藤野やすふみ衆議院議員(日本共産党)の私の応援演説

 藤野やすふみ衆議院議員日本共産党)が私を応援してくれた時の挨拶(の一部)です。

 他にも仁比聡平参院議員、田村貴昭衆院議員、赤嶺政賢衆院議員(いずれも日本共産党)が応援の演説をしてくれているんですが、文字起こしなどの都合で紹介ができていません。深く感謝申し上げるとともに、お詫びをします。

 

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 みなさん、こんにちは。

 日本共産党衆議院議員衆議院議員の藤野やすふみと申します。北陸信越ブロックというところから国会に送っていただいています。ただ、生まれはこの福岡県で、高校まで福岡におりました。私、今日実は無理をいいましてかみやくんの応援をさせておほしいということで来させていただいたんです。午前中佐賀県赤旗まつりがありまして、それ終わってこちらにかけつけたんですけども。

 

大学の同級生なんだけども

 かみやくんと私、同級生で法学部で学部も同じということで…彼はご承知のように本当に博識で頭が良くてですね、社会科学系サークルという学問系のサークルに入っておりました。私は体育会系、サッカー部に入っておりまして、どっちかというと武闘派だったんですけども。そういう方向で違いはあるんですけども、やはり同時代を過ごした親友中の親友であります。ぜひ、みなさまに押し上げていただきたいと思っております。

 そして、同時に私、何も友だちだから応援に来たというわけではなくて、彼は本当に福岡市長にふさわしい。そういう男だということで、応援にこさせていただいたんです。

 

福岡市のことを知り尽くしている――共産党市議団の事務局長

 まず第1に、やはり福岡市のことを知り尽くしている。共産党の福岡市会議員団の事務局長。私も穀田さんや吉井さんの秘書をやっておりましたけど、議員の活動を支える秘書団、市議団の事務局の活動というのは大変重要なんですね。その人たちがどれぐらいのレベルかということによって議員団のレベルも決まってくる。かみやさんも事務局長としてその市議団事務局をずっとまとめて来られた。なので市のことを本当によく知っているわけです。

 もう1つはその活動を通じて、かみやさんは非常に先進的な活動もされてきた。

 私たち共産党が出している雑誌で「議会と自治体」という雑誌がありまして、主に地方議員のみなさんが読んでいただいているんですが、この「議会と自治体」にかみやさんたびたび論文を発表されてる。それはそのかみやさんがやったその福岡市で実現した制度が全国でもやるべきだということでそういう全国紙に登場したわけですね。

 例えば九州電力の食い物になっている福岡市のごみ行政の問題、「株式会社福岡クリーンエナジー」の問題点を暴く論文を書いています。*1

www.jcp.or.jp

 また、さきほどもお話しありましたけど、移動権の問題(福岡市の生活交通条例についての論文)とか。*2福岡市でやられているみなさんの足を助ける制度があって、こういうのも福岡市で実現したけど、問題も多い。本当に移動権を実現する仕組みづくりを福岡市でも改善していくし、がんばって全国でもやろうじゃないかということで呼びかけているんです。

www.jcp.or.jp

暮らしで地道な活動――町内会活動

 もう一つかみやさんは議会だけでなくみなさんの暮らし、さきほど自治会の話ありましたね。町内会の話。ああゆう活動を地道にやられてこられた。そしてそれで全国でも先進的な活動をされてるんですね。さきほど言ったように全国どこでも担い手がいないとか、いろいろ難しい問題が町内会に押し付けられてきている。かみやさん独自のやり方でいろいろ新しい経験つくったんですね。

 それでなんと、NHKクローズアップ現代という番組、ご存知でしょうか。NHKの中でも私はまじめな番組だなと思うんですが、あのクローズアップ現代にかみやくん登場したんです。その町内会の活動が素晴らしいってことで、NHKも全国で教訓にしようということで2015年の11月4日の放送でかみやさんが登場した。

 つまりかみや貴行という人は行く先々で全国の参考になるような例をつくっている。市議団でもつくってる。町内会の活動でもつくってる。だからもし彼が市長になれば、本当にこの福岡市が全国に先駆けていろんな暮らしを応援するそういう制度をつくって、あ、これ福岡市を見習おうというふうになることは間違いありません。彼はそういう人生をずっと歩んできたわけですから。ですからそういう意味でもぜひ押し上げていただきたい、こう思っております。

 

立場の違う人と話せる――学生自治会の仕事

 そしてもう一つなぜかみやくんか。私、市長という仕事、これにかかわることだと思っているんです。行政の長ですから。立場の違いをこえ、考え方の違いをこえ、共同を広げて福岡市を動かしていく。これが市長の役割だと思うんです。

 今国会ではね、もうなんか自分のお友だちとか自分の言うことしか聞かない人を大臣にしたりこういろいろする人が総理大臣やってますけども。ああいう人は実は行政の長ではいけないんです。議会でもいろんな立場の違いがある。そういうことを踏まえてそういうのをしっかり受け止めて市民のために仕事をするのが市長だと思うんです。

