不滅であるという確信を持てるのか

 2026年総選挙についての共産党常任幹部会の声明が出ました。

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 私として、総選挙総括、その中で「共産党がなぜ後退したか」をどう考えどうすべきかの基本点はもう明らかにしています。

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 ここでは、共産党員のみなさんが、支部で議論する際に、幹部側のロジックがおかしいことをどうやってただしていくか、そのポイントを2点だけを記しておきます。

 

常幹声明は共産党後退の原因を高市旋風のせいにしている

 常任幹部会声明では「なぜ日本共産党が、重大な後退をきっしたか」と問いを立てています。

その総括については、党内外の方々の声によく耳を傾け、学びながら、あらゆる面で自己検討を深め、次の中央委員会総会で明らかにするようにします。

と述べていますが、党幹部なりに立てている仮説が後に続いています。

高市旋風」がつくられ、多くの政党が高市政権に迎合・屈服する状況がつくられたことは、高市政権と正面からたたかうわが党にとっては、大きな逆風として作用しました。それは高市強権政治に立ち向かうわが党のかけがえのない役割が、多くの有権者に伝わるならば、わが党の前進・躍進の契機にもしうるものでしたが、逆風を押し返すには党の力があまりにも足らなかったというのが、私たちの強い実感です。

 常幹声明には「高市旋風」を選挙情勢の基本点に据えています。

高市首相は、内閣支持率の高さだけを頼りに、「高市早苗でいいのかを国民が決める選挙」という一点で総選挙を押し切るという作戦をとり、急速に「高市旋風」が吹き荒れるという状況がつくられました。

疑問1:「つむじ風は吹いていない」と選挙対策本部は声明したはずでは?

 問題の第一は、選挙が公示された1月27日に共産党の総選挙対策本部の声明では「わが党の頑張りいかんで勝利をつかみ得るチャンスが間違いなく生まれています」と述べて、そのチャンスの条件を2つ挙げていました。その一つが「風」が吹いていないと評価したことです。

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 もう一つは、今度の選挙では、真の争点を覆い隠す“つむじ風”が吹いていないことです。

 一昨年の総選挙では国民民主党が「手取りを増やす」と打ち出し、昨年の参院選では参政党が外国人問題を唱え、それぞれ選挙の本当の争点を見えなくさせる「突風」となりました。しかし今度の総選挙では、今のところ真の争点を覆い隠す“つむじ風”は吹いていません党首討論会でも、物価高や消費税減税、トランプ政権の無法、外交・安保問題などが正面から争点として問われ、いわばわが党の土俵で論戦が展開されています。消費税減税をめぐっては、財源問題が焦点になり、党の先駆性が際立っています。政治論戦上は、わが党にとって本当にたたかいやすい選挙であり、有権者に党の主張を届けやすい選挙になっています。

 ちなみに、「つむじ風」は「小規模な回転する風の渦巻」のことで漢字表記をすると「旋風」です。

 参院選後の中央委員会総会決定では「突風」と表現していたものを、総選挙になって総選挙対策本部の声明でわざわざ「つむじ風」=「旋風」と表記し直して、それが起きていないことを否定していたのです。

 ところが、選挙が終わって惨敗した途端に、“高市旋風のせいで共産党が重大な後退をした”と言い始めました。

  1. 矛盾したことを言っている。
  2. 途中から吹き始めた。
  3. 選挙対策本部の声明は間違っていた。

のどれかしかないはずです。

 もしも「重大な後退」をさせるほどの情勢が存在していたのに、総選挙対策本部の声明でわざわざそれを否定したというのは、明らか、かつ重大な情勢判断のミスです。

 …と言いたいところですが、「重大な情勢判断のミス」などあろうはずがない、というのが私の実感です。なぜなら共産党議席が後退したのは、「高市旋風のせい」などではないからです。

 

疑問2:「高市旋風が吹くと共産党が後退する」?

 第二の問題は、では、仮に「高市旋風」が吹いていたとして、なぜ共産党が後退するのでしょうか。高市旋風を厳しく批判した共産党になぜ高市批判票は集まらなかったのか、という謎が存在します。

 高市政権の支持率は高く出る読売でも7割でした(1月25日付)。

 とすれば3割の批判票が存在したことになります。

 「多くの政党が高市政権に迎合・屈服」(常幹声明)したというのなら、批判票を集めるチャンスです。批判票のうちの一部だけでも共産党にくれば、共産党は少なくともこれほどの後退を喫することはなかったはずです。

 ましてや、中道が「補完勢力」となり自民党政治の「軍門に降った」はずなら、高市旋風は逆風ではなく、高市旋風が吹けば吹くほど、帆に風を受けた船のように、共産党に批判票が集まることになるはずです。

 常幹声明では、「逆風を押し返すには党の力があまりにも足らなかった」と言っていますが、高市旋風は「逆風」ではなかったはずであり、共産党の総選挙対策本部の認識においても「チャンス」だったはずではないでしょうか。

 「いや、高市に逆らうものは全て吹き飛ばされたのだ」とでもいうのでしょうか。

 なるほど党幹部が自民党の補完勢力や排外主義勢力と認定した国民民主党(+1)・参政党(+13)・維新(+2)は議席を増やし、自民党政治を「追認」と批判したチームみらいも議席を増やし(+11)ました。しかし他方で、新たに「補完勢力」「軍門に降った」という認定をした中道は大敗し(-123)、やはり排外主義勢力と認定されている保守党は消滅しました(-2)。高市旋風の影響が他の党にどのように影響を与えるかが、全くチグハグなことがわかります。すなわち個別の党の事情によって、全く問題が異なることを浮き彫りにしています。

 このように「高市旋風が吹くと共産党が後退する」というロジカルな説明が常幹声明にはどこにもないのです。「風が吹くと桶屋が儲かる」レベルの「ロジック」だと言われても仕方がないでしょう。

常幹声明を一刻も早く乗り越えよう

 以上の2つの指摘を見ても分かるとおり、私は、この2つの疑問を埋めるロジックをまじめに常幹に求めているわけではありません。声明の細かい矛盾を突いているのではないのです。

 一言で言えば、こんな穴だらけの声明などで満足するわけにはいかないということです。多くの党員に言いたいことは、こんな声明は乗り越えて、ちゃんとしたデータに基づいた議論を始めてほしいということなのです。

 幸い、声明自身が

その総括については、党内外の方々の声によく耳を傾け、学びながらあらゆる面で自己検討を深め、次の中央委員会総会で明らかにするようにします。

と述べているのですから、このような杜撰な声明など、どれほど厳しく批判して乗り越えていこうとも、問題ないはずです。かような「総括」に付いていってもその先には何もありません。断崖があるだけです。

 間違った戦争に最も厳しく反対した日本共産党が結果的に最も強い愛国者であったように、今の党幹部の間違いを最も厳しく指摘することこそが、最も強い愛党精神だと言えるでしょう。

 

すり替えに気をつけよう

 総括議論をする際に「すり替え」に気をつけましょう。

 前の記事でも言いましたが、「高市政権の反動的な政治に反対するたたかいに、前を向いて立ち上がる」ことと、「共産党の後退の原因を分析する」ことは、全く別の問題です。

 支部会議では、往々にして「共産党の後退の原因を分析する」議論だけをしていると「後ろ向きの議論」とみなし、「高市政権の反動的な政治に反対する声がどんどん起きているぞ! 共産党に期待する声も出ている! 後ろ向き・内向きの議論などしている場合ではない! 前を向いて立ち上がろう!」と一部の人がアジって、「共産党の後退の原因を分析する」議論そのものを否定することがあります。

 しかし、それは重大なすり替えです。両者は別の問題です。

 

 また、上記の通り、なぜ高市旋風が吹いた(あるいは吹かなかった)のかという問題と、共産党がなぜ壊滅的な後退をしたか・連続後退をしているのか、という問題も別の問題です。それはすでに書いた通りです。高市旋風が吹いたからだ、と言われたら「それならなぜ最も厳しい批判者である共産党が大きくならないのか?」と問いかけてください。

