっていうのは…。

神谷 (権利制限の一つである)「会議参加を禁じる」ということだって、(会議には参加させた上で)「この件は議題にしないでね」っていうやり方もあると思うのに、なんで全部の会議を制限したりするのか、活動も一切まかりならんっていうふうにするのはなんでなのか、説明がつかないじゃないですか。だから権利制限は一刻も早く解いてくださいっていうことですよ。悠長に…。

B氏 松竹氏との関わりがあるから、慎重に検討して相当議論を重ねてきたのは間違いないんですよ。ポンポンポーンと決めるわけにいかんし、我々自身が整理しないといけないし。制限についてもいろんな心配をして。

神谷 じゃあ今の段階でもそういう認識はお持ちでないんですね。不適当だと(いう認識は)。合理的に「必要な範囲」を超えてるでしょう。期間も。範囲も。そして私が精神疾患に追い込まれているということについての影響も。そして中身も仕事をぜーんぶ取り上げて、人間関係も絶たれて。ライン(グループ)も切られましたよ。

C氏 常任委員としての…。

神谷 いやいや常任委員会のライン(グループ)だけじゃなく、市議団のライン(グループ)も切られたんです。「県委員会からの指示で切るように言われました」って。いじめと同じですよ、これ本当に。「仲間外れ」だってされたんです。そんなことお聞きになって「知らんなあ」っていうふうに、「適当(適切)かもしれんなあ」って思うんですか。

B氏 松竹問題とかが関わっているのでその影響が…

神谷 明らかに合理的な範囲を逸脱してるでしょ。影響があればどんな仕打ちをしてもいいってことになるじゃないですか。

B氏 いや「どんな仕打ちでもしていい」っていうか、一つ一つ判断している。

神谷 一つ一つ示したじゃないですか。それについていいとか悪いとかなんも言わないと。そういう立場なんでしょうか。

B氏 そう。

神谷 そうだと。6ヶ月経って結論が出てこなかった問題ですよ。下調べまで含めたら1年近くこんなことやっているわけですよね。そこまでやって結論が出てこない問題としては規約違反ということが確認できなかったということをきちんと言ってほしいと思うんですよ。

C氏 んなことないよ。

神谷 6ヶ月経って客観的に見たら人間関係の切り離しを行なって、影響力がないようにして、仕事の尊厳や誇りを奪って、ずーっと精神的ないじめを続けて、音をあげるまでやって、「まだだ。まだこたえてないな」っていうことで「引き続き調査する」っていうことで言ってるわけじゃないですか。 

B氏 そんなことは言ってない。

神谷 だって6ヶ月かけて(証拠が)出てこない。

B氏 すでにこっちが認定している問題はあるんだけども、さらにそれ以外の問題でどう検討してくかっていうことで、検討に時間がかかった。時間の問題じゃないですよ

神谷 「時間の問題じゃないよ」と言ってこんなに長い時間やり続けていることは私の精神的にももちませんよ。こんなやり方してもらったら。どう考えているんですか。

 

 B氏が 「松竹氏との関わりがあるから、慎重に検討して相当議論を重ねてきたのは間違いない」と、「間違いなく」言っています。「松竹問題と関わっている」「それ以外の問題(ブログ問題以外)で検討に時間がかかった」ともくり返し述べています。私の病状配慮という言い訳はほとんど出てこないことがわかると思います。

 

 「神谷は松竹氏と分派を組んでいる」「神谷は松竹氏と同じ綱領否定派だ」——そういうでっち上げストーリーのパズルにハマるピースを1年半かけて必死で探したが、結局何も見つからなかった、ということでしょうか。

kamiyatakayuki.hatenadiary.jp

 それとも、私が不安のあまり心身を破壊されることを狙っての、長期にわたる「嫌がらせ」なのでしょうか。

 

 いずれにせよこの経過(というか議事録)を見れば、「病状に配慮したから長引いた」という党幹部の言い訳は通用しないことは明らかだろうと思います。特に「時間の問題じゃないですよ」と最後にB氏が述べているのに、時間をどうかけるか・かけないかは何も関係がないと述べている通り、私の「病状への配慮」などそこにはない、と見る方が自然です。

 

 実際、最後の除籍の「協議」(2024年8月16日)やそれを準備する段階での下記の決定を見れば歴然ですが、党幹部は、私が精神疾患のために書面による協議を求めたことを、一顧だにせず無視し、対面を強要しました。

 あなたの除籍にあたっての協議については、書面ではなく面談でおこないます。その日程について、8月16日(金)午前11時からとします。会場は県委員会新館2階です。出席をもとめます

 なお出席しない場合は、協議を拒否したものとみなします

 

2024年8月8日

日本共産党福岡県常任委員会

 私の病状などに何も配慮していないことは、この有無を言わさない、冷酷な文面からも明らかだと思います。

*1:下記のやり取りは私の一方的メモではなく、全て客観的な記録があります。もし裁判になればいつでも提出できるものです。

*2:23年11月に2回目の公式調査をしようとしたが、3対1で尋問される構図に私が抗議したために、尋問は中止され、その1ヶ月後の12月7日に尋問が再開され、尋問者が2人に減ったことを述べています。