 かみやくんていうのは学生時代からずーっとそういう仕事をしてきた。彼は京大の自治会の委員長をやっていました。そのあと全国の自治会の委員長もやりました。そういう活動の中で本当にいろんな意見の違いはあるけれども、自治会も同じなんです。たーくさん学生がいて、それぞれいろいろ違いはあるけれども一番今、学生の要求なんだろうか。そういう違いを踏まえて、ちゃんと学生自治会で要求を出していく。実現していく。こういう活動やってきた。

 だから立場の違いをこえて、共同をひろげるという、そういうことでは鍛え抜かれた人物であります。そういう意味でもぜひ市長という仕事を、今度は市長という仕事をやらせていただきたい。心からお願いしたいと思います。

 

文化活動の多彩さ――漫画評論

 そして最後に、この福岡市というのはアジアの玄関口です。昔から本当に多彩な文化が入ってきて、多彩な民族のやりとりもあったりした。そういう他の都市にはすばらしい文化や芸術がある。かみやくんというのは実は多彩でありまして、「紙屋高雪」というペンネームで評論活動とか、漫画が本当に大好きで、多彩な側面があるんですね。

 すごいなと思うのはみなさんもご覧になったかもしれませんが、大ヒット映画「この世界の片隅に」がありますよね、あの原作は、こうの史代さんの同名漫画なんです。

 彼は2016年の8月に呉市立美術館に呼ばれて、こうの史代さんの漫画『この世界の片隅に』について講師として講演しているんです。

 皆さん、市立美術館に講師として呼ばれた経歴を持つ政令市の市長は、なかなかいないんじゃないでしょうか。福岡市の美術館も呼べばいいのにね。

http://www.kure-bi.jp/kurebi-pics/10001271.pdf

 ですから、やっぱりそういう普通の方々、あるいは保守の方々からも「あ、あのかみやならいいよ」と言ってくれるセンスと人脈を持っている。それがかみやくんなんです。

 国際都市であり、文化の豊かな福岡市の市長に本当にふさわしい。それがかみや貴行だと思います。まさに福岡市のことを知り尽くし、そして行政の長としてのその資格も兼ね備える、そして多彩な才能を持っている。これがかみや貴行です。

 どうかみなさんのお力で市長に押し上げてください。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

*1:「議会と自治体」2012年1月号、「九電に食いものにされてきたごみ行政のゆがみ」。

*2:「議会と自治体」2014年2月号、「『生活交通条例』と住民の『移動権』保障」。

架空討論(6)「支店経済からの脱却」が「成長戦略」?

 引き続き、高島市長の記者会見をもとにした架空討論会を勝手にやってます。

 この架空討論会、前は毎日新聞が、今日は朝日新聞が注目してくれています。

  今回は、成長戦略についてです。

 これはよく質問されます。「かみやさんの成長戦略はなんですか?」と。

 大学生ITベンチャー「PoliPoli」のスマートフォンアプリの特設ページでも聞かれましたし、そこに関わっている方にも街頭のトークライブでも聞かれました。

www.nishinippon.co.jp

 

―これまでの8年間でこういうことができました、ここが足りません、だからここをやっていきますっていう意味で、公約を読み解いてほしい―

 福岡のポテンシャルを開花させていくために、まず産業構造はどうなっているかを分析しました。福岡は政令指定都市の中で唯一、1級河川がありません。だから、工場をつくることができません。ですから、知識創造型産業ですとかサービス業、いわゆる第3次産業が非常に重要になってきます。第3次産業が大事になったときに、何をしなければいけないか。

 よく福岡って「七社会」経済って言われてましたけど、私は七社会経済ではないなと思ったわけです。福岡っていうのは第3次産業の街だと捉えたわけです。ですから、福岡の成長戦略を、短期的にリターンがかえってくるもの、中期、長期と分けました。

 短期的リターンは交流人口の増加。中期的リターンは知識創造型産業の育成。長期的リターンは支店経済からの脱却です。支店経済からの脱却は、手段としては本社機能の誘致、ならびにここに本社をつくっていく。これがスタートアップです。

 こうした短期・中期・長期で成長戦略をつくったのが、8年前の出来事なんです。これを着実に進めていくためにどうしようか。私はマスタープランを改訂することに手を付けたわけです。福岡市全体の大きなマスタープランを改訂して、その長期的プランを実行していくために政策推進プラン、行財政改革プランをつくったのが第2段階です。

 で、福岡市としての計画に落とし込みをして、そのうえで毎年の予算編成の中で、交流人口がまず短期的リターンでかえってきますから、これを増やしていくために国際会議やMICE、スポーツイベントの誘致をするようになりました。それによって就任2年目で入り込み観光客数が日本一になった、過去最高になったわけです。そしてその後も7年連続で、国際会議開催件数が政令市で1位となったわけです。

 これは、効果てきめんでした。就任直前の3年間は11位だった税収の伸び率が、3年間で1位になったんです。そのあと1期4年間も政令市で1番の伸び率になったわけです。こうやってソフト施策が非常に進んできた中で、何が起きたか。

 

 九経連の事務局長みたいなことをおっしゃってますよね。

 結局、こういう成長戦略を2期8年してきて、市民の側には何も回ってこなかった。というか市民が貧しくなってしまった……というのはこれまで述べてきた通りです。

 市民の家計の可処分所得がダウンしたっていうのはもうさんざんいってきたので、今回は市民の家計の可処分所得じゃなくて、市民経済計算でいうところの「賃金・俸給」でみてみましょうか。