 

 さらに、常幹声明は「強く大きな党をつくる」ことが「総選挙の最大の教訓」としていますが、それが「最大の教訓」であるかどうかは何も自明ではありません。

 党員が増えた地区・支部、読者が増えた地区・支部と減った地区・支部の、それぞれの得票の増減を、一部ではなく全て相関グラフにして、示させるべきです。データを見ていませんが、断言できます。おそらく何の相関も示されないでしょう。示されるというのなら、ぜひ示してほしいものです。

 今の党幹部のやり方で「強く大きな党」は長期にわたって作れませんでした。なのに、次の統一地方選挙(2027年)までに作れるのでしょうか。その道筋は何も示されていないのです。そこで後退するなら、また同じ総括を繰り返すだけです。「なぜ繰り返すのか」「繰り返さないにはどうしたらいいか」は何も示されていません。何回も何回もそれを繰り返して議席がなくなり、党組織も消滅し、「結局できませんでしたね」と終わった頃には、それを叫び続けていた党幹部はおそらく地上からいなくなっていることでしょう。党幹部はその路線の果てにある絶望に、責任をとってくれないのです。

余談:「不滅」という言葉について

 最後に余談です。

 常任幹部会声明の終わりは

社会発展の法則を明らかにした科学的社会主義への世界観的確信、党綱領路線への科学的確信をもち、どんな困難があっても私たちの事業は不滅であるという確信をもって、前途を開こうではありませんか。

で結ばれています。「こんなことを繰り返していたら共産党が消えてなくなるではないか…」という不安に必死で応えようとしたのでしょう。

 常任幹部会自身、いや、おそらく起草者自身が不安なのです

 しかし、「不滅」だ、「確信」を持て、と何億回言おうとも、目の前で具体的な現実として議席と組織が次々消滅しているのを見せられ、ほとんどガラクタのような声明の紙切れしか示されないなら、「不滅」だと信じる方がどうかしてます。

 それで「不滅」だと信じるなら、もうそれは“石ころに不思議な魔力が宿っているのを信じろ”というのと、そんなに違いはありません。

 かつてソ連・東欧の「社会主義」を掲げた政権が次々崩壊していった時に、日本共産党の指導者だった宮本顕治は、『科学的社会主義の不滅の党として』という大胆なタイトルの著作を出しました。

 今の党幹部たちはその顰みに倣ったのでしょう。

 今の綱領にも「不滅」という言葉がありますが、それは侵略戦争と絶対主義的な天皇制に反対した戦前の日本共産党の活動の意義が「不滅」だと言っているだけです。すでに終了した歴史的事実の評価に関わるもので、これからの未来に向かっての事業の先行きについて使った言葉ではありません。

 当時宮本顕治がこの表現をしたのは、ソ連・東欧で「社会主義」という偽りの看板を掲げた党が崩壊しているけど、それがいくら崩壊してもそんなもので社会主義の未来は測れない、そもそも社会主義は資本主義の矛盾を乗り越えようとする思想や運動であって、資本主義の矛盾がある限りはそれを乗り越えようとする事業自体は無くならないから、「不滅」であるとしました。事業の根拠を見誤らないようにさせたのです。

 つまり「資本主義の矛盾がある限り科学的社会主義の事業は不滅である」というのがその本当の意味です(「資本主義の矛盾がある限り」「不滅だ」というのは、ある条件を設けその範囲では「不滅」だと述べているわけで、実に奇妙な構文です。まあ、それはおいておきましょう)。

 その意味では私も同意します。

 しかし、一つの組織体が不滅かどうかは、別の話です。

 あらゆる事物が、変化と発展のうちにあるとした弁証法は、科学的社会主義の哲学の基本であり、「不滅」という概念の対極にあります。全ての事物は不滅であることはできず、生成し発展し没落していきます。

 科学的社会主義の哲学の入門書である『フォイエルバッハ論』の中で、エンゲルスマルクス主義哲学の下敷きとなったヘーゲル哲学の革命的な命題を紹介しました。

現実的なものはすべて合理的なものであり、合理的なものはすべて現実的である。

 これは現実に存在する制度や国家を合理化する命題として非難されましたが、エンゲルスはそうではない、この命題は実は支配階級にとっては恐ろしいものなのだ、と解説をつけます。

以前には現実的であったものもすべて、発展のすすみゆくなかで、非現実的になり、その必然性をうしない、その存在の権利をうしない、その合理性をうしなうのであって、死んでゆく現実的なもののかわりに、新しい生活力のある現実性があらわれてくる。

 共産党自身が、新しい現実に対応した合理的なものに変わらなければ、「その存在の権利をうしない、その合理性をうしな」い、「新しい生活力のある現実性」にとってかわられるということです。

 そのことは共産党であっても免れられないのです。

 「共産党」の看板をつけていながら、そうやって消えていった党は山ほどあります。

 そして、消えた共産党とは無関係に、資本主義の矛盾の前に、新しい別の組織や運動が立ち上がっていくかもしれないのです。*1

この哲学のまえには、究極的なもの、絶対的なもの、神聖なものは、なにも存在しない。この哲学は、ありとあらゆるものについてそれがすぎ去りゆくものであることを示す。

 あらゆる事物の不滅性を否定するのがマルクス主義哲学です。

 党幹部にとって、なんという恐ろしい哲学ではないでしょうか!

*1:「太陽がある限り太陽光からエネルギーを取り出す事業は不滅だ」というテーゼは、なるほど半永久的な真理かもしれません。他方、そのエネルギーを取り出す技術装置は1950年代に実用化されました。当時は画期的なことでしたが、変換効率は6%でした。今の世代の装置は20%を超えています。開発当時はいくら「画期的」だった初期の装置も、やがて非効率となり、誰にも使われなくなります。太陽光の不滅性をいくら指摘しても、非効率な技術装置は不滅ではないのです。

2026年衆院選での共産党の壊滅的な敗北を受けて

 2026年の衆議院選挙が終わりました。

 共産党で選挙をたたかったみなさん、本当にお疲れ様でした。政治的なだけでなく、天候的にも非常に厳しい中での選挙戦だったと思います。まずはゆっくりお休みください。

 選挙結果は相当に厳しいものでした。

 自民党の歴史的な大勝、中道という野党第一党の大敗という日本の選挙情勢全体のこともあるんですが、私は共産党が半減という惨敗を喫し、れいわ・社民などの左派全体が壊滅的な敗北を喫したことをどう考えるかを書いておきます。

 

 この選挙戦では、確かに高市旋風という「爆風」が吹いたとか、中道があまりにダメだったとか、そういう「総括」がされそうな気もします。それらが事実だったとしても、ではなぜそれらを批判した共産党をはじめとする左派には票はこず、維新・国民・みらいが伸びたのか、という問題が残ります。

 共産党と左派が国民から厳しい審判を受けたのだ、というところから総括を始める必要があるのではないでしょうか。少なくとも連続的に劇的な後退を喫している共産党については、いつまでも天気予報のように「突風」とか「旋風」*1とか「逆風」とか「爆風」とかのせいにするのはもうやめて、事実に向き合うときです。

今度の総選挙では、今のところ真の争点を覆い隠す“つむじ風”は吹いていません。…わが党にとって本当にたたかいやすい選挙であり、有権者に党の主張を届けやすい選挙になっています(1月27日の党総選挙対策本部声明)

共産党衆院比例ブロック別の前回と今回の得票比較



 2025年の参院選後に私は全党的な討論をする臨時党大会を呼びかけましたが、党幹部はそうした根本的な見直しをする気配は全くないまま突き進み、高市首相の国会解散の動きを受けて動揺して、大会で決めた総選挙目標だけを、常任幹部会だけの判断で3割も下げるなど、大破綻をきたしました。この過ちを繰り返すべきではありません。

 

 「さあ前を向いて行こう、たたかいはこれからだ」という呼びかけがされるかもしれません。それ自体はそうだとは思いますが、肝心の前を向いて走っていく組織装置が壊れている可能性が高いのです。「車が壊れてますよ」という指摘に耳を貸さないで、荒野を走り抜けようというのは無謀というものです。

これ、動くんですか?

