福岡市の博多港を自衛隊の平時の訓練に活用することをどう見るか

 福岡市の博多港を、自衛隊の平時に訓練のために活用する「特定利用港湾の指定」問題。

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“軍事目的ではなく災害対応”とくり返す福岡市

 この問題で3月末に共産党福岡市議団が申し入れをした際に、福岡市の港湾空港局長は“軍事目的ではなく災害対応”という趣旨をくり返しました。そしてこの背景には台湾有事が念頭にあることを指摘した申し入れ文書に対して、局長はそれをわざわざあげつらって嗤っていたのが印象的でした。

 「軍事目的ではなく災害対応」「これまでとなんら変わらない」というのは、高島宗一郎市長の強調の仕方と同じです。4月8日の市長の定例会見ではどう述べているでしょうか。

https://www.city.fukuoka.lg.jp/shisei/mayor/interviews/20240408sichoteireikaiken.html

記者
 博多港が特定利用港湾に指定されたという、もう少し広く、自衛隊の利用も今後想定される中でいうと、その辺はどう受け止められていますか。

市長
 そうですね。博多港としては、実はこれまでと運用は全く変わらないと聞いています。要するに、特に期待されるのは災害時等の物資の支援だとかですね、こういったものが普段からの連携によってスムーズにいくようにということですが、基本的にこれまでも自衛隊だとか海上保安庁について、民間利用に問題がない、支障がない場合については、これまでも入港していますし、これまでと博多港に関して変化がないと伺っています。

記者
 緊急時の国民保護と平時の利用を見込んでいるみたいなふうに、ちょっと私も報道ベースでしか分からないんですけど、そんなふうに聞いていて、その中で具体的にどういうのが緊急時の国民保護とか、平時の利用に当たって、そういう場合に、どういう利用をするかというような説明は受けてらっしゃいますか。

市長
 基本的に災害というところが一番大きいと思っています。例えば有事というのは、例えば戦争とかですね、戦闘とか、そういったものについては、枠組みが全く違う法律の範ちゅうになりますので、今回については、平時に民間の運航に妨げがない範囲内で、これまでと変わらない運用と国交省からは説明を受けています。

 

福岡市のごまかし(1) 「軍事でなく災害対応」?

 まず、ここでの単純なごまかし・すり替えについて述べておきます。

 第一に、「今回の指定は災害であって軍事(防衛)ではない」という福岡市の言い分ですが、そもそも「特定利用港湾の指定」という事業は「総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備」だと政府は述べており、名称一発で、市の言い分が何かをごまかしていることがわかります。

 内閣官房の公式サイトもQ&Aを載せてこの事業の目的を

  我が国は、戦後最も厳しい安全保障環境の下に置かれています。この取組は、このような安全保障環境を踏まえた対応を実効的に行うため
・平素から、必要に応じて自衛隊海上保安庁が民間の空港・港湾を円滑に利用できるよう、インフラ管理者(地方共団体等)との間で「円滑な利用に関する枠組み」を設け、これらを「特定利用空港・港湾」とし
・その上で、それらの空港・港湾について、あくまで民生利用を主としつつも、自衛隊海上保安庁の航空機・船舶の円滑な利用にも資するよう、必要な整備や既存事業の促進を図る
という取組です。

と示しています。軍事=「防衛」や「安全保障」目的が主眼であって、「災害対応目的」「災害対応限定」というごまかし(印象操作)は全く通用しません。

 

福岡市のごまかし(2) 「有事の話ではない」?