 高島市長がなる前の2009年度で2兆5727億円なんですが、最新統計(2015年度)は2兆5418億円で減っているんですよね。就業人口が増えているのにね。市内雇用者一人当たりの市民雇用者報酬も499万円から486万円にダウンしてしまっています。 

 なかなか悲惨な結末ですよね。

 これぐらいはっきりとダメな数字が出ちゃうもんなんだな、と。

 

 いや、福岡市の経済(市内総生産)6兆7308億円から7兆6561億円に、13%くらい累積で「成長」しているんですよ。何度も言いますけど。

 その取り分が企業サイドにいっちゃっている。労働者や市民に還元されていないことがクリアに出てしまっているんです。

 だから、この延長線上で「成長」していっても、市民にはほとんど還元されないわけですよね。

 それなのに、最終的に「支店経済からの脱却」をしたいそうなんですよ。高島市長は。

 

東京やシアトルみたいな街になって幸せですか

 それはつまり、東京みたいな街に福岡市をしたいのか、と思いました。

 東京みたいな街になったら、皆さん幸せですか?

 なるほど、企業、特に大企業は幸せそうですよね。

 以前高島市長はインタビューで米国のシアトルみたいな街にしたいって述べていました。

style.nikkei.com

若き市長、高島宗一郎(40)だ。高島は「福岡市を日本のシアトルにしたい」と意気込む。……高島は支店経済の街だった福岡市を、創業の街に変えたいと思っている。高島が描く福岡市の未来像は米国のシアトルだ。

 シアトルは、アマゾンがやってきて潤っているかのように見える。しかし交通渋滞とホームレスの増加など都市問題が深刻化するばかりです。

toyokeizai.net

 

計画の最終年であった2015年、シアトルのホームレス人口はゼロに近づくどころか、過去最大になった。アメリカ住宅都市開発省が同年発表したデータを見ると、シアトルのホームレス人口はニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガスに次ぎ、全米ワースト4位。しかも、その翌年にはさらに1408人もホームレスが増えて全米ワースト2位になり、シアトル市は緊急事態宣言を発令するまでに至った。

 

 「支店経済からの脱却」のような成長目標は財界が描く成長のビジョンではあっても、政治家が語るべき成長のビジョンの少なくとも本筋の問題じゃないと思いますね。

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シアトルの街並み



 サプライサイドつまり企業(大企業)側の「成長」の話ばっかりなんです。高島市長のこれは。「九経連の事務局長」と言ったのはそういうことで、それが政治が描く成長戦略なのかなと思うのです。

 どうやったら、その成長の果実が市民に回ってくるのかが見えないわけですよね。

 

 私の成長戦略は、デマンド(需要)のサイドを中心にして、しかもなおかつ地場の中小、特に小規模企業というサプライ(供給)サイドの対策を視野に入れた地域循環型経済の構築です。

 労働(サービス)が社会を支えるだけ行われ、それがお金を仲立ち(媒介)にして、交換されるということができれば、「普通の暮らし」ができるんです。お金と労働が地域で回っていくシステムをどう作るのか。これは実は日本ではまだなかなか成功していないしくみづくりで、それを築いていこうというところに私の挑戦があります。

 

 簡単に言えば、私がいっている二つの方向です。

 一つは、市民の暮らしを直接応援することで、所得が増えるのと同じ効果をもたらす施策です。

 もう一つは、地場の中小企業、とりわけ小規模企業に仕事を回し、雇用とお金が地域内で増えるように手だてをとることです。

 「地域」といった時、これは福岡市を意味するだけではありません。

 例えば、九州を一つの経済圏とみなしてそこ全体が総合的に発展する道を模索することです。再生可能エネルギーは確かに福岡市内で利用可能量は自給200%以上あるんですが、九州全体を一つのネットワークであると考えればもっと簡単に再生可能エネルギーを軸にした「自給圏」が構想できます。原発なんか直ちに止めた方がいい。

 ともかく、大企業を中心にしたサプライサイドのことばかり考えている高島市長のやり方では経済は成長しても市民には還元されないどころか市民は貧しくなっていることが統計上はっきりしてしまったわけですから、変えないといけないのです。

 「支店経済を脱却」して東京やシアトルみたいな街にしたいんですか?

 そんな街が幸せですか?