 私は引き続き臨時党大会を開いて全党の討論をすべきだと思っていますが、加えて、かなり厳しいものも含めて、広範な有識者からの意見をもらい、全党からの意見とあわせて公開すべきだと思います。*2

 トロツキー共産党を、革命を推進する装置(機関)であると比喩したことがありますが、その装置が壊れている可能性が大きい今、共産党員の多くが「赤旗」で読みたいことは、高市政権とたたかう意味ではなく(もちろんそれは読みたいだろうが、大半の党員はそんなことはわかっている)、どうしたらこの装置が直るのか、ということではないでしょうか。どうしてこの装置は、民意を汲み上げて議席を膨らませる機能が働かないのだろう? と。それには、厳しい意見を含め、いろんな人の考えを今こそ聞きたいはずです。

 左翼の概念の洗い直し、路線・政策の見直し、組織・活動の見直しなど、どんな問題にもタブーを設けないことです。それもかなり時間をかけてやる必要があるでしょう。私なりに思うことはありますが、そういう一人の知恵でどうにかなるものではありません。*3

 この問題に向き合うことは、単に内向きな話なのではなく、階級闘争の焦点です。壊れた装置を直さないで前には進めないのですから。

 

 こうした抜本的な反省の措置に進むには、最初に述べたように、共産党が国民から審判を受けた、という認識を得ないことにはどうしようもありません。そこをまず起点にするよう望みます。

*1:ちなみに「つむじ風」は「旋風」と書きます。

*2:規約上の特別の措置ですから、大会や中央委員会の決定によってそれを行うべきでしょう。

*3:仮に「共産党が正しいことを言っているが国民がそれを理解していない」という結論になったとしても、ではそれを理解してもらうための方法はそれでよかったのかといえば、これまでのやり方を根本的に見直さないと難しいということが明らかになったのではないかと思います。

共産党は3つのことを改善せよ

 総選挙で日本共産党には頑張ってほしいと書きました。

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 前から書いているように、(1)草の根のネットワークを持ち、困った人の相談に乗る、(2)不正の暴露など行政の厳しいチェック、(3)社会主義や非同盟などオルタナティブを提示する力は、一朝一夕では作れない厚みのある資産であり、今の日本に必要なものだからです。

 

 他方で、こうした共産党の役割をそこない、組織を私物化している今の党幹部たちの悪弊を改めることを、この選挙戦でも求めます。そこを改めない以上、党は蝕まれ、前進は難しいと考えるからです。

 

異論排除の非民主的体質をやめよ

 一つ目は、ハラスメントやルール違反などのさまざまな方法で、異論を排除する非民主的な体質です。

  

 松竹伸幸さんの追放をめぐる裁判で、この体質は明るみに出つつあります。しかもその後も逆らう人たちが陸続と追放されたり、まつろわない議員・候補・職員に対して聞くもおぞましい圧力がかけられ続けています。

 当たり前ですが、こんなことをしていれば、民主的な議論ができなくなり、組織はダメになっていきます。また、いくら「赤本」「青本」で「共産主義への偏見を克服」しようとしても、現実の党幹部の行動によって異論を排除する体質を露呈させてしまうなら「なんだ結局ソ連や中国と同じか」と、その情報に触れた人が思ってしまうことでしょう。

 「こっそりやっているから、影響はない」と思って無視するなら、そうすればいいとは思いますが、そう思っているのは党幹部だけでしょう。世の中にはわかってしまうもの。世論から厳しい審判を受けるだけです。

 

党職員を労働者であるときちんと宣言して制度を整備せよ

 二つ目は、党職員(専従)を労働者扱いしない反労働者的な体質です。

 

 共産党幹部は記者会見や党内の教育で、党職員はあたかも労働者ではないかのように必死で取り繕っているのですが、すでに私の裁判では言い逃れができなくなり、党職員が労働法上の「労働者」であることを認めました。だから、各地で声をあげた人たちによって残業代などが「こっそり」と支払われています。

 今、労働者を労働者として扱わない働かせ方が社会問題になっています。

 そんな時に、「労働者階級の党」であることを看板にしているはずの共産党が、自分の党の職員を「労働者」として扱わないのですから、天下の笑い物です。かように恥ずかしい姿をさらしているのは、あげて党幹部の責任でしょう。

 共産党が今回の総選挙で掲げた政策には労働者むけの政策がたくさんあります。その政策は共産党職員には何ら適用されないのかと思ってしまいます。

 以下、ご覧ください。

https://www.jcp.or.jp/web_policy/16513.html

  • 時間外・休日労働の上限を規制し、1日2時間を超える残業割増率を50%に引き上げます。連続出勤・休日出勤規制を強化し、サービス残業」を根絶します。
  • 不当な雇い止め、解雇をなくし、非正規ワーカーの雇用の安定をはかります。
  • 実労働時間を正確に把握・記録しサービス残業」が発覚したら残業代を2倍にします
  • 名ばかり管理職」を規制します
  • フリーランス・ギグワーカーなどのプラットフォーム労働者の生活と権利を守り、「多様な就業形態の普及」の名目で無権利の働き方を拡大することに反対します
  • 若者使い捨て」企業をなくします

 

 共産党が掲げた立派な労働者むけの政策を、党幹部自身が嘲笑し、踏みつけているのです。

 党職員を労働者であるときちんと宣言し、党内にふさわしい制度を整備すべきです。

 

人権侵害は外部に訴えることを認めよ

 三つ目は、ハラスメントや不当解雇などの人権侵害を「外」に訴えることを押さえつける隠蔽体質です。

 

 党幹部は「党内問題は内部で解決する」という規約を悪用し、ハラスメントや解雇などの人権侵害の声を上げた人までを次々追放しています。自分たちの都合の悪いことを隠そうとするからです。

https://www.jcp.or.jp/web_policy/16376.html

ハラスメントへの対応について、法律で事業主に対して、相談窓口を設置する、事後に適切な対応をとるなどの防止措置義務が課されています。しかし実際は、多くの場合、被害者があきらめたり、希望する解決が図られずに泣き寝入りせざるをえない実態があります。

 これは党幹部自身が作り上げている、共産党の中での恐るべき現実です。

 少なくともハラスメントや不当解雇などの人権侵害を外部に訴えることを認めるようにすべきです。共産党幹部は、党内でどんな人権侵害が起きたとしても、あくまで不祥事を外に漏らさないために口を封じるつもりでしょうか。

 

 この3つを求めます。

 「えらそうなことを言うけど、オマエらの組織はめちゃくちゃじゃん」という視線——左派やリベラルに注がれる視線は厳しいものがあります。

 それとも「そんなのはこっそりやれば大丈夫。影響なんかない」とここでも言い張るつもりでしょうか。なぜいくら「正しい」ことを言っても前進しないのか、もっと根本も含めて反省すべきではないでしょうか。

 この3つを改善せずに、共産党の前進は望めないでしょう。

 総選挙中にこの3つの改善をすることを私は求めておきます。

 

 「共産党の足を引っ張るな!」と思う共産党贔屓の人がいるかもしれません。その通りです。でも足を引っ張っているのは私ではなく、党幹部なのです。その言葉はまず党幹部に向けましょう。病根がなくなれば問題は解決するのですから。

 あるいは「選挙中は黙れ!」とおっしゃるかもしれません。私は黙りません。選挙は有権者の声を聞く絶好のチャンスです。票を得るために緊張感を持って反対の声を聞くでしょう。今がまさに声をあげるその時なのです。

 

「突風は吹いていない」

 共産党の総選挙対策本部は、1月27日に声明を出し、

 もう一つは、今度の選挙では、真の争点を覆い隠す“つむじ風”が吹いていないことです。

 一昨年の総選挙では国民民主党が「手取りを増やす」と打ち出し、昨年の参院選では参政党が外国人問題を唱え、それぞれ選挙の本当の争点を見えなくさせる「突風」となりました。しかし今度の総選挙では、今のところ真の争点を覆い隠す“つむじ風”は吹いていません。党首討論会でも、物価高や消費税減税、トランプ政権の無法、外交・安保問題などが正面から争点として問われ、いわばわが党の土俵で論戦が展開されています。消費税減税をめぐっては、財源問題が焦点になり、党の先駆性が際立っています。政治論戦上は、わが党にとって本当にたたかいやすい選挙であり、有権者に党の主張を届けやすい選挙になっています。

