「集中期間」を延長する理由になっていないのでは

 2025年12月25日採択の日本共産党の幹部会決議が翌日付の「しんぶん赤旗」に載りました。

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 12月末が期限だった「質量ともに強く大きな党をつくる集中期間」を来年4月末まで延長しようという決議です。

 要約記事に延長の理由のポイントが書いてあります。

 第一は、全党の努力によって「集中期間」はようやく前進が開始されたという到達にあり、これを絶対に中断させず、文字通りの全党の運動とし、目標を達成するためには、期間を延長することがどうしても必要だということです。

 第二に、解散・総選挙、2027年春の統一地方選挙に勝利するためには、土台となる「党づくり」に、いま力を集中することがどうしても必要だからです。

 第三に、27年1月に開催される第30回党大会に向けた党建設の目標をやり遂げるために「集中期間」を「跳躍台」にしようということです。

 一言で言えば、これは延長する理由になっていない、と思いました。

深川不動堂。2025年12月神谷撮影。

 「第二」「第三」は初めからわかっていたことです*1。期間設定に失敗したということになります。

 そして「第一」の中にある「ようやく前進が開始された」という話ですが、機関紙読者数は減り、党員は「毎月現勢で前進」を目標の一つにしながら増減が不明(おそらく減っている)という中で「前進とは?」と首をひねってしまいます。*2

 

 提起した「集中期間」が失敗したことを認め、総括すべきです。

 実践して失敗か成功かを検証する——これこそが民主集中制のはずですが、その原則を無視する気でしょうか。

 「集中期間が失敗した」という、この、誰にとってもわかりやすい事実から出発すべきではないでしょうか

 

 前から言っている通り、長期的な党の発展のためにも、また直近の統一地方選挙や総選挙のためにも、根本的な改革の必要性を認め、全党的な議論をただちに行うべきだというのが私の考えです。

 しかし、仮にそれをしないにせよ、もし今の路線でやるとしても

  1. 決議中にある若い世代の「ミーティング」や職場支部の「集い」が40都道府県129地区開催まで来てるなら、その全都道府県・150地区開催くらいを目標にして4月末まで再出発すること
  2. 今の情勢下での党の役割が見えず、再設定すること

くらいをめざすものになるのではないでしょうか。

東京・江東区。2025年12月神谷撮影。

「ミーティング」「集い」について

 決議の中で、量的に見通しがありそうなものは唯一これだけです。

 過大な拡大目標を立てても全く実現する見通しがありません。党幹部は今の全党のがんばりがどこまできているのかさえ明らかにしようとしないのですから。

 そういうものをめざす党活動の水準になっていないことを率直にまず認めるべきでしょう。現実を直視しないといけないのです。

 だとしたら、今の力量で党がまずクリアすべき現実的な目標を設定して、そこを軸にした丁寧な党づくりを始めるべきではないでしょうか。

 

今の情勢下での党の役割の再設定について

 高市政権が誕生して高支持率を維持し続けている中、政権との取引を求める国民民主党の支持が回復しています。

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 そうした中で共産党の役割が鮮明になっていません。

 幹部会決議では

政治の表層では右翼的潮流が社会を覆っているように見えますが、それは国民の願い、世界の動きとの深刻な矛盾を抱えています。高市政権の土台はもろくて弱い。そして、政局の右傾化が進むもとで、時流に流されず正論を貫き、国民との共同を貫く党--日本共産党の存在意義は、いよいよかけがえのないものとなっています。

としていますが、こうやって示される「存在意義」は、党員以外にはほとんど実感し難いロジックです。

 物価対策は支持が増えているという調査もあるが、依然として不満が高い

 日本共産党として、思い切って消費税減税などを求める運動や共同にリソースを割くべきだと思います(単に「やっている」というレベルではなく)。「赤旗」紙面でも生活要求はきわめて弱いですよね。

 幹部会決議では

選挙勝利を目指して、国民のあらゆる要求にこたえ、苦難を軽減する党の立党の精神に立った活動を強めましょう。全有権者を対象にした宣伝活動を強化するとともに、「要求対話・アンケート」を新たな意気込みで思い切って位置づけ、広い国民の要求をきき、対話することを重視しつつ、党建設の躍進をかちとろうではありませんか。

とありますが、事実上かなり小さな位置付けしかありません。この方向を思い切って強化し、共産党の今の役割と結んで中央が提起し直すべきではないでしょうか。 

赤旗写真ニュース(26年新年用)

 松竹伸幸さんが動画で、共産党としての抜本的な役割だけでなく、緊急に全ての野党が共同できる課題を探求すべきだと言っていましたが、そういう視点とも重なります。

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 今共産党が党綱領で提起しているのは民主連合政府であり、安保条約廃棄は、逆らうものは除名までして対応している「喫緊の課題」のはずです。

 そこで一致できる勢力がいない場合、その手前の要求での一致するのであれば、別にどういうレベルのものでもこだわらずに共同すべきです。*3

 それなのに、どうして「安保法制撤廃」での共同にこだわり、立憲民主党などにそれを執拗に求めるのでしょうか。「安保法制撤廃」はすでに野党が共通できる「さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線」でもないし、その「統一戦線の政府」にもなり得ません。理屈が壊れていると思います。

新橋駅前。25年12月神谷撮影。

志位議長の発言について(12月27日補足)

 27日付「しんぶん赤旗」に会議での志位和夫議長の発言が載りました。

 そのことについて、ちょっと補足します。

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 特に「止まった状態からここまで運動を起こしてきたことに自信を持って、次にのぞもう」と鼓舞していることについてです。

 「ここまで」というのがそもそも分からないとか、読者は減ってますよねとか上記で書いたことは繰り返しません。

 参院選結果が党員に深刻な打撃を与えていることを直視せず、過大な目標を立てたというのが12月のこの時点での結果ではないでしょうか。運動を起こして期間までを提起するのが幹部の責任なわけですから。したがって参院選について6中総で「突っ込んだ総括をした」と言いますが、「突っ込んだ総括」になっていないので力が出ない→目標が期間内に全く達成できない、というのが現実ではないかと思います。もっと言えば、参院選結果で受けた打撃から全党は依然として立ち直っていない、その原因となるものが蟠踞している、というのが冷厳な事実です。

 目標との乖離から見れば「さあ仕上げにかかろう」「さあやりあげよう」(志位氏)というレベルではないことは一目瞭然です。

 幹部会決議を受けてすぐ開かれた某県の拡大地区委員長会議の様子を聞きましたが、延長には異論が出なかったようです。ただ、それは素直にみんな「やろう」という固い意思の表れなのか、それともあきらめなのか、異論が言えない雰囲気なのか。「2番目、3番目だろうと俺は思うね」という声を聞いています。

 志位氏が述べている「第二」、日本の政治情勢については、すでに上記で述べたので繰り返しません。志位氏の話で「なるほど」となる人はいないでしょう。

 「第三」の話は、まあ、よかったですね、くらいでしょうか。ただ、せっかくマルクスで盛り上がっても、足元のことがリアルに、あるいは科学的に見られないのでは意味がありませんよね。

*1:総選挙以外は。

*2:5000人党員拡大や「赤本」を読み始める運動はゼロスタートですから「前進」するのは当たり前です。

*3:綱領でいう「さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線」「(その)統一戦線の政府」