 第二に、「戦争・有事の話ではない」という髙島市長らの言い分です。

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 たしかに今回の「特定利用港湾の指定」によって博多港を使うことそれ自体は、有事の枠組みではありません。有事(戦時)に自衛隊などが空港・港湾を優先的に使用する仕組みは、有事法制の一つ、「特定公共施設利用法」(2004年)ですでに定められています。それは髙島市長のいう通りです。

 しかし、有事になってすぐにスムーズに使えるわけではありません。そこで平時にも訓練で使うようにしたい、という思惑があったのです。先ほど紹介した政府のQ&Aでも

平素から、必要に応じて自衛隊海上保安庁が民間の空港・港湾を円滑に利用できるよう、インフラ管理者(地方共団体等)との間で「円滑な利用に関する枠組み」を設け、これらを「特定利用空港・港湾」とし

とあるのはこういう理由です。

 つまり、「有事でスムーズに使えるように、平時からの訓練を博多港でさせてください」というのが、今回の指定です。なるほど直接は有事(戦時)の枠組みではないけども、有事のために平時から備えさせてね、ということです。

 だからさっき紹介した、政府(内閣官房)の公式サイトの冒頭にも、安保3文書の一つである「国家安全保障戦略」を引用して

 令和4年12月に策定された国家安全保障戦略において、「総合的な防衛体制の強化の一環として、自衛隊海上保安庁による国民保護への対応、平素の訓練、有事の際の展開等を目的とした円滑な利用・配備のため自衛隊海上保安庁のニーズに基づき、空港・港湾等の公共インフラの整備や機能を強化する政府横断的な仕組みを創設する」こととしており、関係者で連携して取組を進めていきます。

というふうに「平素」と「有事」が両方とも書いてあるのです。

 髙島市長は「指定は(直接には)有事のためではありません(有事のために平時から訓練するのです)」と言っていて、カッコ部分を黙っている・すり替えているのがわかると思います。一種のご飯論法ですね。

 しかも、直接には「有事」じゃないとはいえ、「有事が近い」と判断されるときの枠組みとしても今回の指定が活用されることが、すでに他の自治体が政府とのやりとりで明らかにしています。高知県のQ&Aをみてください。

https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/2024032200083/file_contents/file_202441111539_1.pdf

Q3 武力攻撃事態のような有事ではなくても、国際情勢が緊迫し有事の一歩手前のような状況になった場合はどうですか?

(答)
国際情勢が緊迫した場合のほか、大規模災害が発生したりして自衛隊艦船が緊急に物資輸送や部隊の展開などの任務に当たる場合があり得ます。
○ こうした場合、「特定利用港湾」に指定されている港湾は、自衛隊艦船による柔軟かつ迅速な利用が図られるよう努めることが求められます。

 

福岡市のごまかし(3) 「自衛隊の優先利用はない」?

 第三に、「自衛隊が優先利用することはない。これまでと運用は何も変わらない」という福岡市の言い分についてですが、国会質問でこの言い分はすでに厳しく追及されています。

 これは共産党福岡市議団の申し入れにまとめてありますので、まずそれを引用しましょう。

また、福岡市は国と一体になって「自衛隊の港湾の優先利用をするためのものではない」と言い訳していますが、それはごまかしです。本市との確認文書において防衛省は「緊急性が高い場合」に自衛隊などが「柔軟かつ迅速に施設を利用できるよう努める」と回答しました。国会の質問(3月26日参院外交防衛委員会)で「緊急性が高い場合」とは具体的にどういう場合かと問われ、防衛省は「緊急性の判断については関係省庁と管理者が連携して行う」と述べました。しかし、「緊急性」は管理者(自治体)には判断できません。実際に福岡市は、わざわざこうした判断を「国の専掌事項」だとして、自主的な判断を放棄する“約束”まで国と取り交わしています。なし崩しに自衛隊が優先利用できるようになってしまうことは明らかです。

 つまり「緊急だ」と国に言われたら、自治体は緊急かどうか判断できないので、「うん」と言うしかなく、なし崩しに優先利用できてしまうじゃないかということです。

 さっき紹介した高知県のQ&Aにも国の言い分として「自衛隊艦船による柔軟かつ迅速な利用が図られるよう努める」という言い回しが出てきましたよね。

 これは福岡市と国が交わした確認事項の中にも出てくる表現です。

  「緊急性が高い場合」について確かに「武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態は除く」って書いてありますが、先ほども述べたように、「 武力攻撃事態のような有事ではなくても、国際情勢が緊迫し有事の一歩手前のような状況になった場合」「国際情勢が緊迫した場合」は「自衛隊艦船による柔軟かつ迅速な利用が図られるよう努めることが求められます」ってはっきり書いちゃってあるんですよね。*1

