「憲法を真ん中にすえた確かな共同」を——大山県議の離党について

 3月31日、神奈川県の大山奈々子県議会議員が、日本共産党を離党し、無所属で活動することを記者会見されました。次の県議会議員選挙の公認を不当に外されたということのようでした。

 びっくりしたのは、どうも私の裁判(私が共産党から不当に除籍・解雇されその撤回を私が求めている裁判)のことが関わっているようなのです。

 

共産党県委の声明には「規約に反する」具体的な言動の記述がない

 そこで日本共産党神奈川県委員会*1の声明を読んでみました。

jcp-kanagawa.jp

 しかし、この声明を読んでも、大山県議が具体的に何をしたのかが書かれていません具体的な言動がわからないけども“規約に反するので公認を外した”としか言っていないのです。

 

党幹部は規約に則った違反認定もした形跡がない

 では、規約違反だと認定して処分をする手続きは行ったのかと思い、その点も読み取ろうとしましたが、声明からは読み取れませんでした。「何月何日に県委員会総会で何名中何名の賛成で違反を認定し、かくかくしかじかの処分にすることとした」ということがないからです。

 つまり、党幹部側はどんな「違反」行為をしたのかも言わず、規約に基づく手続きもしていないということだと考えざるを得ませんでした。

 

これでは判断できない

 これでは判断できません。

 判断できる材料がないのです。

 この県委員会声明で「なるほど」と思う人は、何があっても初めから「上」の意見に黙って従おうと考えている方だけで、そういうタイプの方は、誇り高く権力の不正と闘ってきた日本共産党の中にはほとんどいらっしゃらないでしょう。

 そして、大山県議が、何か住民のために役立たないとか住民を裏切る行動をしたとかそういうことではないということはわかりました。少なくとも争われているのは「党内事情」だけです。

 

政治的立場を超え議席を守るための共同を

 だとすれば、事ここに及んで大事なことは、横浜市港北区で住民のために働く貴重な県議会の議席を守るために、力を合わせたほうがいいということです。国政で共産党が大きく議席を減らす中、都道府県議会の議席は、もはや国政に準じるほどの大きな意味を持つ議席です。

 日本共産党は最近の決定(8中総決定)でも、「憲法を真ん中にすえた確かな共同」を打ち出しました。

私たちが、社民党、新社会党、参議院会派「沖縄の風」、市民連合とともに取り組んできた「憲法を真ん中にすえた確かな共同」は、共同街宣に立憲民主党議員も加わり、若い世代の参加が広がっています。自民党政治を変える新たな共同として、全国各地の草の根から、「憲法を真ん中にすえた確かな共同」をつくり広げることをよびかけるものです。(8中総決定)

 

政治を変える力は、政治的立場を超えた一致点での共闘にこそあります。(26年2月4日付赤旗主張「右への流れに抗し憲法を真ん中に確かな共同を」

市民と野党の共闘が終わったわけではない。ゆるがず憲法を守り抜く勢力が力を一つに合わせていきたい…左派勢力の協力共同は、今後の日本の政治にとっても非常に重要な取り組みになる(小池晃書記局長「憲法を真ん中にすえた左派の選挙協力広がる」、26年1月30日

 大山県議が憲法を守ると表明し、その価値を実現する政治の実現に取り組んでこられ、そこに共産党としても異論はないはずです。前回2万2859票、18.81%(同県議選において共産党内では最も高い得票率)と、現在の共産党の国政得票目標の2.5倍もの得票を獲得した人が出馬表明をしたわけで、なかなか他の人ではこの議席を守れないだろうと思います。もちろん地元の党組織の力は大きいでしょうが、大山県議ご本人個人の努力やキャラクターによるところは決して小さくないでしょう。

 大山県議に“刺客”を送るのではなく、共同のため力を合わせることを呼びかけます。

横浜市港北区の岸根公園の桜

余談:私の裁判に対する大山県議のポストは常識的なことしか書いていない

 以下は余談です。

 党幹部が公認を外した最大の理由が“神谷裁判を応援するとXでポストしたから”らしいということです。

 共産党神奈川県委員会の声明を読んでもそのことは具体的に書かれておらず、大山県議の記者会見の動画を見て初めて分かりました(4分30秒ごろ)。

 

 おそらくその問題となったXのポストとは以下のものでしょう。

 え…これが規約違反…?

 私は不思議に思いました。

 私を応援してくれるポストであれば、私は喜んで支持を表明したと思いますが、一読して「この裁判を通じて議論を徹底的に明らかにして白黒をつけるべきであり、党としてそこに挑む」という一種の挑戦状として受け取ったからです。

 だから私は直ちに次のように引用リポストしました。

 当の私自身がそのように受け取って公然とファイティングポーズを取っているものを、なぜわざわざ党幹部が解釈し直して原告である私への一方的な応援であるかのように描き直そうとするのか理解に苦しみます。

 憲法に定められた国民の「裁判を受ける権利」の正当な行使を受けて、原告・被告がお互いに誠実に法廷で理非を明らかにしよう——私の裁判に対する大山県議のポストは常識的なことしか書いていないのです。

 そもそも、もし大山県議のポストが「規約違反」であるというなら、規約の正式な手続きを踏んで、警告・権利停止・機関罷免・除名のどれかに問うべきであったと思いますが、そのような手続きがとられた様子はありません。

 例えばその名前の通り「警告」するために、県委員会総会を開いて違反かどうかを認定した上で、警告処分を決議すればいいはずです。まさにそれは「警告」であり、規約通り違反を認定し、警告もしたのであれば、それは県議候補として公認を外す根拠になりうるでしょう。

 しかし、そのような措置は取られなかったのです。本人との間で争いもある中で一方的に「党規約の精神に反し、党の決定に反する意見を党外に発信する行動を繰り返してきた」(県委員会声明)というだけでは、説得力がまるでありません。事実を聞いてもいっそうそう思います。

 なぜそのような規約に基づく措置を取らなかったのかといえば、「規約違反」だと断定する根拠があまりに薄弱だったからではないでしょうか。

 貴重な議席に結びついた問題だけに、党幹部は、規約に則って丁寧に、慎重に、問題に対処し、党内外の納得を経るプロセスを踏むべきでした。その形跡が見当たらないのです。

 大山県議の公認外しと私の除籍・解雇はよく似ていて、いずれも松竹伸幸氏の除名がおかしいのではないかと、大山県議は党大会で、私は県委員会総会で発言し、その後、自己批判を求められて屈しなかったため、規約違反を正式に認定されないまま「規約違反」を理由に排除されているということです。住民のための貴重な議席よりも、松竹問題でまつろわない人を排除することを優先したのか、と思われても仕方がありません。

 

 少なくとも、上記のXの投稿が問題だったとして、大山県議の選挙区に刺客を送り込んで、住民のために働く貴重な議席を失う理由にはなり得ません。安保法制を支持しますとか、自民党はいいですねとか、外国人排除は当然だとか、そんなことを言ったわけではないのです。Xのポストを見て、「うわっ、ひどっ! ああ、これなら公認を外して、他の候補に変えるしかないわ」と思う共産党支持者はほとんどいないでしょう。たぶん「神谷って誰? 神谷宗幣? 違うの?」くらいしか思わないと思います。

 党幹部は住民のためを思った立場に戻ってください。どこかから言われた、無理筋な人事を住民や党員に押し付けることは、もうやめてほしいのです。

 「憲法を真ん中にすえた確かな共同」のために、力を合わせるべきです。

*1:正式には県委員会と県議団。