と断じました。今度の総選挙では「突風」「つむじ風」は吹いていない、と明確に述べています。*1

 だとすれば、問題はクリアなはずです。

 正面からの勝負になっていて、勝つか負けるかしかありません。

 共産党が伸びれば共産党の戦略・戦術が成功したということであり、共産党が後退すればそれが失敗したということになる、と考えるのが自然な論理でしょう。

 結果を注目して待ちたいと思います。*2

*1:「2025年の参院選は突風で後退した」という規定自体には私は同意しませんが。

*2:「つむじ風は吹いていなかったが、突然の解散とか突然の中道の結成など、やっぱり『突風』は吹いていた」という「言い訳」がされないことを祈るばかりです。

総選挙で共産党には踏ん張ってほしい:7中総を読む

 総選挙に向けた日本共産党の(第29回党大会期)第7回中央委員会総会(7中総)が開かれました。全会一致だそうです。

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私の立ち位置

 記事に入る前に、私の立ち位置を改めて書いておきます。

 私は、共産党幹部から不当に除籍・解雇をされ、その撤回及びその過程で受けた激しいパワハラの償いを求めて裁判を闘っています

 同時に、日本共産党には、まだまだ組織を改革した上で日本の政治でがんばってほしいと思っているし、思っているからこそ党に戻ろうとしているのです。

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 ですから、今度の2026年2月の総選挙でも、日本共産党にはさまざまな問題がありつつつも、議席を増やして日本の政治の中で役割を果たしてほしいと願っています。

 応援いたします。

 具体的には、例えば、急な選挙で、特定の党勤務員が夜遅くまでかかって準備していると仄聞している「候補者のビラ・ポスター・公報・動画などの宣伝物」「演説スポットや流しスポット参考例」の作成には協力できますので、どこの中央・地方組織でもお声かけください。(私が起案しても、決裁・決定するのは党機関ですからなんの問題もないはずです。)



左翼の軸として共産党には頑張ってほしい

 この記事では7中総の読み方について書いてみます。

 「7中総を簡単に言えば」は、中央の書記局コミュニケ「第7回中央委員会総会について」に書いてあります。

 これは

  • 「中道改革連合」(中道)の誕生は、「立憲民主党公明党への吸収」が本質。
  • つまり衆院において立憲が消え公明が肥大化したようなもの。
  • 立憲民主党というリベラル・左派の大票田が巨大な空白になった。
  • 野党共闘に頑張ってきた「ブレない共産党」は、なくなってしまった旧立憲民主のリベラル・左派のリーダーポジションを受け継ぐので、その票をください。
  • だけど、「中道批判」をするんじゃなくて、基本は高市自民・維新政権との対決こそ論戦の基本なのでそこを間違えないように。

ということになります。

 共産党の宮本徹・元衆院議員がネクタイを立憲カラーに変えたのをアピールされているのはそういう考えの現れでしょう。

 

 なので、共産党の「総選挙政策アピール」を読んだのですが、従来の野党共闘が困難になったので、いよいよラジカルな路線を出してくるのか!? と思ったのですが、拍子抜けするくらい“通常運転”でした。

 例えば、これだけ台湾有事で米軍の戦争に巻き込まれる危険が高まり、トランプ政権による露骨な帝国主義的な行動があらわになる中で、今こそ「日米軍事同盟=日米安保条約を廃棄」する旗が高々と掲げられるのかと思いきや、「総選挙政策アピール」のどこにも書かれていないのです。その後にある、やや細かな項目が並ぶ「重点政策」の見出しにもなく、「重点政策」にさえないのだろうかと初めは思ったのですが、よく読むと、その本文の隅に、ひっそりとあるのをようやく発見できました。

 つまり「アピール」として前面に押し出しているのは、「これまでの立憲民主支持層も近寄って来れそうな範囲」のものに限定してあるのです。

 

 私は、この考え方にはさまざまな問題があると思っています(後述)。しかし、政治が右派と中道だけになることは、日本の政治にとって大きなマイナスであり、少なくとも左派が一定の陣地を示しておかねばなりません。そして左派として結集する軸が必要になります。

 これまで何となくそれを「左派・リベラル」として立憲民主(またはその左派的な一部の議員)が担ってきたふしがありましたが、それが「中道」を掲げるようになり、さらに「れいわ新選組」は「左派・リベラル」の結集軸になる気があまりなさそうなので、ここはやはり日本共産党にがんばってもらわねばならないと思います。

 目標としては共産党議席が8から5になってしまう*1のを防ぎ、せめて6〜7議席になる程度に減少幅をとどめること。8維持できれば大健闘。議席増なら大勝利…という感じでしょうか。

 今後の左翼結集の軸が痩せ細りすぎては困るのです。

 ただし、「左派・リベラルのリーダーポジションが空いた」という認識が正しいのかどうかは私もわかりません。これまで「自民党ではない大きなオルタナティブ」というタイプの人たちだけでなく、「左派・リベラル」ということで立憲民主党を支持していたタイプの人たちも一緒に、ほぼ丸ごと中道について行ってしまって、ほとんど何も残っていないという可能性も低くないからです。

 その場合は、「今のような左派であれば、そういう左派の塊は要らない」という審判を有権者から厳しく突きつけられたのだと受け止める必要があります。そして、左派・リベラル的な意見は中道で代弁されていると有権者の多くが判断したという事実を冷厳に受け止めるべきでしょう。

 

 繰り返しますが、7中総の提起した方向に問題があることは承知の上で、とにかく日本共産党議席が大きく減らない、できれば維持、増加させるということでぜひがんばってほしいと思っています。(本文ここまで)

おまけ1:「自民党政治を変える」という綱領的な意味

 7中総では立憲民主党について

立憲民主党が、公明党に引きずられて自民党政治軍門に下った

立憲民主党公明党に吸収され、政治的にも組織的にも解体され、自民党政治にのみ込まれた

と激しい言葉で批判しています。

 そして、共産党とそのたたかいの方向性を

自民党政治を変える党」を正面から打ち出してたたかう

と打ち出しています。

 「自民党政治を変える」とはどういうことでしょうか。

 そもそも自民党政治の根本は、大企業優先政治と対米従属だというのが綱領の規定です。

 対米従属の根幹には日米軍事同盟=日米安保条約があり、その廃棄こそ「自民党政治を変える」ことの不可欠のポイントだというのが今の共産党綱領の規定です。

 だからこそ「自民党政治を変える」ためには安保条約を廃棄する民主連合政府以外には考えられず、その中間段階を提起したという理由で松竹伸幸氏は除名をされたほどでした。

 しかし、公明党はもちろんですが、立憲民主党はもともとこのような立場を持っていません。立憲民主党の2025年の政策

日米安保条約に基づく日米安保体制は、わが国自身の防衛体制とあいまってわが国の安全保障の基軸です。日米同盟のゆるぎない信頼性がわが国の安全保障にとって大前提であり、抑止力を高めることにつながることから、わが国自身の防衛体制を強化するとともに、健全な日米同盟の一層の深化を進めていきます。

なのであって、共産党から見て「自民党政治を変える」政党ではなかったことは明らかです。確かに立憲民主党が安保法制の一部を違憲としてその廃止をめざしていたことは進歩的な立場であったことは間違いありませんが、今まで「自民党政治を変える」立場で、安保法制の政策変更によって「自民党政治を変える」を捨てたと評価するのは、共産党綱領の路線から逸脱したものだと言わざるを得ません。*2

 しかも前述の通り、日本共産党の総選挙政策アピールに「安保条約廃棄」は一言もなく、「重点政策」の本文にわずかにあるだけで、とても「自民党政治を変える」ことを「正面から打ち出す」とは言えないものです。せいぜい「すみっこでちょろ出しする」程度ですね。