 そして、福岡市は、有事=戦争の性格がどんなものか、それに加担・協力していいかどうかは「国の専掌事項」だと言って、判断を放棄する確認をしています。

 政府や自衛隊が「緊急性が高い!」と大声で言えば、そのことについて福岡市としてはとやかく言いませんよ、どうぞお使いください、と一札入れているわけです。

 そして、この元になった国会質問は、共産党の山添拓議員の質問ですね。

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米軍が使う可能性については全く視野の外だった福岡市

 共産党市議団の申し入れでは取り上げられていなかった論点として、米軍が港湾を使うのではないかという懸念があります。

 政府のQ&Aでは

Q10:「特定利用空港・港湾」となることで、米軍も利用することになりますか? 少なくとも米軍が利用する可能性が高まる可能性があるのではないですか?

A10: この枠組みは、あくまで関係省庁とインフラ管理者との間で設けられるものであり、米軍が本枠組みに参加することはありません。

となっていて否定しています。

 しかし、西日本新聞(2日付)では次のように指摘しています。

 米軍の利用を懸念する声に対し、Q&Aは「米軍が本枠組みに参加することはありません」と明記。長崎県の担当者も「政府からは米軍が使うことはないと説明された。問題ない」と話す。

 しかし、米軍は日米地位協定第5条に基づき民間の空港や港湾を利用できる。水深を深くして岸壁を整備し、護衛艦輸送艦が使用できるようになれば、米軍にとっても「使える港」になる。政府関係者は「日米地位協定を持ち出されれば拒否できない」と明かす。

 博多港を管理する福岡市も長崎県同様、民生利用に大きな影響はないと判断した。日米地位協定による利用の可能性について市の担当者は「そういう話は初めて聞いた」と驚く。自治体に説明したのか——。政府担当者は「そのような質問はなかった」と答える。

日米地位協定 第5条

1 合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によつて、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる。

 福岡市は、今回の指定を受けて米軍の港湾使用が行われる可能性について全く検討していなかったことがわかります。

 

日本有事=日本が攻められた時ではなく「台湾有事」が念頭におかれている

 冒頭にも書きましたが、福岡市の港湾空港局長が共産党市議団の申し入れに対して、「(今回の指定の背景には)台湾有事が念頭にあるとか、具体的に書いちゃうとは思ってもみませんでしたなあ」と嗤いました。

 これは「少なくとも博多港での自衛隊がやる訓練では対中国や北朝鮮、あるいは台湾有事などをイメージしているわけじゃないですよ」ということなのでしょう。

 政府のQ&Aでも

A2: この取組は、特定の国や地域への対応を念頭に置いたものではありません。

A3:  この取組は、平素における空港・港湾の利用を対象としたもので、武力攻撃事態のような有事の利用を対象とするものではありません。

と書いてあります。公式の表現だけに限れば局長の言い分には多少の理はあるでしょう。

 軍事上の「仮想敵」のようなものをこの時点で政府が公式に表現はしないでしょう。

 しかし、それを額面通りに受け取るわけにはいきません。

 タテマエではなく、リアルなところ、実際には何が想定されているのかを暴くのが議員・議会の役割です。

 共産党市議団の申し入れに書いてありますが、今米軍は中国との戦争、とりわけ台湾有事を念頭において軍事体制を組み、統合防空ミサイル防衛(IAMD)を進めています。自衛隊をこの中に実質的に組み込もうとする動きが急です。

 そのカナメが自衛隊・米軍の指揮統制の枠組み強化であり、そのための自衛隊側の対応が陸海空の自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦本部」の創設、米軍側の対応が在日米軍司令部の機能強化(陸海空3軍と海兵隊を統括し、行政的任務だけでなく作戦指揮権を持たせる)です。中国との戦争で「すぐに動けるようにするための仕掛け」、というわけです。

