公設の平和資料館を福岡市にという運動が広がっています。
私は先日福岡大空襲のフィールドワークに参加し、その一つとして、博多区(中呉服町10-14)の正定寺にある焼夷弾の一部(破片)を見せていただきました。
これがその写真です。
私は、焼夷弾と聞けば、『この世界の片隅に』に出てくる棒状のものを思い浮かべていたので、これを見るなり「これが?」と不思議に思いました。
『この世界の片隅に』の弾薬解説4回目は、焼夷弾について。7月1日の呉空襲では、AN-M47A2 100ポンド焼夷爆弾、E46 500ポンド集束焼夷弾(M69焼夷弾38個集束)が投下された。(写真下段のM50は比較参考。呉では使用せず) #この世界の片隅に pic.twitter.com/L4JroKziQa
— たまや (@tamaya8901) 2016年12月4日
住職の説明によれば、これは焼夷弾(子弾)を収納していたその外側の容器だということでした。
福岡大空襲で使われた焼夷弾は「AN-M47A弾頭瞬発信管付焼夷弾」か「M69集束焼夷弾」かだとされています。
上記のツイートの写真の一番上にあるものは「AN-M47A2」とありますから、同じもの、もしくは似たものではないかと考えられます。平塚市博物館のAN-M47A2の説明では
これは直径20cm、長さ1.2m、重量45㎏の爆発性の焼夷弾で、鉄製の弾筒内にガソリンにゴム・灰汁・ココナッツ油を混合したゼリー状の油脂約18㎏を封入し、弾頭に火薬を装填して投下しました。
とあります。正定寺の写真は、これではなさそうに見えます。
では、「M69集束焼夷弾」なのでしょうか。
M69そのものは、上記のツイートの写真に見られるように、まさに棒状のものであり、『この世界の片隅に』で見たタイプの弾です。したがって、M69ではありません。
先ほど紹介したツイートには「E46 500ポンド集束焼夷弾(M69焼夷弾38個集束)」とあるように、M69焼夷弾を収束したものの一種がE46と呼ばれています。
下記では、E46がどのようにばら撒かれるのかを書いています。
住職の説明にはあまり詳細な「ばらける原理」の解説はなかったのですが、このまとめを読むとわかります。また、M69を入れる容器の名前はE23といい、M69をE23に収めた弾全体のことをE46というのだそうです。
ということは、この正定寺にあるのは、このE23の容器なのか、と思ったのですが、E23は縦に長い板の集まりのようなので、こういう正定寺に残されたドラム缶のような形状ではないのではないかと思いました。下記の動画では1分前後のところに組み立てる様子が出てきます。
したがって、正定寺にある焼夷弾の破片というものが、一体焼夷弾のどの種類のどの部分にあたるのか、疑問が解けませんでした。
これから調べていこうと思いますが、何が情報がある方がいれば教えてください。