 立憲民主党との共闘は、もともと「自民党政治を変える」共闘ではありませんでした。*3綱領の言葉で言えば、「民主的改革の内容の主要点のすべてではないが、いくつかの目標では一致し、その一致点にもとづく統一戦線」、あるいは「国民の利益にこたえ、現在の反動支配を打破してゆくのに役立つかぎり」での「さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線」です。

 「現在の反動支配(ここでは自民党政治)を打破してゆくのに役立つ」共闘が野党共闘でした。

 立憲民主党という「自民党政治を変える立場を持っていない政党」と、「自民党政治を打破してゆくのに役立つ(その第一歩となる)共闘」をしていたというのが、これまでの立憲との野党共闘でした。

 「現在の反動支配を打破してゆくのに役立つ」といった場合、共闘相手がどんな思惑を持っているかは関係ありません。キラキラした純粋な瞳でやっているのか、ドロドロした二心をもった腹黒い気持ちでやっているのか、そこは関係ないのです。客観的に役に立つかどうかですから。(実際、立憲民主が日米安保廃棄に進むなどということは立憲自身、約束もしていなかったし、そぶりさえなく、何の保証もないことでした。)

 だからこそ、共産党は過去に民主連合政府構想以外にも、「選挙管理内閣」「暫定連合政府」「非核の政府」「国民連合政府」などの構想を打ち出せたのです。

 「現在の反動支配を打破してゆくのに役立つ」共闘は、自由自在に組めるように、共産党綱領は柔軟に作られています。

 例えば消費税の減税などで一致点を探り、小選挙区では中道を応援をしないまでも、自民・維新か中道かの有力候補が絞られた場合に、柔軟な対応をすることはあり得たのではないでしょうか。

 しかし、共産党幹部は、綱領の実現=「自民党政治を変える」ことに本当の意味でこだわるのではなく、「安保法制の廃止」という一つの政策にこだわりすぎてその柔軟性を失わせてしまいました。

 

 特に、立憲民主を「自民党政治の軍門に下った」として、中道を

高市政権と対抗する立場はなく、補完勢力であることを自ら公言しています。

と規定したことは、維新や国民民主と同じ規定をしたことになります。

 中道が「反動ブロック」を形成する側に行ってしまったという意味でしょうか。

 立憲が左派・リベラルポジションからいなくなったことを強調したいがあまり、表現や規定が過剰になっていると思います。

 「反動ブロック」と言えば、今回の7中総には「反動ブロック」やその形成に反対する共同という規定が消え、代わりに「憲法を真ん中にすえた共同」というものに置き換わってしまっています。

 志位和夫氏は盛んに「21世紀の反ファシズム統一戦線だ」と言って回っていますが、ヨーロッパで行われたのは、共産党の不倶戴天の敵だった社民党ブルジョア政党と手を組んでファッショ政党を孤立させたのが「反ファシズム統一戦線」であって、「ほとんどの勢力がファシズムの方向に向かっていくのに対して、左派だけがごく少数で抗する」が「反ファシズム統一戦線」ではありません。それは「大政翼賛会のもとで反戦平和を貫いた戦前の日本共産党」でしかなく、どうも志位氏は後者でイメージしているんじゃないかと思います。

おまけ2:共産党の選挙のたたかい方

 立憲民主ポジション狙い、立憲民主の左派票狙いだから、政治全体の右寄り批判、立憲民主の代替アピールをしがちなのですが、そこにリソースを割くのはどうなのかと思います。

 多くの国民は物価高騰に苦しんでおり、高市政権の物価高騰対策には不満を持っています。

 だとすれば、左翼としての自分をアピールするのは、何よりもその生活苦に寄り添う政治姿勢と公約の徹底した強調ではないでしょうか。

 特に消費税減税です。

 中道の消費税減税(食料品0%)政策にあわてた高市自民党が「2年限定での消費税食料品ゼロ%」をにわか打ち出しましたが、そもそもこれまでどれだけ消費税公約を反故にしてきたんだという「豊富な実績」もさることながら、よくよく聞いてみれば消費税減税の「検討を加速」するだけだというではありませんか。

www.asahi.com

 国民を愚弄するのもほどほどにしろと言いたくなります。

 高市政権にやる気がないのは明らかです。

 共産党としてはそこを厳しく批判し、すべての消費税の5%への減税をまずは訴えるべきでしょう。

 その上で、財源と税のあり方をセットにした訴えへと進みます。

  • そもそもこんな弱いものいじめの税金を基幹税制にしていていいのか。
  • 大企業や大金持ちへの課税はゆるいままだ。
  • この不公平税制を変えよう。

 そして、そのままの流れで、自民党政治が大企業奉仕であるというゆがみを告発し、それを是正して最賃1700円など、物価高騰に苦しむ国民の手取りを増やし、暮らしに回すよう訴えます。

この12年間で株主への配当は2・8倍になり、大企業の内部留保は、333兆円から561兆円へ、200兆円以上も積み上げられています(日本共産党の政策アピール

中小企業への直接支援と一体に、最低賃金を全国どこでもすぐに1500円に引き上げ1700円にします。大企業の内部留保に時限的に課税して5年間で10兆円以上の財源をつくり中小企業の賃上げを支援するとともに、賃上げ分を課税から控除して、大企業の賃上げも促進します。(同前) 

 党幹部の演説が、少し前は、株主資本主義の話とかから入っていて、うーん、なんか経済学の講義みたいに聞こえないかなと心配していました。(でも、23日の田村委員長の演説を聞いたら、まず消費税から話を始めていて、そこは安心しました。)

 これは全くその通りだと思います。

 安保・外交問題は演説では思い切ってカットするか、比重をグッと下げるべきです。

 この分野では、世論は共産党が短い時間で語って納得してもらえる状況になっていないと思うし、共産党の政策も整っていないように思います。



おまけ3:左翼統一名簿の可能性

 もうこの総選挙では間に合わないでしょうが、次回以降は、左翼としての統一名簿を考えてもいいかもしれません。

 右のかたまり、中道のかたまり、左のかたまり、というわかりやすさ、存在感を出す考え方です。

 日本共産党は今、社民党新社会党沖縄の風などと懇談し、「憲法を真ん中にした共同」などと言っています。れいわにも協議を持ちかけています。

 それはそれでいいと思うのですが、「憲法を真ん中にした…」ではなく、例えば「消費税引き下げ同盟」のような統一名簿にすべきだと思います。国民の手取りを増やすことを中心理念にして、消費税減税の実現を是が非でもやってしまう立場を押し出します。そして、消費税減税を実現してくれるならということで、中道や自民党に対し、政局で絡んでいくようにします。

 こういうことができるようになるためにも、今度の総選挙で共産党には踏ん張ってほしいところです。

 ただ、私としては共産党が組織改革を行う方が先だと思っています。今のままの体質では党自体が萎んでしまう危険性があり、また、国民にも支持されない可能性が高いからです。

おまけ4:「台湾住民の自由に表明された民意を尊重すべき」が重点政策に

 今回の日本共産党の重点政策を読んでいて、中国に対する政策の中で、「中国の台湾に対する武力行使や武力による威嚇に反対します」とともに、「台湾住民の自由に表明された民意を尊重すべきです」が入ったことは驚きでした。歓迎します。

 もちろん、これらは前から言ってきたことです。

 ただ、日本共産党は「一つの中国」論をかつては「堅持」する立場でしたが、昨年12月3日の志位インタビューを契機に日本政府と同じ「理解し尊重する」論に変わりました。中国の言い分としては聞くけど、自分たちは必ずしもそうではないよ、というニュアンスです。そうした中で「台湾住民の自由に表明された民意を尊重すべきです」という文言はもし台湾住民が独立を表明したら、それを尊重せよという主張です。事実上、「一つの中国」論を転換させたと言えます。

