引き続き福岡県の(主に県立)高校のさらなる無償化について書いています。
前回取り上げた学校徴収金の中には「各種団体負担金」というものがあります。「なぜ団体の負担金を、保護者が負担させられているの?」という問題を取り上げます。
「各種団体負担金」とは一体どんなものか。
情報開示で県教育委員会に出させた資料には、フォーマットがあって、正確には「団体等の依頼に基づく徴収金」です。
まあ、ごらんください。
| 1 | 日本スポーツ振興センター災害共済掛金 | 1,930 | 学校管理下で負傷した場合の医療費給付制度掛金 |
| 2 | 福岡県高等学校安全振興会費 | 830 | 上記制度の補填制度掛金 |
| 3 | 福岡県P連PTA賠償責任保険 | 350 | 生徒の行為に起因する賠償責任保険(加害者保険)保険料 |
| 4 | 福岡県高等学校保健会費 | 150 | 生徒の健康に関する調査研究の指導機関 年会費 |
| 5 | 福岡県高等学校体育連盟負担金 | 950 | 高校生のスポーツ活動の振興と育成を目的とする団体 年会費 |
| 6 | 福岡県高等学校芸術・文化連盟会費 | 500 | 芸術・文化活動の振興を目的とする団体 年会費 |
| 7 | 福岡地区高等学校生徒指導協議会費 | 50 | 生徒指導の調査研究を行う団体 年会費 |
| 8 | 家庭クラブ連盟費 | 200 | 家庭に関する科目を履修する生徒が会員 年会費 |
これも私たちの会の会員さんの子どもが通っている、ある高校の『入学の手引き』での案内です。
1と3はまあ保険の掛け金かなとわかります。
2は何だろうと思って、この「福岡県高等学校安全振興会」というところに出かけてお話を聞かせてもらいました。だいたいサイトに出ていましたが、要するに「授業中や部活動中、登下校中などの学校の管理下における生徒等の災害(ケガや疾病など)に対し、共済金の支給を行っています」というもので、言ってみれば1や3と同じようなものでした。
任意なので断りたい人は断れるような形が必要だと思いますが、それはその会に言っても仕方がないことなので、ていねいに受け答えしてくれたことにお礼を言って立ち去りました。
この3つにはあまり不満はありませんでした。お金を払うことも(任意という点を除けば)それなりに合理的だと思えました。
問題はその次からです。
4〜8の団体はどういう団体でしょうか。
これは、県立高校という「学校」が単位となって作っている団体です。
ある学校の教員・職員のうちある一定の割合の人が自主的に入っているとか、そういう団体ではありません。学校として丸ごと加盟しているのです。学校は公的な団体(機関)なわけですから、いわば公的な団体の連合体ということになります。そういう意味では私的な団体、任意の団体ではないはずです。
学校が加盟という行為を行い、学校としてのその団体で活動をしています。
そのことは極端に言えば、生徒や保護者には関係のないことです。
ところが、その団体の費用を、なぜか保護者がお金を出させられているわけです。
どんな団体かについては、例えば「福岡県高等学校体育連盟」はホームページがあり、いろんなことが詳しく書いてあります。
https://www.fukuoka-koutairen.com/kiyaku-kitei/kiyaku01.pdf
簡単に言えば、高校総体などを頂点にした高校の運動系部活の大会などの運営を中心にしている団体なんだと思いました。

「福岡県高等学校芸術・文化連盟」は文化系部活の大会・コンテストなどの運営を中心にしている団体でした。
高校の部活動はもともと「自主的」なもの、つまり有志が行なっている活動ですが、
学校教育の一環です。
教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意するものとする。特に,生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化,科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等,学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。(高等学校学習指導要領)
そうである以上、それは公費で運営されて当然のものではないかと思いました。
実は、県から補助金は出ています。
下記はその団体の一つ、福岡県高等学校芸術・文化連盟の会計報告ですが、収入は団体会費と県からの補助金で成り立っているのがわかると思います。ただし、7000万円の収入のうち6000万円が学校からの会費、つまり保護者の負担であって、県からの補助金はわずか312万円にすぎません。

福岡県高等学校芸術・文化連盟、 家庭クラブ連盟は下記の通りです。
謎だったのは「福岡地区高等学校生徒指導協議会」でした。
ホームページなども見つけられませんでした。
謎につつまれた組織。
一体「生徒指導の調査研究」になぜ保護者がお金を払わねばならないのでしょうか?
県教育委員会に「県立学校という公的機関の行為として、これらの負担金を入学予定の保護者に事実上一方的に賄わせるのは適切ではないと思いますが、御所見をお聞かせください。」とお願いしたのですが、
お問い合わせいただいた、「福岡県高等学校保健会」及び「福岡県高等学校体育連盟」の負担金について回答いたします。
各団体の負担金については、それぞれの団体の規約に基づき、各学校へ依頼するものであります。御不明な点につきましては、直接、各団体にお問い合わせください。(福岡県教育庁教育振興部体育スポーツ健康課)
お世話になっております。
当課は福岡地区高等学校生徒指導協議会について回答いたします。
当該団体の徴収額等につきましては、当該団体が規約に基づき決定することと
しております。徴収額等で御不明な点につきましては、当該団体にお問い合わせください。
何卒よろしくお願いいたします。(福岡県教育庁高校教育課)
福岡県高等学校芸術・文化連盟の会費に関するご質問について回答します。
福岡県高等学校芸術・文化連盟の会費の徴収については、当該団体の規約に基づき処理されています。ご不明な点があれば、直接、団体にお問い合わせください。(福岡県教育庁教育振興部社会教育課)
というものでした。
そして多くの団体は、事務局がある高校に連絡したものの、会って話をすることを拒否しました。
まともに説明はしないけど、「金だけ払え」というのはずいぶんな話だと思います。県もそんな行為が公的機関である学校の行為として行われていても知らんぷりです。

先ほど見たように、県として補助金を出している団体です。いや、そもそも県立学校の連合体なんですから、県(教育委員会)として会費の徴収については何も答えない、どんな問題があっても全く知りません、というのはあまりに不誠実ではないでしょうか。
これらの団体の負担金は保護者に払わせるべき筋合いのものではありません。県が公費で賄うべきものです。ある程度受益者負担を持ち込むにしても、例えば大会参加者が一定金額を払うようにすべきであって、なぜ大会に参加もしてない生徒の保護者がその必要を負担する必要があるのでしょうか。
学校ごとの判断で負担金が設定されてるかのように県(教委)が言っていますが、明らかなごまかしです。これだけの規模でどの学校も一律に保護者負担を集めているという問題を直視し、その団体に県が補助金まで出しているのですから、県(教委)としてどう考えるかを正式に回答すべきです。