 

内発的発展都市政策の原則

 ここから先はちょっと小難しい話になりますので、読みたくない人は読まなくて差し支えありません。

 最近も福岡で講演された宮本憲一さん(元大阪市立大学教授)は、高島さんのような開発の仕方を「外来的開発」と呼んでいます。外からの呼び込みですね。実は自民党などの伝統的な政策はこれです。高度成長期に外から大企業を誘致してコンビナートを作らせたり、大型の公共事業を呼び込んで地方に再分配させるなどといったやり方です。

 これに対する新しい政策の方向を宮本さんは「内発的発展」として紹介しています。私のいう「地域循環型経済」という成長論はこの「内発的発展」論の一つに位置付けられます。*1

 それには3つの原則があります。

 一つ目は、目的の総合性。つまり、経済成長のもうけだけを指標にするのではなく生活や環境の質が向上しないといけないというものです。まあ、これだけ見れば高島市長だってそう言っているわけですけどね(笑)。

 二つ目は、地域内産業連関をつけ、社会的剰余を地元の福祉や文化に配分するということ。「できるだけ地域内で財貨やサービスに付加価値をつけることがのぞましい」「東京や大阪の商社やサービス業によって卸売やサービスされるよりは地元の卸売業やサービス業によって売買される方が雇用も所得も増えるのである」「さらに、都市で生み出される社会的剰余(営業利潤+個人の余裕資金+租税)が地域内で分配され、再投資され、その際にできるだけ福祉や文化など市場にのりにくい公共的な性格の財やサービスの向上にも配分されれば、地域の総合的な発展が可能になる」(宮本『都市政策の思想と現実』p.358)。

 三つ目は、住民の参加と自治。天神ビッグバンやウオーターフロント再整備が住民の参加や自治で議論されることはありません。市長が「市民参加」を強調するのは、「税金で解決するのはもう古い」といって福祉から手を引き、町内会やボランティアにやらせようとするときだけです。

 この3つの原則に則って内発的発展という形での成長をしていくようにします。

 

「税金を使ってやるというやり方でなく」?

 ところで高島さん、記者会見でこんなことおっしゃってますけど……

 ホテルが足りない、滑走路が足りない、MICEの施設が足りない、クルーズの着岸する岸が足りない。ソフト施策によって大きく喚起された需要により、供給力不足が顕在化したわけです。どうするのか。当然、これらの整備には大きなお金もかかるし、簡単に一朝一夕にできるものではない。

 これらを税金を使ってやるというやり方ではなくて、できるだけ民間活力を利用しようと計画を考えた。

  いやいやいやいやいや、つい最近、あなた、「市政だより」(2018年11月1日号)でむっちゃ「税金こんなに使ってるぜ!」って大宣伝してますやんwwwww

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 結局市民所得の向上策はなし――「成長」一本槍

 そして記者から「市民の懐がさみしいようだけどどうすんの?」と問われてますよね。

―市民所得の向上についての考え、施策は―

 8年前と比較しても有効求人倍率が非常に増えて、働く場所が大きく増えていった。市税、税収の伸び率も、5年連続過去最高になってきていて、福岡が明らかに元気になっていることは、皆さんご承知いただけてると思うんです。

 一方で、最近言われているのが、内部留保が多いんじゃないかとか、要するに、人件費比率です。これが低くて企業がため込んでいるっていうのは、やっぱりよくないと思うんです。やはり、給与を上げていただく施策に、これから企業の皆さんも努力をしていただきたいと思っています。

 

 高島市長、大企業の内部留保が多いことはお認めになったわけですね。ちなみに議会で質問されたとき、「市内大企業の内部留保は減っている」「内部留保は設備投資などに回っていて全部が使えるお金ではない」ということを局長が答弁していてこの記者会見と全然別のことを述べているんですが……。あの局長答弁はどうしちゃったんですか?

 

 まあ、それでもいいでしょう。きっと「あの答弁はダメだった! あんな答弁した局長は更迭だ!」と悔やんでこういう内部留保批判をされているんでしょう。知らんけど。

 だけど、記者の質問に高島さんは結局どう答えたのか。

 

 ただ、前提として、福岡市の経済自体が良くなっていかない限りは当然、給与を上げよう、ボーナスを上げようなんて話にはなりにくかったりもすると思うんです。今、人が不足しているのは間違いないんで、皆さん非常に人を欲しがっています。これは待遇とか、所得を上げていく良いチャンスではないかなと思っていますんで、行政としては産業政策として経済を活性化していくことによって、市民所得の向上の後押しをしていきたいと思っています。

 

 結局ゼロ回答。

 この回答はとどのつまり「経済成長すりゃいいじゃん」ってことですよね。

 人手不足になるからやがて給料は伸びるでしょ、と。

 前から高島市政は、この問題を聞かれると「求人倍率は上がっている」と答えるのが常でした。例えば2015年10月22日の経済観光文化局長の答弁は、

福岡労働局の有効求人倍率も、平成27年7月では1.14倍と過去最高となるなど、大幅に改善してきている

でした。で、結局2015年の家計の可処分所得も、賃金・俸給も落ち込んだわけですよね。つまり求人倍率はずっと上がっているんですが、市民の家計の所得は変わりがないんですよね。どうしてここまで還元されていないのか、よく考えるべきじゃないでしょうか。

 

 

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 高島市長の反論を、待っております。もう、全くもって、全然きませんが。

 

 

 本日の私の演説です。

www.facebook.com

*1:宮本氏によれば1979年に国連大学の委託を受けて上智大学国際関係研究所が始めた共同研究「内発的発展論と新しい国際秩序」がその嚆矢だという。

松尾匡さん(立命館大学経済学部教授、『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』の著者)からの私の政策へのコメント