 この立場自身も前から日本共産党は言ってきましたが、それを重点政策に押し出したことは画期的なことだと思いました。 

*1:7中総で25年参院比例票ならこのレベルになると警告された議席数。

*2:そもそも立憲民主党は、核兵器禁止条約の加盟さえ公約していませんでした。

*3:なお、社民党やれいわは安保条約を解消するという政策を持っています。消費税について言えば、社民党は廃止する立場を持っていませんが、れいわは廃止を主張しています。

共産党の総選挙目標論議と志位氏の議員引退

 解散・総選挙ということになり、共産党が常任幹部会声明を出しました。

www.jcp.or.jp

ここはどこの地形でしょうか?(26年1月神谷撮影)

共産党後退の「総括」の行き詰まりと破綻

 びっくりしたのは、第29回党大会で掲げた「650万票、得票率10%以上」という総選挙目標が「450万票、得票率7・5%以上」に勝手に引き下げられていたことでした。

 「議会を通じての革命」をめざす政党として、国政選挙でどれだけの得票をするかということは、当面の最も重要な目標です。情勢認識や党の現状の認識を総合してその結論が導かれます。

 その最も重要な結論が大幅に変わってしまったということは、それを導いた情勢認識や党の現状の認識が間違っていたか、根本的に変化したことを意味します

 本来なら、大会を開いてそれを変更すべきものです。

 ところが、大会を開くでもなく、中央委員会を開くでもなく、それどころか、幹部会さえ開くことなく、常任幹部会だけで大会目標を勝手に変えてしまったのです。

 もちろん緊急事態の場合にそういうことがあり得ないわけではありません。

 しかし、前回総選挙の後に4中総(第29回党大会期 第4回中央委員会総会)、そして前回25年参院選の後に6中総もありました。見直すために1年から半年は時間があったです。私は、25年参院選共産党が歴史的惨敗を喫したことは、重大な事態だから臨時党大会を開いて全党で議論をすべきだと提起しましたが、党幹部はそうした警告を全く無視して、6中総で大後退について“「突風」が吹いたから”と言い訳する「総括」を出しました

kamiyatakayuki.hatenadiary.jp

 

「これらの『突風』は、選挙戦の真の争点を覆い隠すとともに、わが党の前進を妨げる大きな圧力となって作用した」

「複雑な『突風』が吹くもとで、わが党は、…」

「複雑な『突風』が吹くという情勢のもとで、わが党の主張を広い有権者に伝えることは…」

「『比例を軸に』を貫く点でのこれらの弱点が、複雑な『突風』が持ち込まれたときに、党が存在感を発揮して前進することができなかった一つの要因となった」

(6中総決議より抜粋)

 つまり後退したのは“「突風」という特殊事情だったから”という言い訳をしてきたのです。私から見るとこれはまじめな総括とは言えませんでした。

 ところが今回の常幹声明では、昨年参院選の「比例286万票、得票率4・84%」を「起点」とし「450万票、得票率7・5%以上」を目標にせよ、としました。今でも「突風」が吹き続けているとでもいうのでしょうか? 

 特殊事情であった「突風」が吹いていたはずの状況をなぜ「起点」とし、それを基準した目標へと引き下げるのでしょうか。説明がつきません。実は共産党が大後退したのは「突風」でも何でもなく、基本的な情勢がそれを生み出したということに他なりません。

 

 結局、共産党が大後退する情勢が現在もベースとして続いていることを、党幹部は認めざるを得なくなったのです。「突風」でも何でもなかったわけです。

 これは4中総から6中総で示してきた党幹部の「総括」が行き詰まり、破綻したことを意味します。しかし情勢や党の現状についての再度の真摯な反省はどこにもありません。実践を受けて検証することをしない態度、思っていたのと違う結果が出たことを自己分析しない不真面目な態度です。

 統一した実践を受けて検証することが民主集中制の原則ですから、まもなく開かれる7中総では、6中総の総括が間違いだったと認めるところから始める必要があります。それもしないのであれば、党幹部自身が、規約や民主集中制の原則を踏みにじっていることになるのではないでしょうか。

 もちろん、私は、得票目標の引き下げはせざるを得ないと考えています*1。しかし、そのやり方や過程が、あまりにも反規約・反民主集中制であると言いたいのです。

京都のとある駅から(26年1月神谷撮影)



志位氏の議員引退も行き詰まり・破綻の表現

 このことに関連して、志位和夫氏が議員を引退し、次の総選挙には出馬しないということを表明しました。

www.jcp.or.jp

 私から見れば、これもそうした共産党の大幅後退のまじめな総括をしてこなかったことの行き詰まりの現れであり、その破綻を示すものだと思います。

 

 志位氏は議員引退について「私自身の心の中では、2年前、2024年1月の第29回党大会で、新しい党の体制をつくった時に、だいたい決めていた」として、あたかも前々から考えてきたように述べています。

 しかし、不出馬会見の発言を読んでもそのように読める箇所はありません。他のことについて述べた部分*2を強引にそのように解釈しているだけです。

 ではなぜ志位氏は不出馬を突然表明したのでしょうか。

 志位氏が出ていたのは衆議院比例の南関東ブロックで、前回総選挙では43万7724票の得票でした。AIに計算させたら、あと約8万5000〜9万票減ったら1議席失うということでした。ということは2割得票が減ったら志位和夫氏は落選することになります。

 2割減。

 前回総選挙では共産党全体の比例得票は361万票で、翌年の参院選の比例得票は286万票となって、総選挙に比べて3割減っています。

 つまりこのままいけば南関東で「志位落選」という非常に無様な状況になってしまいます。

 志位氏はそのことにぞっとし、急遽出馬を取りやめ、後付けでいろいろ言い繕ったのではないでしょうか。

 

 そもそも24年1月の党大会で志位氏が議員引退を考えていたならなぜそれから10ヶ月もたった24年10月の総選挙に出馬したのか、今回もどうして候補者発表が現職から行われなかったのか、「世代交代のため」と言いながら発表された比例候補で元国会議員の畑野君枝さんは2つしか違わないのでは、など疑問がつきません。それは急に気づいて怖くなった、ということで整合的な説明がつきます。

 

 そうだとすれば、参院選の大後退をまじめに検証せず「突風」だなどと言ってすませてきたことのツケが、「突然の志位氏不出馬」という大破綻となって現れたというふうに考えることができます。

 だから、私は、志位氏の議員引退表明を白けた気持ちで見ました。

 私一個としても、志位氏の国会論戦に学んだことはそれなりにありましたが、そういう問題ではないからです。

 志位氏クラスの議員引退となれば、その論戦の軌跡を振り返り、全党、とりわけ議員が自身の議会活動の糧とするはずのものですが、記者会見で志位氏自身が述べた、含蓄の乏しい、間に合わせのまとめが、なんとも言えない哀愁さえ誘います。それはあわてて臨んだ会見だからでしょう。(詳しくは下記の「まとめ2」をどうぞ)

 

福岡市内の川のそば(26年1月神谷撮影)

 議員職(候補者職)からは逃げ出しても、議長職はそのままのようです。

 私の裁判や松竹伸幸さんの裁判では、志位氏は引き続き被告です。

 異論排除の不当な追放、およびハラスメントの全容を裁判で徹底的に暴き、議長職のまま、その責任を取るようにさせたいと思います。

(本文終わり)

北九州市内(26年1月神谷撮影)



おまけ

 下図は福岡県で使われている共産党後援会ニュースです(26年1・2月号外)。次の26年2月の総選挙に向けては、25年参院選並みの得票では、現在九州・沖縄ブロックで獲得している共産党衆院比例の1議席は失われ、あと1.5倍化しないといけないという大変な状況がつわたってきます。

 全国的に共産党を取り巻く支持の状況が深刻なことがわかると思います。

26年2月の総選挙に向けた福岡県の共産党後援会ニュース。
南関東に限らず共産党を取り巻く事態の深刻さがわかる。

 