 共産党赤嶺政賢議員の質問記事に注目しました。

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 赤嶺氏は、エマニュエル米駐日大使が、日米の指揮統制連携強化は台湾有事を念頭にしたものだと発言していると指摘。台湾有事を想定した日米共同作戦計画の原案が策定されたと報じられていることを挙げ、統合作戦司令部を創設し、米軍との間で、現実に即したより詳細な共同計画をつくるのではないかと追及しました。

 赤嶺氏は、自衛隊台湾有事で「米国の要請に応じて必要な行動をとらざるを得ないことは明白だ」とする森本敏元防衛相の指摘を紹介。「米軍の指揮下に組み込まれ、日本を台湾有事の矢面に立たせることは絶対に許されない」と批判しました。

 この統合・強化が台湾有事を念頭にしたものであることは、上記の通り、台湾有事を想定した日米共同作戦の原案がつくられたことからもわかります。

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演習はコンピューターを使用するシミュレーションで、シナリオの柱は台湾有事。防衛省特定秘密保護法に基づき、シナリオを特定秘密に指定したもようだ。

日米間には有事を想定した共同作戦計画が複数存在する。このうち、台湾有事に関する作戦計画の原案は昨年末に完成した。

 12日付の西日本新聞で磯部晃一・元陸上自衛隊東部方面総監が、「司令部強化 有事即応へ意義」と題して“自衛隊の統合作戦司令部の米軍の相手(カウンターパート)=インド太平洋軍司令部はハワイにいる。遠いし、時差もあって有事の際に不便極まりない。ミサイルへの対応などを考えると全然間尺に合わない。磯部は東日本大震災のときに米軍の「トモダチ作戦」の調整に関わったが来日は発災後10日経ってからだった。指揮権を持つ将官が日本にいれば直ちに即応態勢が取れる”という趣旨のことをコメントしています。

日本の戦略的位置付けが変わってきた。かつては朝鮮半島有事の際の後方拠点と考えられていたが、ミサイル飛来や南西諸島の戦域化という潜在的脅威にさらされ、もはや後方のみならず、第一線になってきたとの認識が日米の間で共有されている。

司令部が強化され、自衛隊との連携が緊密になれば、日本が標的となる可能性が高まるとの指摘がある。だが、日米首脳はリスクより、攻撃を抑止する効果が大きいと判断したのではないか。

 日米首脳会談で米軍と自衛隊の「指揮統制機能の連携強化」を合意し、「作戦及び能力のシームレスな統合を可能にし、平時及び有事における自衛隊と米軍との間の相互運用性及び計画策定の強化を可能にするため」(共同声明)だとうたわれました。

 平時からのシームレスな日米の統合——これが台湾有事への即応のための備えです。「平時から有事まで」「シームレスな統合」がキーワードです。

 つまり、台湾有事を念頭としたアメリカと中国との戦争に、日本は否応なく動員されていく危険が強いのです。日本、特に南西諸島や九州・沖縄はその「第一線」になります。そのような中での、「総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備」であり「特定利用港湾の指定」であり、そこで行われる自衛隊の平時の訓練はまさに台湾有事の「第一線」としての九州での訓練なのだと言えます

 しかも米軍が想定する「有事」には国連憲章違反の先制攻撃までが含まれています。そんな国際法違反の戦争に動員され、市民が標的として巻き込まれる危険があるというのに、平時の訓練拠点として博多港を差し出していいのでしょうか。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2024-03-28/2024032804_02_0.html

山添氏は、政府の広報資料が空港などの利用例として自衛隊による国民保護の訓練を挙げているものの、元陸上総隊司令官は参院予算委の公聴会で「自衛隊の艦艇に住民を乗せて国民保護をやると国際法規上攻撃の対象になる」と公述していると指摘。

 