 松尾匡さんから私の政策へのコメントをいただきました。

 松尾さんは、立命館大学経済学部教授(理論経済学)です。福岡県にある久留米大学の教授もされたことがあります。ブレイディみかこさん、北田暁大さんとの共著『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』(亜紀書房)で有名な経済学者です(私も熱心に読ませていただきました)。

 松尾さんは、左派の経済政策についてしばしば意見(辛口なものも含む)を述べ、逆にアベノミクスのうち金融緩和について「一定の評価はしなければならない」とはっきりおっしゃっている方で、政策的にオリジナルでユニークなスタンスの方です。

 その方から、私の政策について客観的な視点でのコメントをいただけることは大変光栄なことだと思っています。以下全文を紹介します。(見出しは私がつけました)

 

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 統一地方選挙の半年前のこの時期に福岡市長選挙があり、かみや貴行さんが立候補してくれたことは、全国にとってとてもラッキーなことだったと思います。

反緊縮の世界的・全国的な新しい流れ

 アメリ中間選挙ではサンダースさんやオカシオコルテスさんが圧勝しました。沖縄では玉城デニーさんが圧勝しました。京都府知事選挙では、国政政党としては共産党だけが推薦する候補が予想を裏切る健闘で相乗り候補に迫りました。共通しているのはみんな、庶民の暮らしを豊かにする前向きの経済政策を強く打ち出していることです。


 長年の新自由主義と経済停滞で疲弊して、憤る庶民にとって、それこそが最も望むことだったわけです。なのに、バブル崩壊後これまでのリベラル派や左派の清貧を説くようなイメージでは、安倍さんやトランプさんにお株を奪われるだけでした。それに気づいて、もっと庶民のためにおカネをたくさん使って、草の根から経済を盛り上げる「反緊縮」の政治を目指したい——そう志す人たちが、今、全国各地で現れ始めている。私にはそう感じられます。

 

かみやさんの公約はその格好のお手本だ

 ラッキーと言ったのは、その人たちにとって、かみやさんの公約は、格好のお手本になると思うわけです。地元の庶民の抱える暮らしの問題を具体的に掘り起こし、堅実な政策を積み上げて、働く人々や中小企業の懐を温めて経済を底上げさせることを目指しています。対する現職市長の経済政策が、巨費を費やしながら地元経済を潤すことなく、99%のための支出をケチってごく一部の人だけをもうけさせるものだということを批判して、そんなものにまわすカネがあれば、庶民のための公約は実現できることを、数字をあげて示しています。


 全国の立候補予定者は、ぜひこの公約を検討し、採用できるものはどんどん取り入れたらいいと思います。何より、地元の様々な問題や制度に、具体的な数字をともなって精通する姿勢こそ、学ぶべきことだと思います。

 

防災問題をもっと強調を

 ひとつ、これを強調したらもっといけると思うことは、今、天災が相次いでいて防災関連にはみんな敏感になっているはずなので、そこを突くことです。海岸べりの開発は災害に脆弱でしょうし、なによりロープウェイはその点弱すぎです。どこか実際に営業しているところに問い合わせれば、風速何メートルで止めるのか、去年、今年は何日止まったかがわかると思います。九大跡地の問題も含め、現職市長が防災に消極的との印象を宣伝できればいいと思います。それに対して、かみや公約のブロック塀撤去補助で地元経済を活性化する防災政策アイデアは感心しました。全国に広まれるべきだと思います。

 

架空討論は面白すぎる

 あと、かみやさんのブログで、現職市長側の政策を検討している「架空討論」はおもしろすぎます。市長も逃げてないで、本当に実現すればいいのに。

架空討論(5)市営住宅建設は「いかがなものか」?

 引き続き、高島市長の記者会見をもとにした架空討論会を勝手にやってます。

 今回は、市営住宅や家賃補助のことですね。

www.nishinippon.co.jp

 

 はいはい。出ましたね。

 私の方が問題を投げかけている分野です。

 市長はどういっているか。

―対立陣営からは公営住宅などセーフティーネットをもう少し強化していいんじゃないか、という指摘もある―

 高齢社会に向かってどのように高齢者の住宅を確保していくのか。入院から在宅へという流れの中で、地域で安心して暮らしていけるのかという課題は、日本全体にとって非常に大きな課題だと認識しています。人口が減っていく街であっても、増えていく街であっても、問題は変わらないと思うんです。

 そのうえで福岡市はどういう事に取り組んでいるかというと、一つは民間の賃貸住宅などを借りていく。福岡は新築志向が非常に強い土地ですので、意外と、築何年の住宅が空きがあったりという事もある訳です。

 こうした空き部屋を活用していくのは非常に大事で。こうしたアセット(資産)があるにもかかわらず、市が別の形で住宅を建築するのは、行政の最適化からしてもいかがなものか。

 民間の皆さんにとって、どういう形であれば、例えば低所得者の方とか、高齢者の方を受け入れやすいのか。やはり保証の仕組みが大事になってくる訳です。ですから、福岡市社協と一緒になって、民間の皆さんと、高齢者が住み替えを促進できるような協定を結んだり。そういうかなり先進的な取り組みをしてきている。