おまけ2

 「いや、志位氏はこの会見の後半の記者との一問一答ではけっこう語っとるじゃないか」と思われるかもしれません。

www.jcp.or.jp

 しかし長い議員生活を振り返って志位氏は「自民党政治の劣化」とまとめていますが、「自民党政治の劣化」は不破哲三氏が10年以上前から語ってきたキーワードの「劣化版」ですよね。33年もつとめてきながら結局大先輩のひそみにならって自分の仕事をまとめてしまうあたりは、逆にいかにも志位氏だという気もします。そこは「自分の言葉」が欲しかった。

 また、この記者会見、たとえば志位氏は「世代交代」についても語っていますが、年齢については上記で述べた通りです。加えて、年齢を持ち出して「出処進退はそれぞれの方の判断を尊重」「私のケースが基準になるわけではない」と言いながら「比例の場合は、世代交代を自覚的にやらないと」と述べており、支離滅裂です。仮に95までやる人が候補になったり議員で続けてもそれは「本人の判断を尊重する」のでしょうか。志位氏は、高齢(78)の赤嶺政賢氏が引き続き候補者として出ることの矛盾に気づいてあわてて“比例と選挙区候補は違う”という「にわか基準」を喋り出すのですが、赤嶺さんは比例重複ですよ…。もうめちゃくちゃです。自分の「思いつき」を合理化するために、その場でガラクタな「基準」を量産するのは、やめてほしいです。

 党員減少や高齢化など「党勢の課題」を聞かれているのに、志位氏は国政での躍進の話をしているのも噛み合っていません。

 あと「やり残したこと」を聞かれた際の回答の中で志位氏は「党の政策や路線を、国民の願いにそくして発展させていくことも必要」と述べているんですが、これは何のことなのかなと思いました。「憲法を真ん中にすえた共同」のことだとすればそれは従来からの路線であって、何も「政策や路線の発展」ではないように思うのですがどうでしょうか。

 ちなみに「反動ブロック形成反対の共同」が、いつの間にか、「憲法を真ん中にすえた共同」にスライドして、社民党新社会党沖縄の風などいわゆる左派だけの共同に置き換わっていることも気がかりです。いや、そういう共同はアリ(ありうる)だと思うんですが、概念が不安定で、幹部の好きなように揺れ動いていて、定義的な概念になっていない。定規のように悟性的に定義しないというヘーゲルマルクスの「伝統」でしょうか(笑)

 立民・公明の新党の動きを「注視する」と志位氏が表明したのは、節度があるとは思いました。ただ、安保法制もそうですが、さらなる根っこである安保条約に踏み込まないのはなぜかは相変わらず疑問です。

*1:引き下げ幅がこれでいいのか、議席などの関連目標はこれでいいのかなどは別に検討しなければなりませんが。

*2:「私は、新しい体制のなかで、党を代表するものの一人として、ひきつづき党の活動のあらゆる分野で必要とされる責任を果たす決意です。国政のうえでは、田村新委員長が党を代表する役割を果たすことになります」

宿直残業代裁判の「原告準備書面1」を説明します

(この記事は私の不当な除籍・解雇事件の問題の一部についてです。全体像を簡単に知りたい方はこちらを先にお読みください。)

 

 福岡地裁で2026年1月15日に、私が原告、共産党福岡県委員会が被告の、宿直残業代請求裁判の弁論準備手続(非公開)が行われました。

 そこに提出された私たち原告の準備書面1を以下にご紹介し、簡単に説明しておきます。

愛知県西尾市にある無住の寺(26年1月神谷撮影)



------- 準備書面ここから -------------

令和7年(ワ)第2423号 残業代支払請求事件

原 告  神谷貴行

被 告  日本共産党福岡県委員会

 

原告準備書面

令和8年1月9日

福岡地方裁判所第5民事部1係 御中

原告訴訟代理人 弁護士 平裕介

同 弁護士 松尾浩順

 

(本書面では、被告の答弁書及び準備書面(1)に対する認否反論を行う)

 

  • 1 原告の労働者性について
    • ⑴ 被告は、関連事件では、原被告間の雇用契約を認めつつ「ストレートに原告の『労働者性を正面から認めた』ことにはならない」「勤務員の活動は、一般私企業のような利潤追求のために指揮命令を受けて労働力を提供するという関係にはない」等と主張していた。
    • ⑵ しかし、本訴の答弁書では、労基法の適用があることを前提として、労基法32条の残業代請求について、「支払うべき残業代があれば・・・支払い義務があることは認める」と答弁し(答弁書2頁)、残業代の支払義務があることを認めるに至っている。
    • このこと自体、共産党の歴史からすれば画期的な認否ではあるが、念のため、原告は管理監督者労基法41条2号)ではなく、宿直業務は行政官庁の許可を得た業務(同法41条3号)ではなく、労基法上の労働者として未払い残業代を請求できる立場にある。

 

  • 2 被告が原告の通知(甲3)を無視していたことについて
    • ⑴ 被告は、答弁書で「残業代が支払われたことは一度もないとの主張は認める。これは、勤務員で残業代を請求しようと考えた者がいなかったからである」などと主張し(答弁書2頁)、あたかも原告がこれまで残業代を請求しておらず、いきなり本訴を提起したような主張を行っている。
    • ⑵ しかしながら、原告は、令和6年11月25日付の内容証明郵便で被告に対して、残業代の請求を行っていて(甲3)、その中で就業規則や宿直表などの提出を求めていたのであり、被告の主張は事実とは異なる。
    • 被告は、原告の通知(甲3)を一顧だにすることなく、これを無視したため、原告は訴訟提起をせざるを得なくなったのである。
    • したがって、正確には、これまで残業代が請求されなかったから支払っていないのではなく、訴外で残業代を請求されたとしても、これを無視して支払ってこなかったに過ぎないのである。実際、原告以外にも同様の例があると仄聞しており、被告は勤務員から残業代請求があれば支払いに応じるというのであれば、今後はこれを公にして訴訟に至る前に支払うべきである。
    • ⑶ また、原告が甲3で宿直日誌を提出するように要求したにもかかわらず、未だに提出がなされていない。被告は、原告が記入したと思われる「宿直日誌」を元として原告の主張の認否をしているのであるから、これらは直ちに提出すべきである。
    • 被告がこれらを提出しない場合には、原告に対する不法行為を構成する可能性があることを指摘しておく(大阪地裁平成22年7月15日判決・労働判例1014号35頁)。

 

  • 3 出勤簿(乙1)は労働時間を表す書類ではないこと
    • ⑴ 被告は、原告の労働時間について、原告が作成した出勤簿(乙1)と宿直者が記入する宿直日誌を根拠資料として労働時間の認否をしている。
    • ⑵ しかし、乙1号証の「出勤簿」は、福岡市(議会事務局)に対して提出するために作られた資料であり、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」で定められた記録ではない。これらの書類は、原告の給与の原資の一部であった政務活動費の交付額を確定させるために作られていた。
    • 実際、乙1は、原告が毎日作成するものではなく、3ヶ月ごとに個人の手帳の記録と突合して、遡って作成していたのであり、労働時間の適正な把握まではできない書類である。実際、原告は、5月1日から24日までは出勤していたが、その印鑑がないのは、2023年5月25日より6月24日まで、同年7月12日から8月11日まで党幹部のハラスメントによる適応障害のため病気休暇を取得することで、5月分を後日に遡って作れなかったからである。
    • ⑶ 議員の補助の活動ではなく、選挙など政党の活動をしている時間は、実際に被告に労務提供されているにもかかわらず、この「出勤簿」では「出勤」扱いになっていないが、これらの時間も被告からの指揮命令に基づいて行われていた以上、労働時間である。
    • このように、そもそも乙1号証「出勤簿」は原告の勤怠の一部しか反映しておらず、この内容のみで労働時間を推認することはできない。

 

  • 4 原告が勤務していない日という主張について
    • 原告は、被告の主張を踏まえて、原告の主張を以下のとおり訂正する。これらは、原告が自らの予定を全て手帳につけていたため、この手帳に基づく主張である。
    • ⑴ 2021年4月10日(土)に勤務していないことは認める。

