娘を保育園に通わせていたときの友人で、久留米大学の先生でもある土肥勲嗣さんからメッセージをいただきました。土肥さんには、10月3日の要請集会でも、そして10月14日の事務所びらきでもごあいさついただきました。(見出しは私がつけました)
久留米大学で教員をやっております土肥と申します。
福岡市の開発は成功しているのか
政治学を学び、教えています。福岡市に20年以上住んでいろいろとみておりましたが、市政の特徴を端的にいえば「開発」または「再開発」です。人工島(アイランドシティ)、九大移転、九大跡地開発などなど、高島市政では「天神ビッグバン」、「ウォーターフロントネクスト」「スマートイースト」などカタカナが多いですね。何なんですかね(苦笑)。
いろいろと計画されるのはいいのですが、それぞれその後どうなったのでしょうか。 三日月山に登るたびに眺めるのですが、アイランドシティにはいまだに更地が多いことに驚かされます。30年が経過しましたが、開発は成功したのでしょうか。計画通り進んだのでしょうか。人工島問題は8年前まで市長選挙の争点になり続けました。もう地元紙もすっかり取り上げなくなりました。
九大移転もそうです。半分以上の学生が不満を持っているという調査結果には驚かされました。わたしが知っている関係者で大学移転をよくいったひとを知りません。
九大跡地の行方もずっと見守っていますが、言葉だけがひとり歩きしている状況です。
なぜ開発がうまくいっていないのか
次々と打ち出される福岡市の(再)開発政策がうまくいっていないのはなぜでしょうか。
それはまちづくりの中心に住民、市民が不在だからです。
すなわちそこで暮らす住民や市民の視点が決定的に欠けているからだとわたしは思います。開発が失敗しても市長は責任をとりません。負の遺産は市民と次世代に継承されていくのです。
わたしがかみやさんを推薦する一つ目の理由はここにあります。かみやさんだったら、市民不在の無責任な開発を重視する福岡市政を変えてくれると期待するからです。
保育園の存続運動とかみや貴行さん
わたしがかみやさんを市長に推薦するもうひとつの理由は、かみやさんは草の根民主主義の実践家でもあり理論家でもあるという点です。
かみやさんとはこどもが同じ保育園に通っていた、いわゆる「パパ友」であり、保育園の存続をめぐって一緒に活動した「戦友」でもあります。
5年ほど前、箱崎の九大キャンパス内にあった保育園が、大学移転に伴い存続の危機に直面しました。みんなが寝耳に水でした。みんなが当惑しました。福岡市や九大に問い合わせてもまったく相手にしてくれません。わたしたちは、福岡市、福岡市議会、区役所、九大、自治協議会に保育園が存続できるように働きかけ、3529名分の署名を提出しました。市議会にも請願をしました。
結局、保育園は存続できることになりましたが、この保育園の存続活動の中心となって活躍したのがかみやさんです。かみやさんの活躍がなければ、保育園は存続できなかったかもしれません。
かみやさんは、トップダウン型のリーダーではなく、いろいろな人々、いろいろな組織の間を取り持つ調整型のリーダーとして活躍されました。
町内会の実践――草の根民主主義の実践モデル
またかみやさんは町内会会長の体験について本を書かれています。
『町内会は義務ですか?~コミュニティーと自由の実践~』『どこまでやるのか、町内会』。この二冊は地方自治を専門に学んでいるものからみても新しい実践と理論を提起している画期的な本です。
わたしも町内会の体育協会の委員や理事を6年間ほどやりました。少子高齢化でなり手がいない。だれもやりたがらないのが実情です。
かみやさんの本は単なるルポルタージュではなく、全国の事例や学術的な文献を参照したかたちで提起されている点が特色です。かみやさんは、町内会という地方自治のもっとも身近な現場から、新しい時代の草の根民主主義の実践とモデルを提唱されています。
福岡市はとても便利で、九州の東京といわれています。
しかし、どれだけの市民が福岡市民としての自覚と誇りをもって生き生きと生活できているのでしょうか。市民と一口にいっても多様な市民が福岡市には暮らしています。こどもから学生、労働者からお年寄りまで、男性も女性も性的マイノリティの方も、障がい者も、そして日本国籍をもっていない外国人もたくさん暮らしています。
かみやさんだったら多様な市民、多様な組織の間にたって、誰もが暮らしやすい福岡市をつくるために活躍してくれるとわたしは確信しています。