24年12月20日付の「しんぶん赤旗」に、毎日新聞の「『赤旗』は絶好調なのに-- 共産党、伸びない理由 異論許さぬ閉鎖性」という報道についてのコメント記事が載りました。
初めて私の除籍を赤旗が報道
この中で「除籍された元職員…を登場させて」と明らかに私が登場します(これがおそらく除籍にかかわって初めて「しんぶん赤旗」で報じられたものになります)。
その上で
掲載記事には重大な事実誤認がある
として
除名の理由は異論を述べたことではなく、自らも承認していた党の綱領や規約に背いて党外から攻撃をしたことにあると述べました。
と書いています。
ここには「除名の理由」、つまり松竹伸幸さんの話だけで、「除籍の理由」、つまり私の話ではないように見えます。しかし、実際に毎日新聞を訪れた党の植木俊雄広報部長がどこまで述べたかその全容はわかりませんので、記事の前後から判断して、私についてもそのように述べたのではないかと推察します。
少なくとも私の問題については「異論を述べた」ことを理由としている動かぬ証拠がありますので、毎日新聞社は以下の二つの事実を共産党幹部に突きつけてほしいと思います。
証拠1:党福岡県委員長の査問における発言
県委員長(党中央幹部会委員でもある)は、23年の4月と5月に行われた私への予備的な調査(査問)に際して、次のように発言しています。
「あなた(神谷は)重大な間違いをしているんだからここは反省すべきだと。自分(神谷)は松竹擁護について間違っていたと、反省して自己批判しなさいと。そうすれば救われる。党に残れる。処分も受けるかもしれないけど、松竹氏みたいに除名とかああいうふうにはなりませんよ」
松竹を擁護したことを自己批判せよ、そうしないと党には残れない、処分も受ける、とはっきり述べているのがわかると思います。
明らかに異論を述べたことを理由に、規約で禁止されている自己批判(=反省の表明)を迫り、できなければ追放をすることを脅しています。「規約違反」とされたブログという形式での公表の話は一言もなく、まっすぐに主張の中身を問題にしているのです。(詳しくはこちら)
これらは私の一方的なメモではなく、客観的な記録があります。必要なら毎日新聞にお示しすることもできます。
証拠2:党福岡県委員長の23年秋の県内での会合の発言
やはり県委員長ですが、23年秋の県内の党員に対する会合で次のように発言しています。
彼(神谷)が(規約違反容疑の)調査を受けている第二の理由は、松竹氏を擁護している(から)。松竹氏の主張というのは綱領と規約に対する異論を述べている。(神谷は)これを擁護している。規約4条では党の綱領と規約を認める人は党員になれるとある。党の綱領と規約に異論を述べる人、党中央の解釈と違う解釈を述べる人は党員であり続けることはできない。根底に関わる問題で松竹氏は問われた。それを擁護したらどうなるか。主張の中身として。主張のやり方じゃなくて。神谷さんの党員としての立場が問われることになるわけだよ。神谷問題というのは、ブログを出して勝手に発表したということに止まらない。綱領と規約をめぐる問題で松竹氏は否定している。それを(神谷は)擁護している。
公式の声明(オモテ)では私がブログを書いたことが問題なのだと述べているわけですが、党内(ウラ)では他の党員に向けて、実は異論を述べたことが処分の対象となる本当の理由なのだという趣旨を述べているのが分かると思います。(詳細はこちら)
やはり私の一方的なメモではなく、客観的な記録があります。こちらについても毎日新聞がご希望なら提示できます。
証拠・根拠に基づいてオモテの理由のウソを暴く批判精神こそジャーナリズムの本質
他にもありますが、これだけお示しするだけでも十分でしょう。
この二つの証拠から言えることは、オモテでは確かに私の追放(除籍)について、
あなたの県委員会総会での発言内容は、批判の対象とはなりますが、私たちはそれを規律違反としているのではありません
と記述していますが、実際には異論を述べたために排除するのだということを示しています。
「裏金のことなんか知りませんでした」とオモテで言っていることのウソを、証拠を示して暴くように、報道機関が、政党の主張を鵜呑みにして、批判的に検討しないなら、それはジャーナリズムではありません。政党の第二広報部です。
毎日新聞社は堂々と党幹部に反論すべきであり、ジャーナリズム精神の根本が問われることになるでしょう。
この機会に、証拠を示して、党幹部が何と言い訳するのか、ぜひ報道してほしいと思います。
その他の問題も突きつけてほしい
「異論を許さぬ閉鎖性」にあると語らせ、これが党の後退の理由であるかのように記述したことを批判。
とありますが、これは選挙直後からの私の主張です。毎日新聞がなにか私を操作したわけではありません。壇上での発言を組織のエラい人が裏で振り付けさせたりするようなやり方と同じにしないでください。
また、
党大会議案に対する党員からの意見・異論については冊子にして毎回の党大会時に作成し公開している事実を指摘しました。
ともありますが、実際には1200字で1回きりです。また、大会など横断的な会議では発言時間は8分程度に限られ、異論が伝播しないような抑制的な仕組みを作っています。(詳細はこちら)*1
「開かれた討論」をしているように見せながら実際には厳しく抑制する仕組みについても毎日新聞は党側に事実を突きつけ、コメントを引き出してほしいと思います。何しろこれまでは私の除籍のあまりにひどい経過を記者会見の場で突きつけられても、田村委員長は「神谷氏の問題はコメントしません」を繰り返していたのですが、今度は私について赤旗で言及した上で、同社まで乗り込んで「改めて党への取材を」とまで「要請」しているんですから!