松尾匡さん(立命館大学経済学部教授、『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』の著者)からの私の政策へのコメント

 松尾匡さんから私の政策へのコメントをいただきました。

 松尾さんは、立命館大学経済学部教授(理論経済学)です。福岡県にある久留米大学の教授もされたことがあります。ブレイディみかこさん、北田暁大さんとの共著『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』(亜紀書房)で有名な経済学者です(私も熱心に読ませていただきました)。

 松尾さんは、左派の経済政策についてしばしば意見(辛口なものも含む)を述べ、逆にアベノミクスのうち金融緩和について「一定の評価はしなければならない」とはっきりおっしゃっている方で、政策的にオリジナルでユニークなスタンスの方です。

 その方から、私の政策について客観的な視点でのコメントをいただけることは大変光栄なことだと思っています。以下全文を紹介します。(見出しは私がつけました)

 

f:id:kamiyakenkyujo:20181110073753j:plain

 

 統一地方選挙の半年前のこの時期に福岡市長選挙があり、かみや貴行さんが立候補してくれたことは、全国にとってとてもラッキーなことだったと思います。

反緊縮の世界的・全国的な新しい流れ

 アメリ中間選挙ではサンダースさんやオカシオコルテスさんが圧勝しました。沖縄では玉城デニーさんが圧勝しました。京都府知事選挙では、国政政党としては共産党だけが推薦する候補が予想を裏切る健闘で相乗り候補に迫りました。共通しているのはみんな、庶民の暮らしを豊かにする前向きの経済政策を強く打ち出していることです。


 長年の新自由主義と経済停滞で疲弊して、憤る庶民にとって、それこそが最も望むことだったわけです。なのに、バブル崩壊後これまでのリベラル派や左派の清貧を説くようなイメージでは、安倍さんやトランプさんにお株を奪われるだけでした。それに気づいて、もっと庶民のためにおカネをたくさん使って、草の根から経済を盛り上げる「反緊縮」の政治を目指したい——そう志す人たちが、今、全国各地で現れ始めている。私にはそう感じられます。

 

かみやさんの公約はその格好のお手本だ

 ラッキーと言ったのは、その人たちにとって、かみやさんの公約は、格好のお手本になると思うわけです。地元の庶民の抱える暮らしの問題を具体的に掘り起こし、堅実な政策を積み上げて、働く人々や中小企業の懐を温めて経済を底上げさせることを目指しています。対する現職市長の経済政策が、巨費を費やしながら地元経済を潤すことなく、99%のための支出をケチってごく一部の人だけをもうけさせるものだということを批判して、そんなものにまわすカネがあれば、庶民のための公約は実現できることを、数字をあげて示しています。


 全国の立候補予定者は、ぜひこの公約を検討し、採用できるものはどんどん取り入れたらいいと思います。何より、地元の様々な問題や制度に、具体的な数字をともなって精通する姿勢こそ、学ぶべきことだと思います。

 

防災問題をもっと強調を

 ひとつ、これを強調したらもっといけると思うことは、今、天災が相次いでいて防災関連にはみんな敏感になっているはずなので、そこを突くことです。海岸べりの開発は災害に脆弱でしょうし、なによりロープウェイはその点弱すぎです。どこか実際に営業しているところに問い合わせれば、風速何メートルで止めるのか、去年、今年は何日止まったかがわかると思います。九大跡地の問題も含め、現職市長が防災に消極的との印象を宣伝できればいいと思います。それに対して、かみや公約のブロック塀撤去補助で地元経済を活性化する防災政策アイデアは感心しました。全国に広まれるべきだと思います。

 

架空討論は面白すぎる

 あと、かみやさんのブログで、現職市長側の政策を検討している「架空討論」はおもしろすぎます。市長も逃げてないで、本当に実現すればいいのに。