      ただし、11日(日)に県委員会に9時30分から17時30分まで出勤している。

    • ⑵ 同7月24日(土)に勤務していないことは認める。
    • ただし、18日(日)に県委員会の仕事で粕屋に出張して9時30分から17時30分まで勤務している。
    • ⑶ 同7月31日(土)に勤務していないことは認める。
    • ただし、19日(月・祝)に市議団に9時30分から17時30分まで出勤している。
    • ⑷ 同8月19日(木)は有給休暇である。
    • 「有給休暇」は有給休暇届を出すわけではないが、「出勤簿」に「休」と記されており、これは有給休暇を表す記号である。
    • ⑸ 2022年1月8日(土)は有給休暇である。
    • ⑹ 同1月9日(日)に勤務していないことは認める。
    • ⑺ 同1月10日(月・祝)に勤務していないことは認める。
    • ⑻ 同3月21日(月・祝)に勤務していないことは認める。
    • ⑼ 同4月30日(土)午前中は、県委員会に出勤している。また、5月1日(日)メーデー会場に午前中出勤している。
    • ⑽ 同5月29日(日)は、党幹部(小池書記局長)演説の現場に出張し9時30分から17時30分まで勤務している。
    • ⑾ 同9月18日(日)に勤務していないことは認める。
    • ⑿ 同11月6日(日)は、県委員会の仕事(福岡市長選)で市内各地に出張し9時30分から17時30分まで勤務している。
    • ⒀ 同11月8日(火)は有給休暇を取得している。
    • ⒁ 同12月24日(土)に勤務していないことは認める。
    • ただし、25日(日)を有給休暇とした。
    • ⒂ 2023年2月23日(木)は、県委員会の仕事(福岡市議選)で福岡市内に出張し、9時30分から17時30分まで勤務している。
    • ⒃ 同3月15日(水)は有給休暇を取得している。

 

  • 5 2023年5月から12月について
    • ⑴ 被告は2023年5月から12月について、出勤簿に記載がないので不知としている(準備書面(1)1頁)。
    • ⑵ しかし、2023年5月25日より6月24日まで、同年7月12日から8月11日まで、原告は被告の党幹部のハラスメントによる適応障害のため病気休暇を取得していたため、3か月遡って出勤簿を作成できなかった。
    • また、同年8月16日から12月20日までは、「権利制限」の名目で党幹部によって職場出勤が禁じられ自宅待機を命令されていたのであり、不知となるはずがない。
    • なお、被告は、同年の5月〜12月には労働時間を把握できないまま給与計算を行なって、原告に通常月と同じ給与を支払っている。

 

  • 6 宿直について
  • 被告から、宿直日誌が提出されないので、宿直日誌の開示を待ってから、訴状の訂正を行うのか否か判断する。

 

  • 7 勤務日について
  • 被告は原告の勤務日を主張しているが、被告の主張のとおりいずれも勤務日であるため、訴状を訂正する。

 

  • 8 今後の進行について
  • 上記原告の主張に対する被告の認否を確認後、より正確な残業代を計算し、訴えの変更を行う予定である。

以上

------- 準備書面ここまで -------------

 

福岡市内の神社の新年準備(25年12月神谷撮影)

 以上です。

 まず最初の「1 原告の労働者性について」です。

 お読みいただいた通りで、「共産党の歴史からすれば画期的な認否」です。

 

 次に「2 被告が原告の通知(甲3)を無視していたことについて」です。

 こちらもお読みいただいた通りです。内容証明をこちらが送ってそれを無視しておいて、裁判になったら裁判官の前では「勤務員で残業代を請求しようと考えた者がいなかった」ってなんですか。不誠実にも程がありますよ。

 

 次に「3 出勤簿(乙1)は労働時間を表す書類ではないこと」「4 原告が勤務していない日という主張について」「5  2023年5月から12月について」です。

 3と4は私が宿直した日だけではなく、対象となった3年間ほどの勤務した日・してない日全体の話題をしています。

 裁判では、対象となる勤務日全体を書き出して、その中で宿直をした時間などを記します。つまり宿直をした日もしてない日も含め、まず全部の勤務日を出します。3年分ぜんぶですから1000日分くらいありますかね。この「全部の勤務日」が正確か間違っているかを原告・被告で突きつけ合っているのです。

 4で具体的な日にちがずらずら出てきていますが、これは今述べたように私が宿直残業をした日を特定している作業ではありません。勤務した日全体の話です。

 3のタイトルは、被告(県委員会側)が、福岡市(市役所=議会事務局)に提出した「出勤簿」を根拠にしていることです。

 この「出勤簿」は、実は私の労働時間の一部しか反映していません

 私は「政務活動費」という税金を原資にしたお金で雇用されていたので、その報告を福岡市にしなければいけなかったのです。

 しかしこれは過去に裁判問題になっていて、「議員の補助で働いた日は政務活動費でまかなう」「議員の補助以外の、選挙や政党の活動をした日は政党のお金でまかなう」という区分けがされているのです。

 ですから、「出勤簿」に出勤扱いがない日は、「議員の補助」の仕事ではなく、選挙や党建設など「政党の仕事」をしていたので、その分は福岡県委員会が勤怠を管理することになります。

 ところが、被告(県委員会側)は、「出勤簿」しか提出せず、それを根拠に「勤務していない」とか「している」とか判断しているので、それはおかしいよと言っているのです。

 また、3と5で言及されている、党幹部によるハラスメントで「休職」になっている期間や不当に自宅待機させられている期間についてはお読みいただいた通りです。

 党幹部が自分たちで規約にも社会常識からも外れた長期の「自宅待機」という名の「人間関係切り離し」のハラスメントを私に行い、私から要求されてしぶしぶその期間の給料まで渡しておいて、その期間の労働時間は「不知」(知りません)というのは、自分たちのやった行為を論理的に説明できなくなっている証拠です。

 

 次に「6 宿直について」です。

 これはまさに宿直をした日の特定です。

 わずか数日ですが、私の手帳と被告側の主張が食い違っているので、じゃあ実際に宿直日誌を見せてください、と被告にお願いしているのですが、まだ出してこないのです。

福岡市内のJRの駅付近(25年12月神谷撮影)



 次に「7 勤務日について」です。

 これは、元々の原告(私)の訴状では勤務日になっていなかったんですが、被告側が「え? これ勤務日ですよね?」と言って、私が手帳で再確認したら確かに勤務日だったので「そうですね、勤務日でした。訂正します」と言っているのです。

 

 最後に「8 今後の進行について」です。

 「宿直日誌」を被告側が出してこないので、宿直日全部がまだ確定できません。また、「出勤簿」は一部でしかない、などの私(原告)の主張の認否もまだ出ていないので、それらを踏まえて残業代を再計算します、と言っているのです。

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今年(2025年)も募金ありがとうございました

 今年1年、私が原告の「共産党不当解雇裁判」へのご支援ありがとうございました。

 新しい年の決意と合わせて、新年に動画を公表しますので、詳しくはそちらで。

 この記事では、主に、募金をいただいた皆さんに厚くお礼を申し上げておきます。

 本当にありがとうございます。

亀井少琹ゆかりの二宮神社(25年12月神谷撮影)。

 一度に大変な額をくれる方。

 小さな額だけどコンスタントにくれる方。

 一度きりの小さな額だけど、高いハードルを超えてきてくれた方。

 「シイ カズオ」さんにも募金していただきました(笑)

 一人一人どなたがどれくらいの額を入れてくれたか、私自身が全て見ています。

 どういう形でも募金をいただいても、それは本当に感謝しています。

 

 これまで全て私の裁判のための費用として使わせていただています。「共産党不当解雇裁判を支援する会」の総会でも、集まっている総額などはしかるべき時期に公表することが決まっていますので、詳細はまだ公表できませんが、9月に会計年度としてまとめ、専門の士業の方にもチェックしてもらい、「支援する会」の皆さんに総会で承認いただいており、引き続き安心して募金くださるようお願いします。

 この1年の事業についても総会で報告し承認をいただきました。

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 そして、新年度は動画発信などに力を入れていくことも決めました。

 ではみなさん、良いお年を。