私が市長選挙で公約し、主に街頭で訴えていた3つの大きなテーマがあります。
一つは、ロープウエー計画の中止。これは実現しました。
二つ目は、高齢者乗車券の存続。これも実現しました。
そして三つ目は、消費税の10%への増税中止でした。残念ながらこれだけは実現していません。そして、10%となってしまいました。
もちろん、私はあきらめるつもりはありません。市長選で掲げた公約は、あくまで追求していくつもりでいます。
では、この時点でどういう運動を始めていくべきなのでしょうか。
私が所属している日本共産党は、次のような呼びかけを行いました。
共産党の呼びかけのロジック
この呼びかけは、どういうロジックで成り立っているのか、注意深く読んでみましょう。
まず、そもそもに立ち返り、消費税という悪税を廃止する旗を改めて高く掲げています。
その上で、
同時に、消費税廃止を目標としつつ、次の緊急の要求を掲げて、国民の共同のたたかいを発展させることを呼びかけるものです。
とつなげています。それは消費税を5%に減税することを「国民の共同のたたかい」、つまり共闘の目標にしていくというわけです。
- 党としては、廃止を展望する。
- しかし、当面の市民と野党の共闘では5%減税を目標にするよう努力する。
という整理でしょうか。
そして、さらに次のような書き方がしてあります。
野党は、共通政策で「消費税10%への引き上げ中止」を公約にして参議院選挙をたたかいました。安倍政権が10%への増税を強行したもとで、野党が減税に向けた共闘を発展させることは、国民に対する当然の責任だと考えます。
日本共産党は、共通政策を土台に、消費税減税に向けた野党の協議を開始し、共闘をさらに発展させることを心から呼びかけます。日本共産党としては、「5%への減税」が野党の共通政策となるように、力をつくします。
「共通政策を土台に」というのは「消費税の10%増税中止」が「共通政策」なのですから、10%になった今、つまり「10%への増税を強行したもとで」、共産党は将来的な廃止の一里塚として、当面の共闘目標を「5%減税」にするために努力する……ということなのですが、同時に、「共通政策を土台にした消費税減税に向けた協議」のゴールがどうなるかは当然書いていません。
10%が仮に8%へ戻すという減税に落ち着くこと(もっと言えば9%減税になる可能性)もありうるということでしょうか。何れにせよ、「10%から引き下げる協議」を開始するということなのでしょう。
新たな財源論――決着する目標税率にどれにでも対応
そして、目標とする減税の税率がどういうふう決着しようとも対応できるように、参院選の時とは違った財源を示しています。
例えば、
- 法人税の税率を安倍内閣以前の水準に戻す(中小企業は除く)こと
- 軍事費や大型開発をはじめ予算を見直し、無駄を削減すれば、3兆円程度の財源を国民の暮らし優先に振り向けることが可能
- 為替取引税、富裕税、炭素税(環境税)を創設
違いを超えて共同できる整合的な道
廃止の旗を掲げる「れいわ」や、消費税増税合意をかつて行ってしまった旧民主党系の人たちを含めた野党が、その違いを超えて、整合的に共同していける当面の道としては、なかなか説得力があると考えます。この方向で新しいたたかいを始めることに大いに賛成します。
おまけ:MMT論などへの批判
そして、この共産党の呼びかけには、
なお日本共産党は、赤字国債の乱発と日本銀行による直接引き受けなど、野放図な借金を消費税減税などの財源にすることには賛同できません。
が書かれました。つまり、MMT論などと一線を画することを明記しているのです。
ちなみに、私も賛同している「薔薇マークキャンペーン」は、
(4.)の増税が実現するまでの間、(2.)の支出のために、国債を発行してなるべく低コストで資金調達することと矛盾する政策方針を掲げない。
という公約の遵守を求めています。
ただ、これはMMTそのものでもないし、最初から「野放図に国債発行」をすることを求めるわけではないので、矛盾しないと考えます。