診療報酬改定についての日本共産党小池晃書記局長のインタビューが「しんぶん赤旗」の28日付に載りました。
診療報酬改定について「成果」だと評価している点はとてもいいと思います。
もちろん、医療全体の「危機的状況を脱したわけではない」という評価も同時に載せていて、これ自体も正しい指摘だと思います。
ただ、共産党の議席状況とか、高市政権の支持率とか、一見すると社会進歩にとってマイナス材料しかないような状況下で、社会運動と国会の論戦が結んで世論を動かすという共産党綱領の「人民的議会主義」の観点で情勢をとらえて、事態が動いていることを実感してもらう点ではこれほど重要な「成果」はなかなかないでしょう。
この診療報酬改定などをめぐる運動のダイナミズムを、もっと中央決定でもクローズアップして取り上げて、党支部に要求運動や社会運動に取り組んでもらうよう激励してはどうでしょうか。
そして、この方向で、要求運動、とりわけ物価対策などの生活要求を取り上げたたたかいに立ち上がってもらうような政治的援助を、党指導部は行うべきではないかと思います。
共産党としての政治・社会の中での存在意義を高めるのは、そうした実際の運動で人々と具体的につながることです。

こういうことを言うと「段階論」だとすぐ言われます。
しかし、昔のように、それぞれの党員が普通に社会運動もしていて、そこで党勢拡大を同時に行うのは当たり前でした。
ところが、今はそうではありません。まず、社会を変革すること、人々の生活改善の要求そのものに触れる機会がないのです。それを「要求対話・アンケート」をきっかけにまず起こす必要があります。

共産党の幹部会会議では、共産党全体に参院選ショックのようなものがずっと続いていて、そこからいまだに立ち直れないことが伝わってきます。
そして、「政治の表層では右翼的潮流が社会を覆っているように見えます」と同決議では書き、志位和夫議長も「まさにそういう状況があります」とそれを追認しています。
そうした中で、幹部会でどんな議論をしたか知りませんが、そうした見方を是正しようとする志位氏の発言を見ても、「机上の空論」と言いますか、「メディアの雑駁な切り貼り」という以上の印象を受けませんでした。
「『政治の表層』と『社会の深部の流れ』に大きなギャップ--日本共産党の存在意義がきわだつ」と志位氏は言っているのですが、志位氏が挙げている台湾有事の話は1グラムも心に響きませんでした。
「表層」と「深部」が違う、という言い訳に聞こえます。
それよりは「社会の深部」というより、「運動の現場」では何が起こっているか、それが「政治の表層」と異なるのではなく、むしろ高市政権や国民民主党への「期待」と重なっているのです。「深部=現場」が「表層」に倒錯した形で現れる——それを読み解く必要が党幹部には求められていたはずです。
その好例が、診療報酬をめぐる動きでした。
様々な運動団体が動いて声を上げ、共産党も懇談や論戦でそこに合流する。そういう中で高市政権も動かざるを得なかった——こういうダイナミズムがそこにはあります。
幹部会決議や志位発言では、もっとリアルな躍動感を伝えるものとして、この小池インタビューのような中身を伝えるべきだったと思います。