  昔は賃貸→持ち家という「はしご」を登らせるように政策誘導がありました。

 結婚して家族ができ持ち家を持って「一人前」だとするような風潮。

 こういう政策イデオロギーはそのままで、お年寄りになっても、ずっと賃貸に住んでいる人は結構増えてきたんですよね。

 そうなるとパートナーが死んだり離婚したりして、一人暮らしになって、年金が1人分しかなくて非常に苦しくなってきます。

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 しかし、一人暮らしできるようなアパートが今度は見つかりません。

 昔は古い木造賃貸アパート、いわゆる「木賃」があったんですが、どんどんなくなっている。新しいアパートは家賃も高いのです。

 そして、大家が入れたがらない。

 だから、国も住宅セーフティネット法を作って、そういう住宅の確保に「要配慮」をしなきゃいけない高齢者などをなんとかマッチングさせて住宅を確保しようとしています。

 

民間頼みではうまくいかない

 しかし、民間だのみではどうなるのか。

 このセーフティネット住宅に登録してくれる住宅がものすごく少ない。

 2018年11月現在で福岡市ではゼロです。

 市長の宣伝とは裏腹に全く機能していないんですね。そういう現実を市長は見ていないと思います。

 

 福岡市の住宅審議会が開かれていて、第4回(2018年8月23日)の議事録が興味深い。登録が全然進んでいないことについて、当の大家さんたちの利害を代表する団体(宅建協会)はどう考えているかが書かれています。「委員」が宅建協会の人ですね。

http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/30913/1/01giziroku_04.pdf?20181011160140

●副会長:私たちはフォローが必要な人達の観点で議論していますが、セーフティネット住宅として住宅を提供していただくことが前提となっています。宅建協会でこの議論についてどのように考えておられるのでしょうか。もっと考えるべき点を出していただいた方がいいのではないでしょうか。セーフティネット住宅の登録がなかったということになると、根底が崩れてしまうと思います。

●委員:よくわかります。貸す側になって考えた場合、どのような方に貸したいかということが重要です。耐震改修や間取り変更にどれだけお金が必要でしょうか。それだけの金額はなかなか取り返せません。そこまでして貸す必要はないと考える大家さんもかなりいると思います。さらに、居住者が亡くなった場合の心理的瑕疵の問題がありますので、前回申し上げました通り、居住者の死亡に関する報告義務の期間を定めるなど、その辺を明確にしていただきたいと思います。……

●副会長:……宅建協会の中でもセーフティネット住宅の取り組みについて是非とも議論していただいて、意見をまとめていただいてはいかがでしょうか。国も推奨しており、市としても住宅に困窮しておられる方の救済策として、一所懸命取り組もうとしている問題です。

●委員:ご意見はわかりますが、非常に難しい問題であります。入居者に対して経過の報告を(ママ)が必要になりますし、大家の説得が必要になることも考えられます。我々も大家の立場で住宅をお貸ししています。そこに法的な問題を入れてこられると、にっちもさっちも動けなくなってしまう恐れがあり、そこについてはご理解いただけないかと思います。

 

 要するに大家としては、慈善事業ではないのでリスクはとれない。福祉的な事業を大家の善意でやるのは限界がある、と言っているわけです。

 それで現に登録がゼロなわけですから、民間任せ・民間頼みでマッチングをしていてもダメなわけです。

 じゃあ、市営住宅を新しく作るか、もしくは市が民間アパートを借り上げて市営住宅のようにして安く高齢者を入居させるしかないわけですよ。

 ロープウエーとか作っている場合じゃない。

 

 セーフティネット登録だけに頼っているやり方だと、家賃補助も始まって行きません。

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 高島市長の反論をお待ちしています。(このオチ、書いていてだんだん虚しい)

 

松竹伸幸(ジャーナリスト/「自衛隊を活かす会」事務局長)さんからの推薦の言葉(下)

 前回の記事に続いて松竹伸幸(ジャーナリスト/「自衛隊を活かす会」事務局長)さんから、メッセージとは別に、10月の要請集会で推薦の言葉を紹介します。(すでに松竹さんのブログには掲載されていますが、あらためてご本人の許可を得て転載いたします。)

 

 ちなみにここに書いてある「昭和天皇の顔をした人」は井下弁護士もおっしゃっています……。そんなに似てます?

 

編集長の冒険 » 福岡市長選挙で神谷貴行氏を応援する・下

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 これまで紹介してきた神谷さんの考え方、人となりというのは、政治家にとって欠かせないものだと思います。


 政治家というのは、とりわけ自治体の首長をはじめ行政の代表というのは、特定の政策、イデオロギーを持つ国民(市民)の代表ではありません。すべての市民、国民の代表です。


 安倍首相が秋葉原の演説で、自分に反対する人たちを指して「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と悪罵を投げかけたことは記憶に新しいでしょう。この演説が違和感を抱かせるのは、総理大臣というのが、ただ自民党支持者の代表というのではなく、擬制ではあっても、やはり国民の代表だからです。自分個人の政策、イデオロギー自民党のものであっても、他の考え方、イデオロギーの人も含む国民全体の代表として、そういう方々へのリスペクトが必要だからです。


