福岡県知事候補の星野みえ子さんの政策を読むと、「あっ、こんな政策もあるのか」と思うものがいくつかあります。
その一つは、生理用品の無償配布です。
●学生支援を拡充し、生理用品の無償配布も行います
コロナ禍のもとでアルバイトがなくなり、学生生活は困窮に追い込まれました。私も取り組んだボランティアの食糧支援に長蛇の列ができる光景はこれまでみたことがありませんでした。国は学生への支援金を給付し、福岡市も困窮した学生のために独自に支援金を給付しています。県としても独自の学生支援金の給付や食料・生活用品の現物支給を行います。
また、フランスでは政府がコロナ禍の都市封鎖にともない、学生に生理用品を無償提供しており、福岡県でも「生理の貧困」を無くすため実施します。
星野さんの政策発表と同じ日に、日本政府は「生理用品の無料配布」にも使える交付金の拡充を決定しました。
これも率直に言って、私が2018年に市長選挙に出た時は、全く視野になかった政策です。
私は男性なので生理用品が必要になることはありませんが、つれあいや娘に頼まれてよく生理用品を買いに行ったりします。レジで黒い袋に包もうとするので「必要ありません」と答えるのがいつものやりとりなんですが…。(あれ、なんで黒い袋に入れようとするんですかね?)
確かに女性独特の用品ではありますが、まさかその購入に事欠く、ということは考えませんでした。私が買いに行く生理用品(ナプキン)は500円くらいです。「500円が足りないというのは考えにくい」という認識になるんですね。
しかし、例えばコメを私は5kg・1800円くらいで買いますが、家族3人でそれを1ヶ月で消費します。「コメが欲しいという人がいるけど、そんなに大変かな」と一瞬考えてしまいがちですが、「食料」というカテゴリーでまとまると、月の食費が数万円になったりします。そうなると、「食料を購入するためのお金が足りない」という認識は出るだろうなとは思います。
同じように「生活必需品」というカテゴリーでまとまると、生理用品も節約したいと考えるんだろうなと思いました。
こちらで紹介されていたデータでは「5人に1人の学生が『生理用品を買うのに苦労』」という結果が出ていました。
「学生が食料の無料配布に列をなす」 という話と同じで、私が学生だった頃(バブル期ですが…)には考えられない光景です。「必需品が買えない・足りないという事態がすでに広がっていて、コロナ禍で顕在化した」という視点・観点がないとそこへの手立てが出てこないですね。
星野さんと選挙戦を争っている服部さんにそういう認識があるんでしょうかね。ぜひ聞いてみたいところです(だからこそ、星野さんと服部さんで、公開討論をやってほしいと思います)。
共産党の倉林明子参院議員が、3月31日に国会(参院厚生労働委員会)で質問していました。
倉林 国が買い上げて、ハローワークとか福祉事務所とか、学校とか、公共施設とか、広くちゃんと置いて自由に使えるようにと、直接支援の手も打つべきじゃないかと思うんです。これ、どうでしょうかね。
田村厚労相 今委員おっしゃられましたとおり、この生理の貧困という問題、今本当に社会的に問題になっておりますので〔…中略…〕どういうふうな、事実上どういうニーズがあるのか、つまりどういうような形でその生理の貧困という、生理で困っておられるという、貧困の下でなかなか生理用品を買えない女性の方々とどのような形でアクセスできていくのかということも含めて、これはちょっと、厚生労働省はこの中においていろんな形で連携等々のお手伝いをしてくることになろうと思いますので、ちょっと情報蒐集してみたいというふうに思います。同時に、学校に関しては、今もこれ保健室等々でお子さん方に対して生理用品を置いて、生理等々で生理用品がない場合には支給をしてるというようなこともやっておるというふうに我々としては認識いたしておりますので、そういうところもしっかり情報収集しながら、この生理の貧困問題、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
倉林 ぜひ前向きに広げて欲しいと。学校、確かに保健室に置いていて、無料でくれるんだけれども、一枚借りたら二枚返してねというような実態もあるんですよ。だから、学校の中の予算でやっているので、そういうこと、本当に起こっているんです。ぜひそういう実態も踏まえて、ちゅうちょなく無料で使えるというところをつくって欲しいと思いますので、よろしくお願いいたします。
二枚返し! そういうのもあるのか。
「星野知事」になって、学校や公共施設での配布が始まったらいいなと思いました。