日本有事でもなく災害対応でもないことを考えるべきだ

 ここで「もし私が市長だったら」という形で問題を整理してみましょう。

 私=神谷は、2018年に市長選に立候補した時次のような公約をしました。

災害派遣や急迫不正の主権侵害への対応では自衛隊にも積極的に協力を求めます。海外派兵や違法な先制攻撃などへの市の軍事協力は許さず、そのような形での福岡空港博多港の軍事使用に反対します。

 突然何の理由もなく、日本が攻撃されたり、侵攻されたりしたとしたら、その時は(武力を使わない方策を極力追求しますけど)自衛隊にも積極的に働いてもらうべきだと考えます。当然市長になった時は自衛隊を合憲的存在として扱うつもりでいました。

 その時に、国民保護の取り組みを自衛隊が行うことにも市は積極的に協力すべきでしょう。

 だから私は「博多港を一般的に軍事で利用するな」ということを言いたいのではありません(もちろん自衛戦争も含めて一切の戦争に反対する、そういう立場からの平和運動があることは理解できます)。

 しかし、今直面しているリアリティのある危機というのはそういう形ではありません。

 中国が先に手を出すか、アメリカが先に何かを仕掛けるか別としても、米中が台湾をめぐって始める戦争・紛争において、自衛隊がそれに動員されるというものです。

 それは日本が攻められるとかいった、純粋な「日本有事」ではありません。

 台湾をめぐる紛争に、日本として軍事の点で首を突っ込みにいくということになります。さらに、米軍が先制攻撃=国際法違反という形もあり得るわけです。

 そのようなシナリオで日米(そして中台)が動いている時に、ナイーブに「軍事目的じゃありませんよね! 災害対応ですよね! じゃあ港湾を平時の訓練にお使いください!」と差し出していいのかという話です。

 少なくとも、そのような懸念がないかを日本政府に問いただすのが市長の役割ではないでしょうか? そして不明点があったり、懸念が解消されないなら、指定を見送ることをすべきではないでしょうか?

 見送った自治体も結構あります。

www.yomiuri.co.jp

ただ、全12施設が候補となった沖縄県は「米軍の利用などについて不明瞭な点があり、確認作業を続けている」(港湾課)として、県が管理する施設について合意しなかった。…8施設が対象の鹿児島県や、3施設が候補となった熊本県も、政府に要望した地元住民らへの直接の説明がなかったことなどを理由に受け入れを見送った。熊本県危機管理防災課は「防衛力の強化を掲げる以上、身近な空港や港が攻撃を受ける危険性を不安視する県民は少なくない。丁寧な説明がなければ判断できない」とし、態度を保留している。

 しかし福岡市にはそういう視点は全くないようです。市長も局長も「災害対応です! 軍事目的じゃありません!」「いつもと変わりません!」と宣伝するのに躍起ですし、米軍が地位協定に基づいて米軍が使用する可能性についても「そういう話は初めて聞いた」てな状況ですから。

 そして先ほど画像で紹介したように、わざわざ「国全体の安全保障政策及び防衛政策は国の専掌事項」だという確認までしてしまっています。

 「緊急だから自衛隊の訓練に使わせてください」と言われた時に「今緊張が高まっているのは日本有事とは関係ありませんよね?」とか「米軍が違法な戦争を仕掛けて起きている事態で、危険になっているんですよね?」とか、そういうことは口出ししないと、自治体の方からお約束してしまっているのです。平時でも「今やっている国の方向は台湾有事を念頭にする方向です。これではお貸しできません」と言えないわけです。国が判断すればいいと思っているわけですから。というか、市民や野党がそうやって福岡市を追及できないように、福岡市の方から国寄りの立場でその動きを封じてしまおうとしているのです。

 

*1:ちなみに「武力攻撃予測事態」は「武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」つまり武力攻撃されそうだなという蓋然性が相当高い場合です。それを除外して「緊迫」した場合というのは、一般的に台湾での緊張が高まっているとかそういう場合だと言えるでしょう。その定義はないのですから、国が「緊急性が高い」と言えば自治体は抗弁するすべはなかなかないのです。