 そういう政治家としての資質は、自民党の総理大臣に必要というだけではなく、左翼や共産党の政治家にも同じように不可欠です。その点で紙屋さんは、護憲という理想で揺るがないのだけれど、侵略にたいする反撃は必要だという現実感覚を持っていて、自衛隊に対するリスペクトもあります。ネット右翼だからとって排撃するのではなく、そこに近づいていって共感できる部分を見つけだす気持ちも持っています。理論的に深いものを持っているけれど、それをマンガで分かりやすく表現する力もあります。


 要するに、神谷さんというのは、安倍さんと対極にあって、福岡市民の代表として不可欠な資質の人だということです。本日出されたみなさん方の要望には真剣に向き合ってくれるでしょうけれど、それだけではなく、ここに参加していない方々、こういう集まりに違和感を持つ方々とも対話し、市民の代表として行動できる人だということです。


 福岡から出た政治家の一人に、自民党幹事長を務めた古賀誠さんがいます。その古賀さんが運輸大臣の時、共産党の国会議員の紹介で、東京の新日本婦人の会の方が陳情のために大臣室に行きました。私はそこに同席していたのですが、古賀さんは、要望を真摯に聞いてくれるだけではなく、同時に、その共産党議員のことをあれこれ事例をあげて褒めあげるのです。それで新婦人の方は、支持政党は変わらなかったでしょうが、いっぺんに古賀さんのファンにもなったと思います。自民党というのはこうやって支持者を増やしているんだと理解できました。先日、古賀さんと別件でお会いしたとき、「あれはおべんちゃらのようなものだったのですよね」と尋ねたら、「いやいや本気でしたよ」と言っておられました。


 政治家というのはそうでなくてはいけないと思います。神谷さんならそういう市長になれます。


 最後に一つ。私が神谷さんに最初にお会いしたのは、『理論劇画 マルクス資本論」』を出したあと、京都に講演会のためにお呼びしたときでした。その頃、私はまだ東京事務所で仕事をしていて、そこに出入りしていた神谷さんのお友だちに対して、「神谷さんにはじめて会うんだよ」と言ったら、こういうんです。「松竹さん、待ち合わせ場所が混雑していても、絶対に間違いませんよ」。「なぜ?」と聞くと、「だって、昭和天皇の顔をした人が歩いていたら、それが神谷さんですから」。


 神谷さんは、考え方が市民の代表というだけではなく、風貌まで国民統合の象徴のような方なのですね。頑張ってください。

架空討論(4)箱崎キャンパス跡地での「自動運転車」実験のこと

 引き続き、高島市長の記者会見をもとにした架空討論会を勝手にやってます。まだやるんかい、と思うかもしれませんが、やります。いやぁ、私くらい高島市長の記者会見をこんなに熱心に読んでいる人は他にいないんじゃないですか? 1位が高島さん、2位が書き起こした記者、そして3位が私。

 

 今回は、箱崎キャンパスでのいろんな実証実験の話ですね。

www.nishinippon.co.jp

 

 それと、もう一つが九州大学箱崎キャンパスの跡地というフィールドがある事なんです。既存の市街地の中に、新しいサービス、テクノロジーを導入していくのは、住民合意も含めて非常にハードルがあるんです。箱崎キャンパス跡地は、ちょうど移転が完了したばかり。来年の公募前のこの1年間に、たくさんの実証実験を行って、その次の年の公募につなげていきたいと思っているんです。

 そのためには、自動運転、センサー(を使って)の見守り、シェアリング。人の乗る自動運転もあれば、荷物を運ぶ自動運転もある訳です。これは来年実際に行う事が決まっているんです。さまざまな実証実験を行ううえで、福岡が国家戦略特区に選ばれているという事が、非常に大きなインセンティブです。福岡のイニシアティブでもってチャレンジができる。で、うまくいけばその成果を日本全体に還元する事もできる。

技術革新は素晴らしいこと

  私も見守りセンサーや自動運転車のような技術革新は非常にいいなと思ってます。

 っていうか、私がついこの前町内会長さんたちの前で話したことなんですよ。

 町内会長さんたちは見守りをやっているんだけど「それに参加してくれる人がいなくてもう大変」とか。

 あるいは、市から車を借りてボランティアでバスを運転している。お年寄りの移動支援のためにね。事故を起こさないように必死です。

 そんな時、もし見守りセンサーや自動運転車のような技術革新があればこういう町内会のお悩みも一気に解決してしまうんです。

 素晴らしいですよね。

 

イノベーションを無邪気に喜んでいるわけにはいかない

 しかし、政治家はそういうイノベーションをただ無邪気に喜んでいるわけにはいかないという問題もあるんです。

 今後AI(人工知能)やIT(情報技術)が発達し、もうけ本位に使われれば、大量の失業さえ生まれかねません。

 長い目でこの都市問題に対応するのが市政の仕事です。

 もし自動運転者ができれば、さっき述べたような「高齢者ばかりになってバス便がなくなった地域の問題」は「解決」されるでしょうが、同時にそれは運転手の仕事が失われる瞬間です。

 技術はそれを誰がどう握るかこそが問題のカナメです。市長の仕事は、ナイーブにただ大企業の儲け仕事を後押ししてやることではありません。それを政治・社会の側から問題を浮き彫りにして、対応する知恵をだし、政策にしていくことこそ必要です。

 だからこそ、私は「福岡式ベーシックインカム」を提案し、全ての人に「健康で文化的な最低限度の生活保障」をする社会への切り替えを訴えました。その第一歩が家賃補助・市営住宅の増設、そして暮らしへの直接支援です。

 

箱崎キャンパス跡地は防災公園にというのが住民のもとの要望だが

 そして、箱崎キャンパス跡地については、もともと地元の4校区協議会が出した構想は全体を一つの防災公園にするという構想でした。

 

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 ところが、その「全体を一つにした防災公園」という考えは、どっかいっちゃった

 財界などが協議会に入り込んできて、ゆがんできています。今の構想では、部分的に公園が入ったり、中に入る商業施設と「防災協定を結ぶ」みたいな話になったりしてしまっています。

 そもそも自動運転車を走らせるとかスマートイーストという話自体が住民が望んでいたことなのか――そういう疑問が私にはあります。

 もともとの4校区提案は、地元の自治会などがかなり努力して、住民に広く聞いて承認された唯一のものです。その努力のプロセスを私はよく知っています。

 それなのにそれが置き去りにされて市長や財界の思惑で勝手に進んでいないかなと危惧しています。

 現に、今でも住民からは集会で「元の提案通り防災拠点・防災公園にしてほしい」という要望を私は聞いています。だとしたら、やはりもっと徹底した住民の要望を聞き直す形をとるべきではないでしょうか。

 私は、公約のプロジェクト4で住民討論会や住民意向調査、そして住民投票をもっと活用すべきだと呼びかけています。

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 高島市長の反論をお待ちしています。なかなかきませんが。

松竹伸幸(ジャーナリスト/「自衛隊を活かす会」事務局長)さんからの推薦の言葉(上)

 松竹伸幸(ジャーナリスト/「自衛隊を活かす会」事務局長)さんから、メッセージとは別に、10月の要請集会で推薦の言葉をいただいています。それを紹介します。

 すでに松竹さんのブログには掲載されていますが、あらためてご本人の許可を得て転載いたします。

編集長の冒険 » 福岡市長選挙で神谷貴行氏を応援する・上

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 10月5日、福岡市長選挙に神谷貴行さん(共産党福岡市議団事務局長)が立候補することを表明しました。その2日前の3日、神谷さんに立候補を要請する集会があって、共産党福岡市議団などでつくる市民団体「市民が主人公の福岡市をめざす市民の会」が主催だったのですが、そこから何と私に参加依頼があったので、福岡まで行って応援演説のようなものをしてきました。以下、その演説の要旨です(上下2回)。


 神谷さんのことをはじめて知ったのは15年前です。私が『前衛』という共産党の月刊誌に書いた有事法制反対の論文を、自分のブログに全文掲載したいというメールがあった時でした。そのブログを見ると、神谷さんがなぜこれを全文掲載したかという「まえがき」のようなものがあって、「自分の考えと近いからだ」と書いていました。当時、平和勢力のなかでは有事法制全面否定の議論が主流だったのですが、私は、「いくら何でも日本が侵略された時の法制は否定してはならない」という考えを持っていて、「しかし、提出されている法制は、そういうものとはほど遠い」という立場で寄稿したのです。そこに共感してくれたのだと思います。その後の私は、護憲派にも防衛戦略が必要だと感じて『憲法九条の軍事戦略』を書いたり、元防衛官僚の柳澤協二さんを代表にして「自衛隊を活かす会」をつくったりしましたが、その度に、紙屋さんは応援のエールを送ってくれました。


 ブログ以外ではじめて神谷さんの文章に接したのは、若者向けの超左翼マガジン『ロスジェネ』をつくったときです。その創刊号に神谷さんの寄稿があって、それは何と、「ネット右翼に会いに行った」という内容のものでした。普通、左翼というのは、ネット右翼と聞くと、良くてもただ反論する対象だと思う程度で、実際には何を言っているか読みもしないというのが現実でしょう。ところが神谷さんはそういう人に会いに行って、よく話し合って、もちろん右翼的な考え方をしているわけだが、現実の生活は貧困なもので、それをなんとかしたいと考えていることをつかんできた。そして、そういう貧困を生み出している自民党政治を正すため、右も左も手を結ぼうよという趣旨で書いていたのです。


 神谷さんに最初に書いてもらった本は、『理論劇画 マルクス資本論」』です。当時、その貧困が大問題になり初めで、小林多喜二の『蟹工船』がバカ売れして、左右を問わず出版社は、「この次に読者が求めるのは何か」を追い求めていました。一つの共通の結論は、「きっと貧困の原因はどこにあるのか」というところに関心が向かうだろうというもので、「それは『資本論』だ」と多くの人が思ったのです。実際、雨後の竹の子のように関連の本が出されました。私も同じ考えでしたが、ただの解説書ではダメだろうと思い、神谷さんに相談したら、「劇画でやりましょう」ということになったのです。爆発的に売れました(他社の本はあまり売れませんでした。たぶん)。この本、分かりやすいのは当然なのですが、関西在住のある経済学者から、『資本論』第一巻の神髄である剰余価値について、「他のどの本よりも深い」という評価を頂きました。(続)